スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)
格納条件の変更規則について説明します。
格納条件を変更するときは,次の表に示す上限値及び下限値の規則を守ってください。
表13-25 統合機能での上限値及び下限値
項目 | 上限値 | 下限値 | 上限値又は下限値を 超えた場合の動作 |
---|---|---|---|
一度に統合の対象にできるRDエリア数 | 16 | 2 | ALTER TABLEをエラーとします。 |
ALTER TABLEの実行後,統合されるRDエリア数 | 1(固定) | ||
統合した結果のRDエリアの総数 | − | 1 |
(凡例)−該当しません。
統合対象となるRDエリアは一定の条件を満たしている必要があります。RDエリアの統合可否を次の表に示します。
表13-26 RDエリアの統合可否
統合対象RDエリア | 統合 可否 |
説明 | |
---|---|---|---|
統合対象RDエリアは,表定義に指定されたRDエリアである | ○ | RDエリアを統合できます。 | |
統合対象RDエリアに,表定義に指定されていないRDエリアがある | × | ALTER TABLEがエラーになります。 | |
OTHERS指定のRDエリア※ | すべてのRDエリアに格納条件が指定されている | ○ | OTHERS指定のRDエリアを統合する例を図13-56に示します。 |
格納条件なしのRDエリアがある | × | ALTER TABLEがエラーになります。 OTHERS指定のRDエリアを統合できない例を図13-57に示します。 |
図13-56 OTHERS指定のRDエリアを統合する例
図13-57 OTHERS指定のRDエリアを統合できない例
格納条件指定の統合時,実体のないダミーのRDエリアを統合対象にできます。また,ダミーのRDエリアに統合することもできます。この実体のないダミーのRDエリアをOTHERS指定のRDエリアといいます。OTHERS指定のRDエリアは,格納条件なしのRDエリアと仮定されて分割又は統合処理が行われます。OTHERS指定のRDエリアの利用方法を次に示します。
ALTER TABLEのCHANGE RDAREAに統合後のRDエリアを指定します。このRDエリアには,統合対象RDエリアの全格納条件を満たすデータが格納されます。統合後のRDエリアは,統合対象RDエリアの中の一つであってもよいし,新たに用意したRDエリアでもかまいません。
ただし,統合時の条件によっては統合できないこともあります。統合対象RDエリアと統合後RDエリアの組み合わせ可否について以下に説明します。
統合後のRDエリアの総数について条件があります。統合時の条件と統合後のRDエリア総数の関係を次の表に示します。
表13-27 統合時の条件と統合後のRDエリア総数の関係
統合時の条件 | 統合後のRDエリアの総数 | |||
---|---|---|---|---|
統合対象表の条件 | 統合対象RDエリアの条件 | 1個 | 2個以上 | |
格納条件なしのRDエリアがある | OTHERS指定のRDエリアがある | ×※1 | ||
OTHERS指定のRDエリアがない | 格納条件なしのRDエリアがある | ×(図13-63を参照) | ○(図13-58を参照) | |
格納条件なしのRDエリアがない | − | ○(図13-59を参照) | ||
格納条件なしのRDエリアがない | OTHERS指定のRDエリアがある | ×(図13-64を参照) | ○(図13-60を参照) | |
OTHERS指定のRDエリアがない | ○※2(図13-61を参照) | ○(図13-62を参照) |
図13-58 統合できるケース(その1)
図13-59 統合できるケース(その2)
図13-60 統合できるケース(その3)
図13-61 統合できるケース(その4)
図13-62 統合できるケース(その5)
図13-63 統合できないケース(その1)
図13-64 統合できないケース(その2)
統合後のRDエリアの指定条件と統合可否(格納条件ありのRDエリアだけを統合対象とする場合)を次の表に示します。
表13-28 統合後のRDエリアの指定条件と統合可否(格納条件ありのRDエリアだけを統合対象とする場合)
統合後のRDエリアの指定条件 | 統合可否 | |
---|---|---|
統合対象RDエリアを統合後に使用しない | 表格納RDエリアのどれかを統合後のRDエリアに指定する | ×(RDエリアの指定誤り) |
表格納RDエリア以外のRDエリアを統合後のRDエリアに指定する | ○(図13-65を参照) | |
