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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Financial Service Platform 使用の手引


7.7.8 統計情報ファイルの運用

統計情報ファイルは,データ連携支援の実行中に発生する事象の発生状況や頻度を統計情報として取得します。統計情報ファイルでは,DBMSからデータ抽出時間やデータの出力待ち時間などを確認できるため,システムの動作を解析できます。

統計情報ファイルは,TP1/EEサービス定義ファイルのデータ連携支援関連定義trn_rks_stc_timeオペランドを指定したときに取得します。また,統計情報ファイルに関する設定は,TP1/EEサービス定義ファイルのデータ連携支援関連定義trn_rks_stc_file_sizeオペランド,trn_rks_stc_file_noオペランド,trn_rks_stc_file_typeオペランドで行います。

統計情報ファイルは,テキスト形式のファイルまたはCSV形式のファイルであり,テキストエディタなどで参照できます。

統計情報ファイルの作成には,すべての統計情報ファイルが存在しない場合はファイル通番の昇順に,統計情報ファイルが存在する場合は更新日時が最新のファイルの次のファイル通番から順にラウンドロビン方式でファイルを使用します。また,データ連携支援の開始モードが再開始の時は,前回作成したファイル(最新のファイル)に追記して作成します。

自動再実行機能でデータ連携支援が再実行した場合も,前回作成したファイル(最新のファイル)に追記して作成します。再実行前の統計情報は引き継がないで,再実行後の統計情報を出力します。

〈この項の構成〉

(1) 統計情報ファイルの容量設定

統計情報ファイルの容量は,trn_rks_stc_file_sizeオペランドに指定したサイズで,データ連携支援プロセスごとにUNIXファイルとして作成します。データ連携支援ごとに最大,trn_rks_stc_file_noオペランドで指定した数の統計情報ファイルが作成され,ラウンドロビング方式で使用します。統計情報ファイルのサイズについては,統計情報を出力する間隔やデータ連携支援の実行時間などを考慮して指定してください。

統計情報ファイルのサイズおよびファイル数を見積もるために必要になる情報を次に示します。

統計情報のヘッダ情報のバイト数をc,1回当たりの統計情報のバイト数をdとすると,統計情報ファイルに出力する情報の合計は次に示す式で求める値になります。

統計情報ファイルに出力する情報の合計(T)=c+d×(b×60)÷a

統計情報ファイル(テキスト形式)の見積もり例を次に示します。

前提条件
  • trn_rks_stc_timeオペランド値:10

  • データ連携支援の実行時間:12時間

T=400+700×(12×60)÷10=50800[バイト]

(2) 統計情報ファイルの作成

統計情報ファイルはデータ連携支援の起動(開始モードが正常開始または強制開始)時,EERKSDIR環境変数下の$EERKSDIR/job/spool/dceeinf/stcディレクトリ下にデータ連携支援が作成します。したがって,管理者は統計情報ファイルを作成する必要はありません。データ連携支援が作成するファイル名は,次に示す規則で作成します。

テキスト形式:データ連携支援IDrks_stcXXX(XXXは,3桁のファイル通番)

CSV形式:データ連携支援IDrks_stcXXX.csv(XXXは,3桁のファイル通番)

(3) 統計情報ファイルの削除

データ連携支援の開始モードが正常開始の時に統計情報ファイルが存在する場合,最新のファイルの次のファイル通番の統計情報ファイルに統計情報を上書きします。したがって,管理者は統計情報ファイルを削除する必要はありません。

(4) 統計情報ファイルの保存

出力中の統計情報ファイルのサイズがtrn_rks_stc_file_sizeオペランドの指定値を超えた場合,KFSB82017-Iメッセージを出力し,出力先を新しい統計情報ファイルに切り替えます。このメッセージが出力されるタイミングで,統計情報のバックアップの取得を推奨します。

統計情報ファイル数がtrn_rks_stc_file_noオペランドの指定値を超えた場合,通番が1の統計情報ファイルに統計情報を上書きします。古い統計情報ファイルの統計情報を保存したい場合はデータ連携支援が上書きする前に,管理者がバックアップしてください。

使用中の統計情報ファイルは,移動または削除しないでください。