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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プログラム作成の手引


2.1.18 ドメイン修飾をしたサービス要求

サービスを要求すると,OpenTP1はシステムを構成するネットワークすべてを対象にして,通信相手を探します。そのため,ネットワークが大規模になると,サービス要求のスケジューリングに時間が掛かってしまいます。これを解決するため,ネットワークをDNSのドメインごとに区切ってサービスを要求できます。ドメインごとに区切ってサービスを要求すると,そのドメイン内で通信相手を探すため,スケジュールの性能が上がります。

ドメイン修飾をするときには,DNSのドメイン名を使います。このドメイン名をdc_rpc_call関数の引数のサービスグループ名に続けて設定します。ドメイン修飾をしてサービスを要求する方法については,マニュアル「OpenTP1 プログラム作成リファレンス」の該当する言語編にあるdc_rpc_call関数の説明を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) ドメイン修飾をするサービス要求の前提条件

ドメイン修飾をする場合の前提条件を次に示します。

  1. ドメイン代表スケジュールサービスを起動するホスト名を,namdomainsetupコマンドで,DNSへ登録してあること。

  2. ドメイン代表スケジュールサービスを起動するOpenTP1のスケジュールサービス定義のscd_portオペランドに,スケジュールサービスのポート番号を指定してあること。

  3. ドメイン修飾をしてサービスを要求するOpenTP1を起動するホストの/etc/servicesに,2.で指定したスケジュールサービスのポート番号が登録してあること。

(2) ドメイン修飾をするサービス要求の制限

ドメイン修飾をしたサービス要求では,通常のサービス要求に比べて,次の制限があります。

  1. キュー受信型サーバのサービスだけ,要求できます。ソケット受信型サーバのサービスは,ドメイン修飾をして要求できません。

  2. トランザクション処理からサービスを要求しても,要求されたサービスの処理はトランザクションブランチにはなりません。

ドメイン修飾をしたサービス要求の概要を次の図に示します。

図2‒17 ドメイン修飾をしたサービス要求の概要

[図データ]