スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

[目次][索引][前へ][次へ]

25.3.3 ユーザID,パスワード,及びロール名に指定する大文字と小文字の扱い

ここでは,ユーザID,パスワード,及びロール名に指定する大文字と小文字の扱いについて説明します。

<この項の構成>
(1) HiRDBとディレクトリサーバとの違い
(2) ディレクトリサーバの設定をどうするか
(3) HiRDBの運用について

(1) HiRDBとディレクトリサーバとの違い

HiRDBでは,ユーザID,パスワード,及びロール名の大文字と小文字を区別しません(小文字を大文字として扱います)。大文字と小文字を区別する場合は,引用符(")で囲みます。例えば,USERA,usera,userA,USerAはすべて同じ文字列USERAとして扱います。"USERA","usera","userA","UserA"はすべて異なる文字列として扱います。

Sun Java System Directory Serverの場合はSun Java System Directory Serverのドキュメントを参照してください。なお,通常は次の表に示すとおりになっています。

表25-1 ディレクトリサーバでの大文字と小文字の扱い

項目 ディレクトリサーバでの扱い
ユーザID 大文字と小文字を区別しません。
(例)USERA,usera,userA,USerAはすべて同じ文字列として扱います。
パスワード 大文字と小文字を区別します。
(例)HiRDB,HIRDB,hirdbはすべて異なるパスワードとして扱います。
ロール名 大文字と小文字を区別しません。
(例)GROUPA,groupa,GrouPA,gRoUpAはすべて同じ文字列として扱います。

(2) ディレクトリサーバの設定をどうするか

ディレクトリサーバで大文字と小文字を区別するかどうかの目安を次の表に示します。

表25-2 ディレクトリサーバで大文字と小文字を区別するかどうかの目安

条件 大文字と小文字を区別するかどうか
ディレクトリサーバをHiRDBだけで使用する場合 HiRDBで大文字と小文字を区別する運用をしている場合 ディレクトリサーバの設定を「大文字と小文字を区別する」にしてください。
HiRDBで大文字と小文字を区別しない運用をしている場合 ディレクトリサーバの設定を「大文字と小文字を区別しない」にしてください。
ディレクトリサーバをHiRDBを含む複数の製品で使用する場合 ほかの製品も含めて,大文字と小文字を区別するかどうかを決めてください。HiRDBのために大文字,小文字の区別を変更する場合は,ほかの製品に影響がないことを確認してから変更してください。

●大文字と小文字を区別しないときの注意事項
  1. ディレクトリサーバにUSERAというユーザが登録されているとします。この場合,USERA又はuseraのどちらでもHiRDBにCONNECTできます。しかし,スキーマ定義権限を与えるときに,GRANT SCHEMA TO "usera"と指定した場合,このSQLは受け付けられますが,HiRDBではスキーマ定義権限をuseraに与えたと認識します。このため,useraだけがスキーマ定義権限を使用でき,USERAはスキーマ定義権限を使用できません。これと同じようなことがDBA権限及びアクセス権限を与えるときにも起こります。
  2. ロールに表のアクセス権限を与える場合に,GRANT SELECT ON T1 TO GROUP "groupa"と指定したとき,groupaに属するユーザとGROUPAに属するユーザに表のアクセス権限が与えられます。

(3) HiRDBの運用について

HiRDBでユーザID,パスワード,及びロール名を指定する場合は,すべて大文字で指定するか,又はすべてを引用符「"」で囲んで指定するというように,指定方法を統一することをお勧めします。