スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド(UNIX(R)用)

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1.2.1 最初に作成するファイル

<この項の構成>
(1) HiRDB管理者が作成するディレクトリ及びファイル
(2) HiRDBが作成するディレクトリ及びファイル

(1) HiRDB管理者が作成するディレクトリ及びファイル

HiRDB管理者が作成するディレクトリ及びファイル構成を次の表に示します。

表1-2 HiRDB管理者が作成するディレクトリ及びファイル構成

ファイル又はディレクトリ名 説明
$PDDIR/conf/pdsys システム共通定義を格納するファイル
$PDDIR/conf/pdutsys ユニット制御情報定義を格納するファイル
$PDDIR/conf/pdsvrc サーバ共通定義を格納するファイル
$PDDIR/conf/サーバ名 各サーバ定義を格納するファイル
$PDDIR/conf/pduapenv UAP環境定義を格納するディレクトリ
$PDDIR/conf/chgconf システム構成変更用定義ファイルを格納するディレクトリ
$PDDIR/spool/dfc DF/UXサーバプロセスの通信エラーログを格納するディレクトリ

(2) HiRDBが作成するディレクトリ及びファイル

HiRDBが作成するディレクトリ及びファイル構成を次の表に示します。

表1-3 HiRDBが作成するディレクトリ及びファイル構成

ファイル又はディレクトリ名 説明
$PDDIR/bin HiRDBのコマンド及びユティリティを格納するディレクトリ
$PDDIR/lib HiRDBの共用ライブラリ,及びメッセージテキストファイルを格納するディレクトリ
$PDDIR/lib/sysconf HiRDBシステム定義の定義解析用ファイルを格納するディレクトリ
$PDDIR/lib/sysdef
$PDDIR/lib/servers HiRDBサーバの実行ファイル及びライブラリを格納するディレクトリ
$PDDIR/lib/save pdmemsvコマンドでライブラリを共用化した場合に内容を保存しておくディレクトリ
$PDDIR/lib/jvm POSIXライブラリ版のHiRDBを実行するために必要なライブラリを格納するディレクトリ(32ビットモードのHP-UX 11.0版,及び64ビットモードのHP-UX 11.0版の場合に作成されます)
$PDDIR/client/lib HiRDBクライアントのライブラリを格納するディレクトリ
$PDDIR/client/lib10_20 HP-UX 10.20版のHiRDBクライアントのライブラリを格納するディレクトリ
$PDDIR/client/utl HiRDBクライアントのコマンド及びユティリティを格納するディレクトリ
$PDDIR/client/jba HiRDB Javaストアドプロシジャ/ファンクション配布ウィザードを格納するディレクトリ(32ビットモードのSolaris版又はLinux版の場合に作成されます)
$PDDIR/include UAPを作成するときに使用するヘッダ情報を格納するディレクトリ
$PDDIR/spool/tmp 作業用一時ファイル格納ディレクトリ
$PDDIR/spool/save※1 退避コアファイルを格納するディレクトリ
$PDDIR/spool/pdshmdump※1 共用メモリダンプファイルを格納するディレクトリ
$PDDIR/spool/pdlckinf※1 デッドロックタイムアウト情報ファイルを格納するディレクトリ
$PDDIR/spool/pdsysdump※1 システム共通の簡易ダンプファイルを格納するディレクトリ
$PDDIR/spool/pdsdsdump※1 シングルサーバ用の簡易ダンプファイルを格納するディレクトリ
$PDDIR/spool/pdfesdump※1 フロントエンドサーバ用の簡易ダンプファイルを格納するディレクトリ
$PDDIR/spool/pddicdump※1 ディクショナリサーバ用の簡易ダンプファイルを格納するディレクトリ
$PDDIR/spool/pdbesdump※1 バックエンドサーバ用の簡易ダンプファイルを格納するディレクトリ
$PDDIR/spool/pdstj1,pdstj2 統計ログファイル
$PDDIR/spool/pdlog1,pdlog2 メッセージログファイル
$PDDIR/spool/pdjnlinf システムログ情報出力ファイルを格納するディレクトリ
$PDDIR/spool/pdjnlinf/errinf システムログエラー情報出力ファイルを格納するディレクトリ
$PDDIR/spool/scdqid1,scdqid2 HiRDB内部のスケジュールキュー情報を格納するファイル
$PDDIR/spool/oslmqid メッセージキューのIDを格納するファイル
$PDDIR/spool/oslsmid セマフォのIDを格納するファイル
$PDDIR/spool/pdprcsts prcステータスファイル
$PDDIR/spool/.pdatmode 開始・終了用ステータスファイル
