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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 運用と操作


4.6.7 DAMファイルの回復

DAMファイルの回復をDAM FRCといいます。

DAM FRCは,damfrcコマンドで実行します。damfrcコマンドを実行すると,DAMファイルのバックアップと,指定したアンロードジャーナルファイル,または集積ジャーナルファイルを使用して,DAMサービス定義で指定された論理ファイルを障害が発生した直前の状態にまで回復します。ただし,damfrcコマンドは回復対象ファイルに対してだけ実行できます。回復対象外ファイルに対してdamfrcコマンドを実行しても,ファイルは回復できません。

damfrcコマンドを実行すると,DAM FRCで使用する引き継ぎファイルをOpenTP1が作成します。引き継ぎファイルは,各アンロードジャーナルの処理が完了するごとに,カレントディレクトリ上にjnlcolc***(***はキー),またはjnlcolc***.bak(一時的なバックアップファイル)というファイル名で作成されます。引き継ぎファイルはDAM FRCを複数回に分けて実行するときに使用されます。引き継ぎファイルには,引き継がなければならないジャーナル情報が取得されます。OpenTP1は,-eオプション指定時のDAM FRC完了後,引き継ぎファイルを削除します。

なお,DAM FRC実行の手順については,「10.2.6 DAMファイル」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) DAM FRCを1回で実行するとき

一度でDAM FRCが完了する場合は,damfrcコマンドに-s,-eオプションを両方とも指定します。-sオプションを指定すると,前回のDAM FRCを引き継ぎません。

(2) DAM FRCを複数回に分けて実行するとき

複数のアンロードジャーナルファイルがある場合,DAM FRCを複数回に分けて実行できます。この場合,最初に実行するdamfrcコマンドには-sオプションを,最後に実行するdamfrcには-eオプションを指定します。

(3) 複数のDAM FRCを同時に実行するとき

複数のDAM FRCを同時に実行するときには,引き継ぎファイルを個別に作成する必要があります。この場合,damfrcコマンドに-kオプションを指定します。-kオプションで別のキーを指定すると,別の引き継ぎファイルが作成されます。最後に実行するdamfrcコマンドには-eオプションを指定してください。

(4) 途中の世代のシステムジャーナルファイルを使用してDAM FRCを実行するとき

オンライン中にDAMファイルをバックアップした場合,その時点の世代以降のシステムジャーナルファイルを使用してDAM FRCを実行できます。この場合,damfrcコマンドに-gオプションを指定します。

(5) 集積ジャーナルファイルを使用してDAM FRCを実行するとき

jnlcolcコマンドで作成済みの集積ジャーナルファイルを使用してDAM FRCを実行すると,DAM FRCの処理時間を短縮できます。この場合,damfrcコマンドに-cオプションを指定します。