スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

[目次][索引][前へ][次へ]

22.10 システムの内部処理方式のチューニング

システムの内部処理方式をオペランドの指定によって変更できる場合があります。

このようなオペランドを次に示します。各オペランドの詳細については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム定義」の,各オペランドの項目を参照してください。

<この節の構成>
(1) マシン負荷を掛けても性能を上げたい場合に指定するオペランド
(2) トランザクションの多重実行時の性能を指定するオペランド

(1) マシン負荷を掛けても性能を上げたい場合に指定するオペランド

ここで示すオペランドは,次の二つの方式を使い分けるためのものです。

  1. マシンに掛ける負荷は高いが,マシンの性能が高ければ,高性能が得られる方式。マシンの性能が低いと,CPU使用率が100%近くなってOSの性能が低下するなどの危険があります。
  2. マシンに掛ける負荷は低いが,性能も普通である方式。どのようなマシンであっても安定した性能が得られます。

危険性を最小限に抑えるため,これらのオペランドの省略値の多くは,2.で示す説明に準じた値となっています。

したがって,マシンの性能が高いとこれらのオペランドの指定値を変更することで,マシン負荷は上がりますが,性能も上がる可能性があります。ただし,不適切な値を指定すると,CPU使用率が100%近くになってOSの性能が低下するなどの危険がありますので変更には十分に注意してください。

また,これらのオペランドには,指定内容がシステムの複雑な内部処理方式で使用する値であるために,オペランドの説明を詳細に記載していない場合があります。その場合には,マニュアル「HiRDB Version 8 システム定義」の各オペランドの指定値の目安を参考にしてください。

システムの内部処理方式のチューニングのためのオペランドを次の表に示します。

表22-2 システムの内部処理方式のチューニングのためのオペランド

指定内容 指定条件 オペランド名
排他解放検知方式 UAP実行時一般 pd_lck_release_detect
排他解放調査間隔 pd_lck_release_detect_interval
処理要求キューイング方式 pd_server_entry_queue
スレッド間ロックのスリープ方式 pd_thdlock_sleep_func
スレッド間ロックのスリープ時間 pd_thdlock_retry_time
スレッド間スピンロックスピン回数 pd_thdspnlk_spn_count
グローバルバッファ排他解放調査間隔 グローバルバッファの排他待ちが発生している場合 pd_dbbuff_wait_interval
グローバルバッファ排他解放調査処理中のスピン回数 pd_dbbuff_wait_spn_count
グローバルバッファの排他解放検知方式 グローバルバッファ使用時 pd_dbbuff_lock_release_detect
グローバルバッファの排他獲得待ち処理中のスピン回数 pd_dbbuff_lock_spn_count
グローバルバッファの排他獲得待ち処理中のインターバル時間 pd_dbbuff_lock_interval

(2) トランザクションの多重実行時の性能を指定するオペランド

トランザクションの多重実行時の性能を指定するオペランドを,次の表に示します。

表22-3 トランザクションの多重実行時の性能を指定するオペランド

指定内容 指定条件 オペランド名
スレッド間ロック解放通知方式 トランザクション多重実行時にトランザクションごとの実行時間に,ばらつきが発生することが許されない場合 pd_thdlock_wakeup_lock
スレッド間ロック解放調査間隔 トランザクション多重実行時にトランザクションごとの実行時間に,ある程度のばらつきが発生することが許される場合 pd_thdlock_pipe_retry_interval