スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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24.5 パスワード無効アカウントロック状態になるユーザを事前調査する

実行者 DBA権限保持者

ここでは,パスワード無効アカウントロック状態になるユーザを事前調査する手順について説明します。(1)から順に作業を進めてください。

<この節の構成>
(1) TESTオプションを指定してCREATE CONNECTION SECURITYを実行する
(2) PASSWORD_TEST列を検索する

(1) TESTオプションを指定してCREATE CONNECTION SECURITYを実行する

TESTオプションを指定してCREATE CONNECTION SECURITYを実行してください。TESTオプションを指定すると,CREATE CONNECTION SECURITYで指定した制限に違反しているユーザに対しては,ディクショナリ表のSQL_USERSのPASSWORD_TEST列に違反種別コードが設定されます。

参考
TESTオプションを指定した場合,パスワードの文字列制限のチェックだけが行われます。違反者をパスワード無効アカウントロック状態にはしません。

パスワード無効アカウントロック状態になるユーザを事前調査するときの例を次に示します。

例題
パスワードに次の文字列制限を設定する場合の違反者を調べます。
  • パスワードの最小許容バイト数:8
  • パスワード中の認可識別子指定:禁止
  • パスワードの単一文字種指定:禁止
 
CREATE CONNECTION SECURITY
    FOR PASSWORD TEST             ...1
      MIN LENGTH 8                ...2
      USER IDENTIFIER RESTRICT    ...3
      SIMILAR RESTRICT            ...4
 
〔説明〕
  1. 事前調査のため,TESTオプションを指定します。
  2. パスワードの最小許容バイト数を8バイトとします。
  3. パスワード中の認可識別子の指定を禁止します。
  4. パスワードの単一文字種の指定を禁止します。
このSQL文を実行すると,SQL_USERSに登録されている全ユーザのパスワードをチェックし,制限に違反しているユーザに対してはSQL_USERSのPASSWORD_TEST列に違反種別コードを設定します。
ポイント
  • 事前調査時とパスワードの文字列制限を設定する時でSQL(CREATE CONNECTION SECURITY)の指定内容に違いがあると,事前にパスワードを修正したユーザでもパスワード無効アカウントロック状態になる可能性があります。そのため,事前調査時には,TESTオプション以外はパスワードの文字列制限を設定する時に実行するSQL(CREATE CONNECTION SECURITY)と同じSQLで実行してください。
  • 事前調査の実行後は,文字列制限に違反しているパスワード以外のパスワードを変更しないように連絡してください。また,新規ユーザの登録をする場合は,制限を満たすパスワードを設定してください。

(2) PASSWORD_TEST列を検索する

SQL_USERSのPASSWORD_TEST列に違反種別コードが設定されます。PASSWORD_TEST列を検索して,パスワード無効アカウントロック状態のユーザを確認してください。設定される違反種別コードを次の表に示します。違反していない場合はナル値が設定されます。

表24-4 PASSWORD_TEST列に設定される違反種別コード

項番 項目 PASSWORD_TEST列に設定される違反種別コード
1 最小許容バイト数の設定に違反した場合 L
2 認可識別子の指定禁止に違反した場合 U
3 単一文字種の指定禁止に違反した場合 S

複数の項目に違反している場合,違反種別コードは複数設定されません。項番の順に一つだけ設定されます。例えば,項番1と2の両方の項目に違反している場合は,違反種別コードにLが設定されます。

パスワード無効アカウントロック状態のユーザを確認するときの例を次に示します。

例題1
パスワードの文字列制限に違反しているユーザの一覧を取得します。
 
SELECT USER_ID
   FROM MASTER.SQL_USERS
     WHERE PASSWORD_TEST IS NOT NULL
 
実行結果
USER_ID
-----------
USER1
USER2
USER3
〔説明〕
USER1,USER2,及びUSER3がパスワードの文字列制限に違反しています。

例題2
パスワードの文字列制限に違反しているDBA権限保持者及び監査人の一覧を取得します。
 
SELECT USER_ID
    FROM MASTER.SQL_USERS
      WHERE PASSWORD_TEST IS NOT NULL
        AND (DBA_PRIVILEGE = 'Y' OR AUDIT_PRIVILEGE = 'Y')
 
実行結果
USER_ID
-----------
AUDITOR1
DBA1
DBA2
〔説明〕
DBA権限保持者DBA1とDBA2,及び監査人AUDITOR1がパスワードの文字列制限に違反しています。