スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)
回復対象RDエリアにマスタディレクトリ用RDエリアが含まれる場合,pdstart -rコマンドでHiRDBを開始して,pdrstrコマンドでマスタディレクトリ用RDエリアを回復する必要があります。
最新の同期点又は範囲指定の回復をする場合,いったんマスタディレクトリ用RDエリアを単独で回復してください。その後,マスタディレクトリ用RDエリア以外のRDエリアを回復してください。
データディクショナリLOB用RDエリアは次に示す用途ごとに分かれています。
ソース格納用とオブジェクト格納用では,RDエリアを回復できる時点が異なります。
ソース格納用のデータディクショナリLOB用RDエリアは,バックアップ取得時点及びそれ以降の任意の同期点に回復できます。このときのデータベース回復ユティリティの入力情報は,バックアップ及びシステムログ(アンロードログ)となります。
オブジェクト格納用のデータディクショナリLOB用RDエリアは,ロールフォワードに必要なデータベース更新ログを取得しないため,バックアップ取得時点だけにしか回復できません。したがって,このときのデータベース回復ユティリティの入力情報はバックアップだけとなります。
なお,次に示す場合は,〈手順〉に従ってオブジェクト格納用のデータディクショナリLOB用RDエリアを回復してください。
ユーザLOB用RDエリアを回復する場合,そのLOB列構成基表を格納するユーザ用RDエリアも同期を合わせて回復してください。
リスト用RDエリアはpdrstrコマンドでの回復の対象となりません。基表があればリストを再作成できるため,回復の対象にしていません。
なお,リスト用RDエリアが障害閉塞した場合は,次に示す手順で障害閉塞を解除してください。
pdstart -rコマンドでHiRDBを開始して,障害閉塞しているRDエリアを回復した場合,HiRDBの正常開始後にRDエリアを閉塞解除(pdrelsコマンド)する必要があります。
順序数生成子格納RDエリアのバックアップを取得する場合,順序数生成子を使用する表が格納されているRDエリアを同時に取得してください。
また,順序数生成子格納RDエリアと順序数生成子を使用する表が格納されているRDエリアを回復する場合は,整合性が取れる時点に回復してください。
上記以外の運用を行った場合,回復後の順序番号の取得時に重複,又は欠番が発生することがあります。
ログ出力間隔に1より大きな値を指定した順序数生成子を,ログを使用してバックアップ取得時点以降の任意の同期点,又は障害発生直前の最新の同期点まで回復した場合,回復後の順序番号の取得時に欠番が発生することがあります。なお,バックアップ取得後から回復終了ポイントとして指定する同期点までの間に,当該順序数生成子から順序番号を取得したかどうかには依存しません。
表20-2 データベース回復後の順序数生成子から取得した順序番号
項目 | バックアップ取得時点に回復した場合 | 任意,又は最新の同期点に回復した場合 | ||
---|---|---|---|---|
ログ出力間隔※の指定値 | ログ出力間隔※の指定値 | |||
1より大 | 1 | 1より大 | 1 | |
欠番 | ○ | ○ | × | ○ |
重複 | ○ | ○ | ○ | ○ |
また,HiRDB Datareplicator及びHiRDB Dataextractorは順序数生成子を使用できないため,抽出側と反映側を切り替えて同じ名称の順序数生成子を使用する場合,反映側に抽出側の順序数生成子の現在値を引き継げません。そのため,順序数生成子から取得した順序番号が重複することがあります。
All Rights Reserved. Copyright (C) 2006, 2016, Hitachi, Ltd.