スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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15.9.1 RDエリアを移動する前に

<この項の構成>
(1) 移動できるRDエリア
(2) 移動手順
(3) 注意事項

(1) 移動できるRDエリア

移動できるRDエリアを次に示します。

(2) 移動手順

RDエリアの移動手順を次に示します。なお,ここで説明する移動手順は基本的な操作手順です。システムの構成によっては若干手順が異なります。詳細については,15.8.2以降の例題で説明しています。

〈手順〉
  1. 移動先のバックエンドサーバがあるサーバマシンのメモリ所要量を見積もり直します。
  2. pdcopyコマンドでバックアップを取得します。移動対象RDエリア,マスタディレクトリ用RDエリア,及びデータディクショナリ用のRDエリアのバックアップを取得する必要があります。バックアップの取得については,「6. バックアップの取得方法」を参照してください。
  3. pdholdコマンドで移動対象RDエリアを閉塞クローズ状態にします。
  4. pdmodコマンドでRDエリアを移動します。
  5. pdstopコマンドでHiRDBを正常終了します。RDエリアを移動した後にHiRDBを一度終了してください。この操作をしないと,RDエリアの移動後の処理を保証しません。
  6. 移動対象RDエリアのHiRDBファイルを移動します。
  7. pdstartコマンドでHiRDBを正常開始します。
  8. pdcopyコマンドでバックアップを取得します。移動対象RDエリア,マスタディレクトリ用RDエリア,及びデータディクショナリ用のRDエリアのバックアップを取得する必要があります。バックアップの取得については,「6. バックアップの取得方法」を参照してください。
RDエリアの移動開始からHiRDBの開始までの間(手順4〜7までの間)に,UAP及びそのほかのユティリティを実行しないでください。
注※
別のサーバマシンにRDエリアを移動する場合に必要な操作です。移動対象RDエリアのHiRDBファイルを移動先のサーバマシンに移動する必要があります。このとき,HiRDBファイルのパス名は移動元と同じパス名にしてください。同じパス名にできない場合は,別のディレクトリに格納してこのパスへのシンボリックリンクをしてください。
また,移動した後に移動元のHiRDBファイルを削除する必要があります。方法については,15.8.2以降の例題で説明しています。

(3) 注意事項

(a) 関連するすべてのRDエリアを移動してください

RDエリアを移動する場合,関連するすべてのRDエリアを移動する必要があります。関連するすべてのRDエリアを移動しないと,データベース構成変更ユティリティ(pdmodコマンド)の実行時にエラーになります。

(b) 表に非分割キーインデクスが定義されている場合

移動対象RDエリアに格納されている表に非分割キーインデクスを定義している場合は,RDエリアを移動できません。この場合,次に示す手順でRDエリアを移動します。

〈手順〉
  1. DROP INDEXで非分割キーインデクスを削除します。
  2. RDエリアを移動します。
  3. CREATE INDEXで非分割キーインデクスを再作成します。
ただし,UNIQUEを指定した非分割キーインデクスは再作成できない場合があります。再作成できない場合については,マニュアル「HiRDB Version 8 SQLリファレンス」のCREATE INDEXを参照してください。
(c) 表の分割キー以外に主キーを定義している場合

移動対象RDエリアに格納されている表の分割キー以外に主キーを定義している場合は,RDエリアを移動できません。この場合,次に示す手順でRDエリアを移動します。

〈手順〉
  1. pdrorgコマンドで表データをアンロードします。
  2. DROP TABLEで表の定義を削除します。
  3. RDエリアを移動します。
  4. CREATE TABLEで表を定義します。
  5. pdrorgコマンドで表データをリロードします。
(d) 表を基表とするルーチンがある場合

RDエリアを移動すると,移動対象RDエリアに格納されている表を基表とするルーチンが無効になるため,ALTER ROUTINEでルーチンを再作成してください。