$PDDIR/spool/.pdipcid セマフォのIDを管理するファイル
$PDDIR/spool/.pdommenv 共用メモリの情報を格納するファイル
$PDDIR/spool/cmdlog/cmdlog1,cmdlog2 実行したコマンドの履歴ファイル
$PDDIR/spool/errlog/errlog1,errlog2 HiRDBの内部稼働履歴ファイル
$PDDIR/spool/olkfifs スレッドロック用パイプファイルを格納するディレクトリ※8
$PDDIR/spool/olkrsfs スレッドサスペンド/リジューム用パイプファイルを格納するディレクトリ※9
$PDDIR/spool/oslcntl パイプファイル数管理ファイル
$PDDIR/spool/cnctusrinf 正常停止又は計画停止コマンド実行時にHiRDBに接続しているユーザがいた場合,接続ユーザ情報を格納するファイル
$PDDIR/spool/cnctusrdtl 正常停止又は計画停止コマンド実行時にHiRDBに接続しているユーザがいた場合,pdls -d act,pdls -d prc,pdls -d trnのコマンド実行結果を格納するファイル
$PDDIR/spool/pdsqldump※1 アクセスパス情報ファイルを格納するディレクトリ
任意※2 RPCトレースファイル
/dev/HiRDB/pth/※3 通信情報ファイルを格納するディレクトリ
$PDDIR/tmp※4 HiRDB内部用ワークディレクトリ
$PDDIR/tmp/pdommenv 共用メモリの情報を格納するファイル
$PDDIR/tmp/home/HiRDBが管理する識別子のディレクトリ カレントワーキングディレクトリ
$PDDIR/conf HiRDBシステム定義ファイルを格納するディレクトリ
$PDDIR/conf/backconf システム構成変更コマンド実行時の,変更前のHiRDBシステム定義を格納するディレクトリ
$PDDIR/conf/Inittab /etc/inittab退避ディレクトリ
任意※5 DF/UXサーバプロセスの通信エラーログファイル
$PDDIR/.dbenv HiRDBデータベース環境情報ファイルを格納するディレクトリ
$PDCLTPATH/pdsql1.trc,pdsql2.trc※6 UAPが実行したSQLのトレース情報を格納するファイル
$PDCLTPATH/pderr1.trc,pderr2.trc※6 UAPとサーバ間の通信エラー情報を格納するファイル
$PDDIR/plugin HiRDBプラグイン運用ディレクトリを統括するディレクトリ
$PDDIR/plugin/.sys HiRDB内部用ワークディレクトリ
$PDDIR/plugin/lib プラグインライブラリを格納するディレクトリ
$PDDIR/plugin/プラグイン名称 プラグイン運用ディレクトリ
$PDDIR/plugin/プラグイン名称/.sys HiRDB内部用ワークディレクトリ
$PDDIR/plugin/プラグイン名称/bin プラグイン専用コマンドを格納するディレクトリ
$PDDIR/plugin/プラグイン名称/etc 各プラグイン共通に必要なファイルを格納するディレクトリ
$PDDIR/plugin/プラグイン名称/conf プラグイン用コンフィグレーションファイルを格納するディレクトリ
$PDDIR/jre※7 JavaTM実行環境
$PDDIR/renew 修正版HiRDBの入れ替え用ディレクトリ
$PDDIR/renew_bak 修正版HiRDBに入れ替えるときの,稼働中のHiRDBのバックアップ用ディレクトリ
$PDDIR/.pdlogprgid syslogのプログラムIDを管理するファイル
●HP-UXの場合
 /sbin/init.d/
 /sbin/rc1.d/
 /sbin/rc2.d/
●Solarisの場合
 /etc/init.d/
 /etc/rc0.d/
 /etc/rc1.d/
 /etc/rc2.d/
 /etc/rc3.d/
●Linux(RHEL6以前)の場合
 /etc/init.d/
 /etc/rc0.d/
 /etc/rc1.d/
 /etc/rc2.d/
 /etc/rc3.d/
 /etc/rc5.d/
 /etc/rc6.d/
●Linux(RHEL7以降)
なし
OS起動時,又はOSシャットダウン時に動作するスクリプトファイルを格納するディレクトリ
ファイル名:
●HP-UX
 HiRDB/シングルサーバはHiRDB_S又はK090HiRDB_S又はS910HiRDB_S
 HiRDB/パラレルサーバはHiRDB_P又はK090HiRDB_P又はS910HiRDB_P
●Solarisの場合
 HiRDB/シングルサーバはHiRDB_S又はK090HiRDB_S又はS91HiRDB_S
 HiRDB/パラレルサーバはHiRDB_P又はK090HiRDB_P又は91HiRDB_P
●Linux(RHEL6以前)の場合
 HiRDB/シングルサーバはHiRDB_S又はK09HiRDB_S又はS91HiRDB_S
 HiRDB/パラレルサーバはHiRDB_P又はK09HiRDB_P又はS91HiRDB_P
$PDDIR/pdistup 簡易セットアップツールを格納するディレクトリ

