スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド(UNIX(R)用)

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22.3 システムジェネレータを使用したシステムの構築

システムジェネレータを使うと,設定する内容を選択しながらHiRDBのシステム環境を対話形式で構築できます。システムジェネレータでは,HiRDBのシステム環境に関する設定内容の省略値が設定されています。そのため,テスト環境構築時などには必要な項目だけを設定すれば,HiRDBのシステムを構築できます。

注意事項
システムジェネレータでの設定内容は,簡易導入で想定しているシステムを構築するための値です。また,設定が必要な部分だけを説明しています。詳細な設計をして,適用業務に合った環境を構築する場合には,省略値では適当でない場合があります。

システムジェネレータの画面の遷移を次の図に示します。

図22-2 画面の遷移

[図データ]

<この節の構成>
(1) カレントディレクトリをHiRDB運用ディレクトリに移動
(2) システムジェネレータ(pdgen)の起動
(3) ライセンス形態の指定
(4) HiRDBシステムの主要な項目の設定
(5) HiRDBの作成
(6) ユーザ用RDエリア,ユーザLOB用RDエリアの作成

(1) カレントディレクトリをHiRDB運用ディレクトリに移動

OSのcdコマンドを入力して,カレントディレクトリをHiRDB運用ディレクトリに移動してください。

(2) システムジェネレータ(pdgen)の起動

システムジェネレータを起動するために,HiRDBのpdgenコマンドを入力してください。型名指定画面が表示されます。

(3) ライセンス形態の指定

HiRDBのライセンス形態を指定します。

ライセンス形態指定メニュー画面での設定手順を説明します。

  1. ライセンス形態指定メニュー画面の最終行の「Select 1/2 or q >」に,画面中の1〜2の中から,該当するライセンス形態の番号を入力し,[Enter]キーを押してください。
    メインメニュー画面が表示されます。

(4) HiRDBシステムの主要な項目の設定

HiRDBを構築するときの主要な項目を設定するために,メインメニュー画面で設定します。

メインメニュー画面での設定手順を(a)〜(d)に示します。

(a) 同時実行ユーザ数の設定
  1. メインメニュー画面の最終行の「Enter 1-12 or o-q > 」に3を入力してください。
    最終行に「3 : Number of concurrently execute user : 」が表示されます。
  2. 「60」と入力して,[Enter]キーを押してください(ここでは,同時実行ユーザ数を60に設定してみます)。
(b) 一日当たりのデータベース更新量の設定
  1. メインメニュー画面の最終行の「Enter 1-12 or o-q > 」に5を入力してください。
    最終行に「5 : Database update size per day : 」が表示されます。
  2. 「10」と入力して,[Enter]キーを押してください(簡易導入では,一日当たりのデータベース更新量を10[MB]に設定してみます)。
(c) システムファイル用のHiRDBファイルシステム領域のサイズの設定

HiRDBのデータベースのログ情報などを格納するシステムファイル用のHiRDBファイルシステム領域のサイズを設定します。

システムファイル用のHiRDBファイルシステム領域のサイズの設定手順を説明します。

  1. メインメニュー画面の最終行の「Enter 1-12 or i-q >」に8を入力します。
    下記に示すメッセージが表示されます。
  2. メッセージの最後から2行目の「Enter file name with completely path >」に,「/opt/HiRDB_S/sysfiles」と入力して[Enter]キーを押してください。
  3. メッセージの最終行の「Enter HiRDB-file-system-area size [MB] >」に,「The size of HiRDB-file-system-area will more than xxxx [MB] .」で表示された値を入力して[Enter]キーを押してください。
    システムファイル用のHiRDBファイルシステム領域のサイズが登録され,「Enter 1-12 or o-q >」の行にカーソルが移動します。
(d) RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域のサイズの設定

システム用RDエリア,ユーザ用RDエリア及びユーザLOB用RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域のサイズを指定します。

RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域のサイズの設定手順を説明します。

  1. メインメニュー画面の最終行の「Enter 1-12 or i-q >」に12を入力して[Enter]キーを押してください。
    下記に示すメッセージが表示されます。
  2. メッセージの最後から2行目の「Enter file name with completely path >」に,「/opt/test/HiRDB_S/rdfiles」と入力して[Enter]キーを押してください。
  3. メッセージの最終行の「Enter HiRDB-file-system-area size [MB] >」に,「The size of HiRDB-file-system-area will more than xxxx [MB] .」の「xxxx」で表示された値に,ユーザ用RDエリア及びユーザLOB用RDエリアで使用する領域のサイズ「81」と余裕を持たせるために「5」を足した値を入力して,[Enter]キーを押してください。
    RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域のサイズが登録され,「Enter 1-12 or o-q >」の行にカーソルが移動します。

(5) HiRDBの作成

HiRDBを作成します。

HiRDBの作成手順について説明します。

  1. メインメニュー画面の最終行の「Enter 1-12 or o-q >」にgを入力して[Enter]キーを押してください。
    下記に示すメッセージが表示され,HiRDBが自動的に作成されて,最終行に「Push enter key to main menu >」が表示されます。
  2. [Enter]キーを押してください。
    HiRDBの作成が終了し,メインメニュー画面に戻ります。

(6) ユーザ用RDエリア,ユーザLOB用RDエリアの作成

マニュアルのSGML文書及びプラグインのインデクスを格納するためのユーザ用RDエリア及びユーザLOB用RDエリアを作成します。

ここでは,ユーザ用RDエリアを一つ,ユーザLOB用RDエリアを二つ作成します。

ユーザ用RDエリア及びユーザLOB用RDエリアの作成手順を説明します。

  1. メインメニュー画面の最終行の「Enter 1-12 or o-q >」にrを入力して[Enter]キーを押してください。
    上記に示すRDエリア追加画面が表示されます。
  2. 最初に,一つのRDエリアを作成するために,RDエリア追加画面の最終行の「Enter 1-7 or o-q >」に1を入力してください。
    最終行に「1 : Rdarea name:」が表示されます。
  3. 表22-9に示す番号1に対応する値USR1を入力して,[Enter]キーを押してください。
  4. 2〜3と同様に「Enter 1-7 or a-q >」に表22-9に示す番号2〜7に対応する値を設定してください。
  5. 番号7まで設定し終わったら,残り二つのRDエリアを追加するために,「Enter 1-7 or a-q >」にaを入力して,2〜4と同様の操作をしてください。
  6. 一つのユーザ用RDエリア及び二つのユーザLOB用RDエリアの追加が終了したら,最終行「Enter 1-7 or a-q >」にqを入力してください。
    次に示すメッセージが表示されます。
     
    Rdarea are added. You have to restart HiRDB to use the area.
    Restart now?(Y/N) >
     
  7. Nを入力して[Enter]キーを押してください。
    ユーザLOB用RDエリアの追加が終了して,メインメニュー画面に戻ります。

なお,表22-9の設定値は,簡易導入でHiRDBを構築する場合に必要な値です。データベースを詳細に設計する場合には,「17.RDエリアの容量の見積もり」を参照して見積もってください。

表22-9 RDエリアの設定情報

番号 設定情報 ユーザ用RDエリア ユーザLOB用RDエリア
1 RDエリア名 USR1 ULOB1 ULOB2
2 RDエリアの大きさ[MB] 1 40 40
3 RDエリアのセグメントサイズ[pages] 10 1 1
4 RDエリアのページサイズ[KB] 4 8 8
5 RDエリアの種別 Table Blob Blob
6 RDエリアに割り当てるグローバルバッファのサイズ 350 350 350
7 RDエリアを構成するHiRDBファイルの絶対パス名 /opt/
HiRDB_S/rdfiles
/opt/
HiRDB_S/rdfiles
/opt/
HiRDB_S/rdfiles