スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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9.2.5 ほかの機能との関連

<この項の構成>
(1) HiRDB Datareplicatorとの関連(HiRDB/パラレルサーバ限定)
(2) 系切り替え機能との関連
(3) 回復不要FESとの関連(HiRDB/パラレルサーバ限定)

(1) HiRDB Datareplicatorとの関連(HiRDB/パラレルサーバ限定)

ユニット構成又はバックエンドサーバ構成を変更すると,HiRDB Datareplicatorの定義などを修正するためにHiRDB Datareplicatorを終了する必要があります。ユニット構成又はバックエンドサーバ構成を変更するときの手順を次に示します。

〈手順〉
  1. pdrplstopコマンドでHiRDB Datareplicatorとの連携を停止します。
  2. HiRDB Datareplicatorのhdestopコマンドでデータ抽出機能を停止します。
  3. pd_rpl_init_startオペランドにYを指定している場合はNに変更します。
  4. ユニット構成又はバックエンドサーバ構成を変更し,システム構成変更コマンドを実行します。ユニット構成又はバックエンドサーバ構成の変更方法については,「11.システム構成を変更する方法」を参照してください。
  5. HiRDB Datareplicatorの抽出環境を再構築します。
  6. HiRDB Datareplicatorのhdestartコマンドでデータ抽出機能を開始します。
  7. pdrplstartコマンドでHiRDB Datareplicatorとの連携を開始します。
  8. 3でpd_rpl_init_start=Nに変更した場合は,NからYに再変更してシステム構成変更コマンドを実行します。

(2) 系切り替え機能との関連

(a) スタンバイ型系切り替え機能の場合

現用系と実行系が同じときだけシステム構成変更コマンドを実行できます。また,システム構成変更コマンドは現用系(実行系)のHiRDBシステム定義だけを対象にします。予備系のHiRDBシステム定義は現用系から予備系へHiRDBシステム定義ファイルをコピーして変更してください。スタンバイ型系切り替え機能使用時のHiRDBシステム定義の変更手順を次に示します。

〈手順1〉クラスタソフトウェアがHAモニタで,サーバモードの場合
  1. 現用系でシステム構成変更コマンドを実行します。このとき,予備系HiRDBは自動停止します。
  2. システム構成変更コマンドの処理終了後,現用系から予備系にHiRDBシステム定義ファイルをコピーします。
  3. 待機系でpdstartコマンド(HiRDB/パラレルサーバの場合はpdstart -qコマンド)を実行して予備系HiRDBを開始します。

〈手順2〉Hitachi HA Toolkit Extensionを使用している場合
  1. 予備系HiRDBを終了します。
  2. 現用系でシステム構成変更コマンドを実行します。
  3. システム構成変更コマンドの処理終了後,現用系から予備系にHiRDBシステム定義ファイルをコピーします。
  4. 予備系でpdstartコマンド(HiRDB/パラレルサーバの場合はpdstart -qコマンド)を実行して予備系HiRDBを開始します。

〈手順3〉モニタモードの場合
  1. 現用系でシステム構成変更コマンドを実行します。
  2. システム構成変更コマンドの処理終了後,現用系から予備系にHiRDBシステム定義ファイルをコピーします。
(b) スタンバイレス型系切り替え機能の場合

スタンバイレス型系切り替え機能使用時のHiRDBシステム定義の変更手順を次に示します。なお,代替中はシステム構成変更コマンドを使用できません。

〈手順1〉クラスタソフトウェアがHAモニタの場合
  1. 次に示すHiRDBシステム定義を代替BESユニットの$PDDIR/conf/chgconf下にコピーします。
    ・正規BESのバックエンドサーバ定義
    ・正規BESユニットのユニット制御情報定義
  2. システム構成変更コマンドを実行します。

〈手順2〉Hitachi HA Toolkit Extensionを使用している場合
  1. 次に示すHiRDBシステム定義を代替BESユニットの$PDDIR/conf/chgconf下にコピーします。
    ・正規BESのバックエンドサーバ定義
    ・正規BESユニットのユニット制御情報定義
  2. pdstop -q -cコマンドで代替部の待機状態を解除します。
  3. システム構成変更コマンドを実行します。なお,システム構成変更コマンドを実行すると,2で待機状態を解除した代替部は自動的に待機状態になります。
(c) 注意事項(スタンバイ型及びスタンバイレス型共通)

1はスタンバイ型系切り替え機能使用時の注意事項で,2はスタンバイレス型系切り替え機能使用時の注意事項です。3は共通の注意事項です。

  1. システム構成変更コマンドの実行中は,現用系と予備系でHiRDBシステム定義の内容が不一致になるため,計画系切り替え及びサーバ障害による系切り替えができません。
  2. システム構成変更コマンドの実行中は,正規BESユニットと代替BESユニットで,正規BESのバックエンドサーバ定義と正規BESユニットのユニット制御情報定義の内容が不一致になるため,計画系切り替え及びサーバ障害による系切り替えができません。
  3. 次に示す条件をすべて満たす場合はIPアドレスのup,downを行うシェルを実行しないようにしてから,システム構成変更コマンドを実行してください。
    ・HiRDB/パラレルサーバである
    ・クラスタソフトウェアがHAモニタである
    ・サーバモードである
    ・IPアドレスを引き継ぐ構成である

(3) 回復不要FESとの関連(HiRDB/パラレルサーバ限定)

(a) システム構成変更コマンドを実行できる条件

回復不要FESを使用する場合,システム構成変更コマンドを実行できる条件が変わります。次に示す条件を一つでも満たす場合はシステム構成変更コマンドを実行できません。

注※ 回復不要FESユニットは対象外になります。

ポイント
回復不要FESユニットが稼働していなくてもシステム構成変更コマンドを実行できます。回復不要FESユニット以外のユニットはすべて稼働している必要があります。また,稼働中のユニット内のサーバがすべて稼働している必要があります。
(b) 注意事項

システム構成変更コマンドを実行した場合,停止中のユニット(回復不要FESユニット)のHiRDBシステム定義も変更されます。このとき,HiRDBシステム定義の変更を行うため,停止中のユニットが開始されます。