OTHERS指定のRDエリアを統合後のRDエリアに指定する | ×(図13-67を参照) | |
統合対象RDエリアを統合後に使用する | ○(図13-66を参照) |
統合後のRDエリアの指定条件と統合可否(格納条件なしのRDエリアを統合対象とする場合)を次の表に示します。
表13-29 統合後のRDエリアの指定条件と統合可否(格納条件なしのRDエリアを統合対象とする場合)
統合後のRDエリアの指定条件 | 統合後の表格納RDエリアの条件 | ||
---|---|---|---|
格納条件なしのRDエリアがある場合 | 格納条件なしのRDエリアがない場合 | ||
統合対象RDエリアを統合後に使用しない | 表格納RDエリアのどれかを統合後のRDエリアに指定する | ×(RDエリアの指定誤り) | − |
表格納RDエリア以外のRDエリアを統合後のRDエリアに指定する | ○(図13-68を参照) | − | |
OTHERS指定のRDエリアを統合後のRDエリアに指定する | ○(図13-69を参照) | − | |
統合対象RDエリアを統合後に使用する | ○(図13-70を参照) | − |
統合後のRDエリアの指定条件と統合可否(OTHERS指定のRDエリアを統合対象とする場合)を次の表に示します。
表13-30 統合後のRDエリアの指定条件と統合可否(OTHERS指定のRDエリアを統合対象とする場合)
統合後のRDエリアの指定条件 | 統合後の表格納RDエリアの条件 | ||
---|---|---|---|
格納条件なしのRDエリアがある場合 | 格納条件なしのRDエリアがない場合 | ||
統合対象RDエリアを統合後に使用しない | 格納条件ありのRDエリアを統合後のRDエリアに指定する | ×(OTHERS指定不可) | ×(統合対象に存在しないRDエリアを指定している) |
表格納RDエリア以外のRDエリアを統合後のRDエリアに指定する | ×(OTHERS指定不可) | ○(図13-71を参照) | |
OTHERS指定のRDエリアを統合後のRDエリアに指定する | ×(OTHERS指定不可) | ○(図13-72を参照) | |
統合対象RDエリアを統合後に使用する | 格納条件ありのRDエリアを統合後のRDエリアに指定する | ×(OTHERS指定不可) | ○(図13-71を参照) |
OTHERS指定のRDエリアを統合後のRDエリアに指定する | ×(OTHERS指定不可) | ○(図13-72を参照) |
統合対象表に分割キーインデクスなどが定義されている場合,表格納用RDエリアだけでなく,インデクス格納用RDエリアも同様に統合する必要があります。同時に統合する必要があるリソースを次の表に示します。
また,表に分割キーインデクスなどが定義されている場合の統合例を次の図に示します。
表13-31 格納条件を変更するときに分割対象となるリソース
表に定義されているリソース | 統合方法 |
---|---|
インデクス | 表格納用RDエリアと1対1になるように統合してください。 |
クラスタキー | |
プライマリキー | |
LOB列 |
図13-73 表に分割キーインデクスなどが定義されている場合の統合例
また,統合時には次に示す規則があります。
ALTER TABLEの実行時,統合対象RDエリア内のデータは通常削除されます。また,対応する次のRDエリア内のデータも削除されます。
統合時に削除対象となるデータを次の図に示します。
図13-74 統合時に削除対象となるデータ
次に示す条件をすべて満たす場合は,統合対象RDエリア内のデータをそのまま使用できる可能性があるため,データを削除しないようにできます。
データを削除しない場合は,ALTER TABLEでWITHOUT PURGEを指定してください。なお,統合対象RDエリアの一つを統合後にも使用する指定をしていない場合にWITHOUT PURGEを指定すると,ALTER TABLEの実行時にエラーとなります。WITHOUT PURGEを指定したときの処理を次の図に示します。
図13-75 WITHOUT PURGEを指定したときの処理
次に示す条件をすべて満たす場合に統合を行うと,統合前のデータを格納するRDエリアがなくなります。
統合後にデータを格納するRDエリアがなくなるケースを図13-76及び図13-77に示します。
図13-76 統合後にデータを格納するRDエリアがなくなるケース(その1)
図13-77 統合後にデータを格納するRDエリアがなくなるケース(その2)
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