コネクションの確立方法には，次の二つがあります。

• 発呼型
• 着呼型

どちらの確立方法をとるかは，MCF通信構成定義（mcftalccn -t）で指定します。

(a)　発呼型

自システムからコネクションの確立を要求する方法です。

OpenTP1システムの開始・再開始時に指定したMCF通信構成定義（mcftalccn -i auto）の内容，または運用コマンド（mcftactcn）の入力によって，TP1/NET/OSI-TPは相手システムにコネクションの確立を要求します。相手システムからのコネクション確立応答を受信すると，コネクションが確立し，メッセージの送受信ができる状態になります。

発呼型の確立方法を，次の図に示します。

図2-1　コネクションの確立（発呼型）

1. OpenTP1システムが開始・再開始，または運用コマンド（mcftactcn）を入力します。
2. TP1/NET/OSI-TPは，相手システムにコネクション確立要求を送信します。
3. 相手システムからコネクション確立応答を受信すると，コネクションが確立します。
4. TP1/NET/OSI-TPは，コネクションが確立すると状態通知イベント（COPNEVT）を発生させます。

(b)　着呼型

相手システムからのコネクションの確立要求を受け付ける方法です。

定義オブジェクトファイルの内容によってTP1/NET/OSI-TPを起動し，相手システムからのコネクション確立要求を待ちます。確立要求を受けると，TP1/NET/OSI-TPは相手システムにコネクション確立応答を返します。応答を返した時点でコネクションが確立し，メッセージの送受信ができる状態になります。

着呼型のコネクションの場合，TP1/NET/OSI-TPでは，コネクションが解放されたあと，自動的に相手システムからのコネクション確立要求待ちになります。

着呼型の確立方法を，次の図に示します。

図2-2　コネクションの確立（着呼型）

1. OpenTP1システムの開始・再開始時，定義オブジェクトファイルの内容によって，相手システムからのコネクション確立要求を待ちます。
2. 相手システムからコネクション確立要求を受信します。
3. TP1/NET/OSI-TPは，MCF通信構成定義情報に基づいて，相手システムからのコネクション確立要求の突き合わせ^※をします。
   構成が一致した場合，コネクション確立応答を相手システムに送信します。一致しない場合は，相手システムに対してコネクション確立拒否の応答を送信します。
   
4. TP1/NET/OSI-TPは，コネクションが確立すると状態通知イベント（COPNEVT）を発生させます。

注※

定義の突き合わせ項目については，「3.　メッセージ送受信インタフェース」の「サービスプリミティブ」を参照してください。

コネクションの正常解放には，次の三つがあります。

• OpenTP1システム終了時の解放
• 運用コマンド（mcftdctcn）入力による解放
• 相手システムからの解放要求による解放

TP1/NET/OSI-TPからのコネクションの解放を図2-3に，相手システムからのコネクションの解放を図2-4に示します。

図2-3　TP1/NET/OSI-TPからのコネクションの解放

1. OpenTP1システム終了，または運用コマンド（mcftdctcn）を入力します。
2. TP1/NET/OSI-TPは，相手システムに対してコネクション解放要求を送信します。
3. 相手システムから，コネクション解放応答を受信します。
4. TP1/NET/OSI-TPは，コネクション解放応答を受信すると，状態通知イベント（CCLSEVT）を発生させます。

注※

状態通知イベントは，OpenTP1システム終了時は発生させません。

図2-4　相手システムからのコネクションの解放

1. 相手システムからコネクション解放要求を受信します。
2. TP1/NET/OSI-TPは，相手システムにコネクション解放応答を送信します。
3. コネクション解放処理が完了すると，TP1/NET/OSI-TPは，状態通知イベント（CCLSEVT）を発生させます。

コネクションの強制解放には，次の三つがあります。

• TP1/NET/OSI-TPで異常を検知した場合の解放
• コネクションを強制解放する運用コマンド（mcftdctcn -f）入力による解放
• 相手システムに何らかの異常が発生した場合の解放

TP1/NET/OSI-TPからのコネクションの強制解放を図2-5に示します。また，相手システムの異常による解放を図2-6に示します。

図2-5　TP1/NET/OSI-TPからのコネクションの強制解放

1. コネクションを強制解放する運用コマンド（mcftdctcn -f）を受け付けた場合，またはTP1/NET/OSI-TP内部で異常が発生した場合，TP1/NET/OSI-TPはコネクションをTP1/NET/OSI-TPからのコネクションの強制解放します。
2. TP1/NET/OSI-TPは，相手システムにコネクションの強制解放を通知します。
3. コネクションの強制解放の処理が完了すると，TP1/NET/OSI-TPは，状態通知イベント（CERREVT）を発生させます。

　

図2-6　相手システムの異常による解放

1. 相手システムでの異常，および通信回線の障害によって，TP1/NET/OSI-TPはコネクションの強制解放を受信します。
2. コネクションの強制解放の処理が完了すると，TP1/NET/OSI-TPは，状態通知イベント（CERREVT）を発生させます。

コネクションに障害が発生すると，コネクションが切断され，メッセージが送受信できない状態になります。コネクションが切断された場合，TP1/NET/OSI-TPは障害通知イベント（CERREVT）によって，障害の発生とコネクションの切断をUAPに通知します。コネクション切断時の障害対策については，「8.2　コネクション障害」を参照してください。

コネクションの切断を，次の図に示します。

図2-7　コネクションの切断

1. メッセージ送受信時に障害が発生すると，TP1/NET/OSI-TPはコネクションの切断を検知します。
2. TP1/NET/OSI-TPは，状態通知イベント（CERREVT）を発生させます。