スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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19.16 ディスク障害が発生したときの対処方法

実行者 HiRDB管理者及びスーパユーザ

ディスク障害が発生したときの対処手順を次に示します。

〈手順〉
  1. ハードディスクを初期化します。
  2. パーティションを設定します。
  3. UNIXファイルシステムを初期化します(通常ファイルの場合)。
  4. HiRDBファイルシステム領域の所有者及びアクセス権を変更します(キャラクタ型スペシャルファイルの場合)。
  5. ファイル名をシンボリックリンクします。
  6. HiRDBファイルシステム領域を初期設定します。
  7. システムファイルを作成します。
  8. RDエリアを回復します。
手順の数字はこの後で説明している( )レベルに対応しています。例えば,3の操作は(3)で説明しています。
<この節の構成>
(1) ハードディスクを初期化します
(2) パーティションを設定します
(3) UNIXファイルシステムを初期化します(通常ファイルの場合)
(4) HiRDBファイルシステム領域の所有者及びアクセス権を変更します(キャラクタ型スペシャルファイルの場合)
(5) ファイル名をシンボリックリンクします
(6) HiRDBファイルシステム領域を初期設定します
(7) システムファイルを作成します
(8) RDエリアを回復します

(1) ハードディスクを初期化します

実行者 スーパユーザ

ハードディスクを交換して初期化してください。

ハードディスクの初期化方法については,OSのマニュアルを参照してください。

(2) パーティションを設定します

実行者 スーパユーザ

初期化したハードディスクに,前と同じようにパーティションを設定してください。

パーティションの設定方法については,OSのマニュアルを参照してください。

(3) UNIXファイルシステムを初期化します(通常ファイルの場合)

実行者 スーパユーザ

HiRDBファイルシステム領域に通常ファイルを使用していた場合は,設定したパーティションをUNIXのファイルシステムとして初期化してください。

ただし,既に初期化している場合,この操作は不要です。UNIXファイルシステムの初期化方法については,OSのマニュアルを参照してください。

(4) HiRDBファイルシステム領域の所有者及びアクセス権を変更します(キャラクタ型スペシャルファイルの場合)

実行者 スーパユーザ

HiRDBファイルシステム領域の所有者及びアクセス権を,前と同じように変更してください。HiRDBファイルシステム領域に設定する所有者及びアクセス権を次の表に示します。

表19-19 HiRDBファイルシステム領域に設定する所有者及びアクセス権(ディスク障害発生時の対処)

所有者,アクセス権 設定する情報 実行するコマンド
所有者 ユーザID HiRDB管理者 chownコマンド
グループID HiRDBグループ chgrpコマンド
アクセス権 所有者 rw−(読み書きができます) chmodコマンド
グループ rw−(読み書きができます)
その他 −−−(アクセスできません)

注※ OSのコマンドです。OSのマニュアルを参照してください。

(5) ファイル名をシンボリックリンクします

実行者 スーパユーザ

HiRDBファイルシステム領域の名称をシンボリックリンクしていた場合は,前と同じ名称でシンボリックリンクしてください。OSのlnコマンドでシンボリックリンクします。lnコマンドについては,OSのマニュアルを参照してください。

(6) HiRDBファイルシステム領域を初期設定します

実行者 HiRDB管理者

障害が発生したディスク内に作成していたHiRDBファイルシステム領域をpdfmkfsコマンドで初期設定します。

(a) 障害が発生したディスク内にシステムファイルを作成していた場合

pdfmkfsコマンドで,システムファイル用のHiRDBファイルシステム領域を初期設定します。

 
pdfmkfs -n 40 -l 5 -k SYS -i /sysfile_a
 

〔説明〕
-n:HiRDBファイルシステム領域サイズを指定します。初期設定するHiRDBファイルシステムの領域サイズは,パーティションの領域長と等しいか,又は小さくしてください。パーティションの領域長より大きくすると,そのパーティションに物理的に続くパーティションを破壊する場合があります。
-l:HiRDBファイルシステム領域内に作成するファイル数の上限を指定します。
-k SYS:システムファイル用のHiRDBファイルシステム領域を指定します。
-i:HiRDBファイルシステム領域の全エリアを初期設定する指定です。
/sysfile_a:HiRDBファイルシステム領域名を指定します。
コマンドの実行後,実行結果が正しいかどうか確認することをお勧めします。コマンドの実行結果の確認方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。
(b) 障害が発生したディスク内にRDエリアを作成していた場合

pdfmkfsコマンドで,RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域を初期設定します。

 
pdfmkfs -n 40 -l 5 -k DB -i /dbarea1
 

〔説明〕
-n:HiRDBファイルシステム領域サイズを指定します。初期設定するHiRDBファイルシステムの領域サイズは,パーティションの領域長と等しいか,又は小さくしてください。パーティションの領域長より大きくすると,そのパーティションに物理的に続くパーティションを破壊する場合があります。
-l:HiRDBファイルシステム領域内に作成するファイル数の上限を指定します。
-k DB:RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域を指定します。
-i:HiRDBファイルシステム領域の全エリアを初期設定する指定です。
/dbarea1:HiRDBファイルシステム領域名を指定します。
コマンドの実行後,実行結果が正しいかどうか確認することをお勧めします。コマンドの実行結果の確認方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。

(7) システムファイルを作成します

(6)の(a)で初期設定したHiRDBファイルシステム領域内に,システムファイルを作成します。

 
pdloginit -d sys -f /sysfile_a/log1a -n 2000          1
pdloginit -d sys -f /sysfile_a/log2a -n 2000
pdloginit -d sys -f /sysfile_a/log3a -n 2000
pdloginit -d sys -f /sysfile_a/log4a -n 2000
pdloginit -d spd -f /sysfile_a/sync1 -n 1000          2
pdloginit -d spd -f /sysfile_a/sync3 -n 1000
pdstsinit -u UNT1 -f /sysfile_a/ssts1a -c 500         3
pdstsinit -u UNT1 -f /sysfile_a/ssts2a -c 500
pdstsinit -s bes1 -f /sysfile_a/b1sts1a -c 500        4
pdstsinit -s bes1 -f /sysfile_a/b1sts2a -c 500
 

〔説明〕
  1. システムログファイルを作成します。
  2. シンクポイントダンプファイルを作成します。
  3. ユニット用ステータスファイルを作成します。
  4. サーバ用ステータスファイルを作成します。

(8) RDエリアを回復します

障害が発生したディスク内にあったRDエリアをpdrstrコマンドで回復します。RDエリアの回復例については,「20.データベースの回復方法」を参照してください。

注意
障害が発生したディスク内にマスタディレクトリ用RDエリアがある場合は,pdstart -r コマンドでHiRDBを開始して,pdrstrコマンドでマスタディレクトリ用RDエリアを回復してください。マスタディレクトリ用RDエリアに障害が発生したときの対処方法については,「19.4.3 マスタディレクトリ用RDエリアに障害が発生したときの対処方法」を参照してください。