スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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26.8.1 グループリソース

VERITAS Cluster Serverがノード間の系切り替えを行う単位をグループといい,グループを構成しているアプリケーションが動作するために必要な資源をリソースといいます。リソースには次に示すものがあります。

<この項の構成>
(1) グループとリソースの設定
(2) リソースの親子関係定義
(3) ダミーファイル(モニタモード限定)
(4) 注意事項

(1) グループとリソースの設定

HiRDBの稼働に必要なNIC及び論理IPアドレスや共有ディスクを用意して,VERITAS Cluster Serverのリソースとして設定しグループを構成します。このマニュアルの説明では,共有ディスクの設定にVERITAS Volume Managerを使用しています。これらのリソースの設定には,既に定義済みのNICタイプ,IPタイプ,及びDiskGroupタイプのリソースタイプが利用できます。

また,HiRDBをリソースとしてグループ内に設定して,VERITAS Cluster Serverの管理下に入ることが必要になります。そのためには新たにHiRDB用のリソースタイプを定義します。リソースタイプの定義方法については,「26.8.2 HiRDB用のリソースタイプの定義」を参照してください。

リソースタイプの名称はHiRDB/シングルサーバの場合はHiRDB_S,HiRDB/パラレルサーバ用の場合はHiRDB_Pという名称にします。このマニュアルではリソースタイプの名称をHiRDB_xと表記しています。HiRDBの種類によってHiRDB_S又はHiRDB_Pと置き換えてお読みください。

(2) リソースの親子関係定義

グループ内に設定したリソースに親子関係を定義します。HiRDBが稼働するためには,論理IPアドレス(IPアドレスを引き継ぐ場合)や共有ディスクが有効になっている必要があるため,HiRDB_xタイプのリソースはIPタイプのリソース及びDiskGroupタイプのリソースに対して親リソースとなるように定義してください。グループの構成を次の図に示します。

図26-54 グループの構成

[図データ]

(3) ダミーファイル(モニタモード限定)

モニタモードではHiRDBが異常終了した場合,HiRDBの機能によって再開始するため,HiRDBの稼働状態を監視する必要はありません。ただし,リソースとしてHiRDBが稼働中であることをVERITAS Cluster Serverに認識させるためにダミーファイルを作成する必要があります。ダミーファイルは次に示す条件をすべて満たす必要があります。

条件
  • VERITAS Cluster ServerによるHiRDBの開始時にダミーファイルを作成します。
  • VERITAS Cluster ServerによるHiRDBの終了時にダミーファイルを削除します。
  • ダミーファイルがある場合はHiRDBのリソースは稼働中とします。
    ポイント
    ダミーファイルを誤って削除すると,VERITAS Cluster Serverはリソースに障害が発生したと判断し,系を切り替えます。そのようなことがないように,HiRDB_xタイプのリソース属性値にCritical = 0を設定してください。また,ダミーファイル自体も誤って削除することがないように$PDDIR/.pdveritasの名称で作成してください。

(4) 注意事項