スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)
現用ファイルが両系とも障害の場合,HiRDB(ユニット)は再開始できません。この場合,pdstart dbdestroyコマンドでHiRDBを強制開始してください。
- 注意
- HiRDBを強制開始すると,HiRDBは前回稼働時の情報を引き継ぎません。したがって,HiRDB管理者がデータベースの内容を回復する必要があります。データベースの内容を回復するには,バックアップ及びシステムログ(アンロードログ)を入力情報として,データベース回復ユティリティ(pdrstrコマンド)を実行します。
現用ファイルの両系に障害が発生した状態で,HiRDBを開始するときの手順を次に示します。
- 〈手順〉
- ディスク障害が発生しているかを調べます(物理障害チェック)。
ステータスファイルが配置されているディスクに障害が発生しているかを調べてください。物理的な障害(破損,電源の寸断など)のほかにも,OSやディスクドライバの障害,ディスクが有効化されているかなどについて調べてください。
調べた結果,ディスク障害が発生している場合は障害を取り除いてください。障害回復が難しい場合は,ディスク障害の回復をあきらめて,残りの正常なディスクだけでHiRDBを開始します。このまま次の手順に進んでください。
なお,物理障害が発生しているかどうかは,「表19-16 ディスクの物理障害の判定方法(物理障害チェック)」を参照して確認してください。
- ステータスファイルの内容に誤りがないか調べます(論理障害チェック)。
物理障害が発生していないステータスファイルにpdcat -d stsコマンドを実行し,ステータスファイルの内容に誤りがないか調べてください。
ユニット用ステータスファイルの場合:
pdcat -d sts -u UNT1 -f /sysfile/usts1a -v
サーバ用ステータスファイルの場合:
pdcat -d sts -s b001 -f /sysfile/sstsb1a -v
次に示す条件をすべて満たす場合,ステータスファイルは正常です。
・pdcatコマンドの実行結果に表示されるレコード長とレコード数が,ステータスファイル作成時に指定した値と同じである
・pdcatコマンドの実行時にエラーメッセージが表示されない
- pdstsrmコマンドで,障害が発生したステータスファイルを削除します。
ユニット用ステータスファイルの場合:
pdstsrm -u UNT1 -f /sysfile/usts1a
pdstsrm -u UNT1 -f /sysfile/usts1b
サーバ用ステータスファイルの場合:
pdstsrm -s b001 -f /sysfile/sstsb1a
pdstsrm -s b001 -f /sysfile/sstsb1b
- pdstsinitコマンドで,3で削除したステータスファイルを再作成します。
ユニット用ステータスファイルの場合:
pdstsinit -u UNT1 -f /sysfile/usts1a -l 4096 -c 256
pdstsinit -u UNT1 -f /sysfile/usts1b -l 4096 -c 256
サーバ用ステータスファイルの場合:
pdstsinit -s b001 -f /sysfile/sstsb1a -l 4096 -c 256
pdstsinit -s b001 -f /sysfile/sstsb1b -l 4096 -c 256
- pdstart dbdestroyコマンドで,HiRDBを強制開始してください。
- データベース回復ユティリティ(pdrstrコマンド)で,RDエリアを回復してください。
- コマンドの実行後,実行結果が正しいかどうか確認することをお勧めします。コマンドの実行結果の確認方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。
- 注意
- HiRDBを強制開始すると,前回のHiRDB開始後に更新したすべてのRDエリア(システム用RDエリアも含みます)が破壊されます。したがって,強制開始をする場合は,破壊されたRDエリアをデータベース回復ユティリティで回復する必要があります。RDエリアを回復しないと,その後のHiRDBの動作を保証できません。
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