スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム定義(UNIX(R)用)

[目次][索引][前へ][次へ]

3.2.10 共用メモリに関するオペランド

25) pd_shmpool_attribute = free | fixed
HiRDBのユニットコントローラが使用する共用メモリをメモリ上に固定するかどうかを指定します。なお,AIX版のHiRDB(32ビットモード)では共用メモリの固定化をサポートしていないため,このオペランドにfixedを指定しても無効になります。
free:
メモリ上に固定しません。実メモリ量によっては,別の共用メモリのページングが発生し,性能に影響する場合があります。
fixed:
メモリ上に固定します。
《利点》
HiRDBが使用する共用メモリをメモリ上に固定(fixed指定)すると,共用メモリのページングを防止できます。このため,共用メモリに対するアクセス性能が向上します。
《指定値の目安》
算出した共用メモリサイズとサーバマシンの実メモリから,メモリを固定するかどうかを決定してください。HiRDBがメモリを固定できるサイズに上限があるため,メモリを固定するとほかのメモリのページングが多発することがあります。したがって,実メモリや全使用量に対する共用メモリプールの占める割合をよく検討する必要があります。
ユニットコントローラが使用する共用メモリの計算式,及び各サーバが使用する共用メモリについては,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」を参照してください。
《オペランドの省略値》
このオペランドを省略すると,システム共通定義の同じオペランドの指定値が有効となります。システム共通定義の同じオペランドも省略すると,freeが仮定されます。
《ほかの機能との関連》
AIX版でfixedを指定する場合,次に示す制限があるため,64ビットモードのHiRDBサーバと32ビットモードのクライアントプロセスとの間ではプロセス間メモリ通信機能を使用できません。
  • OSのオペレーティングシステムパラメタの設定が必要
  • システム共通定義に環境変数putenv EXTSHM ONを設定できない
OSのオペレーティングシステムパラメタ,環境変数EXTSHMの詳細については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」の「AIX固有のパラメタ指定」を参照してください。
《注意事項》
AIX版でfixedを指定する場合の注意事項を次に示します。
  • OSのオペレーティングシステムパラメタの設定をしてください。OSのオペレーティングシステムパラメタの設定をしないと,このオペランドの指定は無効になります。設定するOSのオペレーティングシステムパラメタの詳細については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」の「AIX固有のパラメタ指定」を参照してください。
  • 共用メモリがメモリ上に固定されているかどうかは,AIXのコマンドで確認できます。詳細については,AIXのマニュアルを参照してください。

 

26) pd_dbbuff_attribute = free | fixed
グローバルバッファが使用する共用メモリを実メモリ上に固定するかどうかを指定します。なお,AIX版のHiRDB(32ビットモード)では共用メモリの固定化をサポートしていないため,このオペランドにfixedを指定しても無効になります。
free:
グローバルバッファが使用する共用メモリを実メモリにページ固定しません。
fixed:
グローバルバッファが使用する共用メモリを実メモリにページ固定します。
《利点》
グローバルバッファが使用する共用メモリを実メモリにページ固定(fixed指定)すると,共用メモリのページングを防止できます。このため,共用メモリに対するアクセス性能が向上します。
《指定値の目安》
  • 算出した共用メモリサイズとサーバマシンの実メモリから,メモリを固定するかどうかを決定してください。実メモリに比べて多大なメモリをページ固定すると,ページングの多発や仮想メモリ不足の原因になります。したがって,実メモリや全仮想メモリに対する共用メモリプールの占める割合を検討する必要があります。グローバルバッファが使用する共用メモリの計算式については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」を参照してください。
  • ページ固定は,実メモリサイズからページ固定する共用メモリサイズを減算したサイズが,スワップ領域サイズからページ固定する共用メモリサイズを減算したサイズの1/2以上にならないことを目安にしてください。
《オペランドの省略値》
このオペランドを省略すると,システム共通定義の同じオペランドの指定値が有効となります。システム共通定義の同じオペランドも省略すると,freeが仮定されます(pd_sysdef_default_optionオペランドにv6compatible又はv7compatibleを指定している場合,32ビットモードのHiRDBはfixedが仮定されます)。
《ほかの機能との関連》
  • fixedを指定した場合,動的変更したグローバルバッファが使用する共用メモリも実メモリ上に固定されます。そのため,実メモリサイズを十分考慮してグローバルバッファを追加又は変更してください。
  • AIX版でfixedを指定する場合,次に示す制限があるため,64ビットモードのHiRDBサーバと32ビットモードのクライアントプロセスとの間ではプロセス間メモリ通信機能を使用できません。
    ・OSのオペレーティングシステムパラメタの設定が必要
    ・システム共通定義に環境変数putenv EXTSHM ONを設定できない
    OSのオペレーティングシステムパラメタ,環境変数EXTSHMの詳細については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」の「AIX固有のパラメタ指定」を参照してください。
《注意事項》
AIX版でfixedを指定する場合は,pd_shmpool_attributeオペランドの注意事項を参照してください。
《ほかのオペランドとの関連》
pd_sysdef_default_optionオペランドにv6compatible又はv7compatibleを指定している場合,省略値は次のようになります。
  • 32ビットモードのHiRDB:fixed
  • 64ビットモードのHiRDB:free