注※1
このディレクトリは,HiRDBがトラブルシュート情報を出力するディレクトリで,容量が増え続ける可能性があります。そのため,定期的に削除する必要があります。pdcspoolコマンドで定期的に削除してください。
なお,次のオペランドでトラブルシュート情報を定期的に削除する設定ができます。オペランドの詳細は,マニュアル「HiRDB Version 8 システム定義」を参照してください。
  • pd_spool_cleanup_interval
  • pd_spool_cleanup_interval_level
  • pd_spool_cleanup
  • pd_spool_cleanup_level

注※2
pd_rpc_trace_nameオペランドでファイル名を指定します。

注※3
サーバマシン中のすべてのHiRDBサーバを停止した状態の場合,このディレクトリ下のファイルを削除できます。

注※4
HiRDBが内部的に使用するディレクトリです。このディレクトリ下にディレクトリ及びファイルを作成しないでください。また,HiRDBがファイルを作成するディレクトリにこのディレクトリを指定しないでください(例えば,pd_rpc_trace_nameオペランドなど)。このディレクトリはユニットを開始するときに毎回削除及び新規作成されます。

注※5
次に示すどちらかでファイル名を指定します。推奨ファイル名は$PDDIR/spool/dfcです。
  • DF/UXを開始するユーザの環境変数PDCLTPATH
  • サーバマシンブート時にDF/UXを開始する場合は,/etc/rcファイル内のlocalrcでdfstartコマンドの前に記述した環境変数PDCLTPATH

注※6
このファイルは,PDCLTPATHで指定したディレクトリに二つ出力されます。PDCLTPATHの指定がない場合,UAPを起動したときのカレントディレクトリOpenTP1から起動されるUAPの場合,$DCDIR/tmp/home/サーバ名xxのディレクトリ下に出力されます。
作成されるファイル名は,X/Openに従ったAPI(TX_関数)の使用の有無によって異なります。TX_関数の使用時に作成されるファイル名は次のようになります。
  • pdsqlxxxxx-1.trc,pdsqlxxxxx-2.trc
  • pderrxxxxx-1.trc,pderrxxxxx-2.trc
(凡例)xxxxx:UAP実行時のプロセスID
ファイル名がプロセスIDになるため,UAP実行時のサーバプロセス数分のファイルが出力される可能性があるので注意が必要です。

注※7
バージョン07-03より前の場合は作成されます。バージョン07-03以降の場合は,JREが同梱されないため,作成されません。

注※8
このディレクトリ下には,pd_max_server_processオペランドの値+100個のパイプファイルが作成されます。

注※9
このディレクトリ下に作成されるパイプファイルの個数の概算式を次に示します。
  • HiRDB/シングルサーバの場合
    pd_max_server_processの値+127+pd_max_usersの値×a
    a:pd_lck_release_detectオペランドにpipeを指定している場合は4に,それ以外の場合は0になります。
  • HiRDB/パラレルサーバの場合
    pd_max_server_processの値+127+b
    b:pd_lck_release_detectオペランドにpipeを指定している場合は次の計算式の値に,それ以外の場合は0になります。
    フロントエンドサーバの場合:pd_max_usersの値×2
    ディクショナリサーバの場合:pd_max_dic_processの値×35
    バックエンドサーバの場合:pd_max_bes_processの値×35
    ユニット内にあるサーバの分を計算して合計してください。