スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)
HiRDBは,UAP又はユティリティ※によって更新されたデータベースの履歴情報(システムログ中のデータベースの更新ログ)をシステムログファイルに取得しています。ただし,ユーザの指定によっては,このデータベースの更新ログを取得しないこともできます。データベースの更新ログを取得しないと,その分の処理時間が短縮されます。したがって,UAP又はユティリティの実行時間を短縮できます。
UAP又はユティリティを実行するときのデータベースの更新ログ取得方式には,次に示す三つのモードがあります。
データベースの更新ログ取得方式の指定方法を次の表に示します。
表7-1 データベースの更新ログ取得方式の指定方法
条件 | データベースの更新ログ取得方式の指定方法 |
---|---|
UAPの場合 | クライアント環境定義のPDDBLOGオペランドで,データベースの更新ログ取得方式を指定します。PDDBLOGオペランドでは,ログ取得モード又はログレスモードを指定できます。更新前ログ取得モードは指定できません。 |
データベース作成ユティリティの場合 | データベース作成ユティリティの -lオプションで,データベースの更新ログ取得方式を指定します。 |
データベース再編成ユティリティの場合 | データベース再編成ユティリティの -lオプションで,データベースの更新ログ取得方式を指定します。 |
リバランスユティリティ | リバランスユティリティの -lオプションで,データベースの更新ログ取得方式を指定します。リバランスユティリティの-lオプションでは,ログ取得モード又はログレスモードを指定できます。更新前ログ取得モードは指定できません。 |
ユーザLOB用RDエリアを使用している場合 | ユーザLOB用RDエリアに格納されているデータについては,CREATE TABLEのRECOVERYオペランドで,データベースの更新ログ取得方式を指定します。 |
RECOVERYオペランドで指定したデータベースの更新ログ取得方式は,PDDBLOGオペランド又は-lオプションの指定によって変更される場合があります。RECOVERYオペランドとPDDBLOGオペランド又は-lオプションの関係を次の表に示します。
表7-2 RECOVERYオペランドとPDDBLOGオペランド又は-lオプションの関係
PDDBLOGオペランド 又は-lオプションの指定 |
RECOVERY オペランドの指定 |
UAP(又はユティリティ) 実行時に仮定される値 |
---|---|---|
ALL a ログ取得モード |
ALL | ALL |
PARTIAL | PARTIAL | |
NO | NO | |
p 更新前ログ取得モード※ |
ALL | PARTIAL |
PARTIAL | PARTIAL | |
NO | NO | |
NO n ログレスモード |
ALL | NO |
PARTIAL | NO | |
NO | NO |
注※ PDDBLOGオペランドでは,更新前ログ取得モードを指定できません。
データベースの更新ログ取得方式によって次に示す運用方法が異なります。
UAP又はユティリティが異常終了したときのHiRDBの処理とHiRDB管理者の処置を次の表に示します。
表7-3 UAP又はユティリティが異常終了したときのHiRDBの処理とHiRDB管理者の処置
データベースの 更新ログ取得方式 |
HiRDBの処理 | HiRDB管理者の処置 |
---|---|---|
ログ取得モード | 更新したRDエリアの状態をUAP実行前の状態又は異常終了直前の同期点にロールバックします。 | UAP実行前の状態にロールバックされた場合は,UAPを再実行してください。異常終了直前の同期点にロールバックされた場合は,同期点以降の処理を実行してください。 |
更新前ログ取得モード | ||
ログレスモード | ロールバックしません。更新したRDエリアを障害閉塞(ログレス閉塞)します。RDエリアの内容は破壊されます。 | UAP実行前に取得したバックアップを入力情報として,データベース回復ユティリティでRDエリアを回復してください。その後,UAP又はユティリティを再実行してください。 |
データベース回復ユティリティを使用してデータベースを回復できる時点を次の表に示します。
表7-4 データベースを回復できる時点
データベースの 更新ログ取得方式 |
データベースを回復できる時点 |
---|---|
ログ取得モード | バックアップ取得時点又はバックアップ取得時点以降の任意の同期点 |
更新前ログ取得モード | バックアップ取得時点 |
ログレスモード |
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