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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Financial Service Platform 使用の手引


7.7.7 表の運用

データ連携支援およびデータ抽出ユティリティで使用するPJ管理表とPJ突き合わせ表の運用について説明します。グループ管理表および履歴情報表の運用については,「24. UAP履歴情報取得機能で使用する表の運用」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) 表の構成

(a) 命名規則

表7‒21 表の命名規則

項番

表の種類

表の名称

PJ引き継ぎ情報名がGRP01の場合の例

1

PJ管理表

PJ引き継ぎ情報作成コマンド(eerksaphpjtblh)の-pオプションに指定したPJ引き継ぎ情報名+"_CTL"

GRP01_CTL

2

PJ突き合わせ表

PJ引き継ぎ情報作成コマンド(eerksaphpjtblh)の-pオプションに指定したPJ引き継ぎ情報名+"_UPA"

PJ引き継ぎ情報作成コマンド(eerksaphpjtblh)の-pオプションに指定したPJ引き継ぎ情報名+"_UPB"

GRP01_UPA

GRP01_UPB

表7‒22 インデクスの命名規則

項番

インデクスを定義する表の種類

インデクスの名称

PJ引き継ぎ情報名がGRP01の場合の例

1

PJ管理表

PJ引き継ぎ情報作成コマンド(eerksaphpjtblh)の-pオプションに指定したPJ引き継ぎ情報名+"_ITL"

GRP01_ITL

2

PJ突き合わせ表

PJ引き継ぎ情報作成コマンド(eerksaphpjtblh)の-pオプションに指定したPJ引き継ぎ情報名+"_IPA"

PJ引き継ぎ情報作成コマンド(eerksaphpjtblh)の-pオプションに指定したPJ引き継ぎ情報名+"_IPB"

GRP01_IPA

GRP01_IPB

(b) 構成情報

HiRDB上のRDエリアサイズなどを見積もるための情報について説明します。

PJ引き継ぎ情報は,データ連携支援およびデータ抽出ユティリティの実行ごとに1つ必要です。

表7‒23 表の構成情報

項番

表の種類

表の数

行数

1

PJ管理表

1

7

2

PJ突き合わせ表

2

eerksaphpjtblhコマンドの-cオプションで指定した引き継ぎ履歴情報数+1

表7‒24 表の列属性と列数

項番

表の種類

列属性

列数

1

PJ管理表

SMALLINT

1

2

INTEGER

8

3

CHAR(20000)

1

4

CHAR(256)

1

5

CHAR(30)

3

6

CHAR(1)

1

7

DECIMAL(19,0)

1

8

TIMESTAMP(0)

1

9

PJ突き合わせ表

INTEGER

6

10

CHAR(32)

1

11

CHAR(31)

1

12

CHAR(30)

1

13

CHAR(4)

1

14

CHAR(1)

2

15

CHAR(n)

1

16

TIMESTAMP(6)

1

注※

データの長さnは,eerksaphpjtblhコマンドの-zオプションの指定値(単位:バイト)です。

表7‒25 表のインデクス

項番

表の種類

種別

DB格納キー長(バイト)

CREATE INDEXで指定する未使用領域の比率

キーの種類の個数

キーの重複数の平均値

1

PJ管理表

非ユニーク

4

30

行数

1

2

PJ突き合わせ表

ユニーク

4

30

行数

1

表7‒26 表の注釈

項番

表の種類

注釈

PJ引き継ぎ情報名がGRP01の場合の例

1

PJ管理表

"eerksaphpjtblh_"+eerksaphpjtblhコマンドの-pオプションに指定したPJ引き継ぎ情報名+"_CTL"

eerksaphpjtblh_GRP01_CTL

2

PJ突き合わせ表(A系)

"eerksaphpjtblh_"+eerksaphpjtblhコマンドの-pオプションに指定したPJ引き継ぎ情報名+"_UPA"

eerksaphpjtblh_GRP01_UPA

3

PJ突き合わせ表(B系)

"eerksaphpjtblh_"+eerksaphpjtblhコマンドの-pオプションに指定したPJ引き継ぎ情報名+"_UPB"

eerksaphpjtblh_GRP01_UPB

(c) ユーザに必要な権限

TP1/EEがPJ管理表やPJ突き合わせ表にアクセスする場合は,HiRDBのクライアント環境定義ファイル(環境変数設定ファイル)に設定するユーザ名でアクセスします。HiRDBのクライアント環境定義ファイルの設定の詳細については,マニュアル「OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Server Base Enterprise Option 使用の手引」を参照してください。また,本機能が提供するコマンドで表にアクセスする場合は,環境変数PDUSERに設定するユーザ名でアクセスします。

これらのユーザ名に,次に示す権限を設定する必要があります。

  • CONNECT

  • RDAREA

RDエリア名(eerksaphpjtblhコマンドの-bオプションと-iオプション)に対する利用権限,またはeerksaphpjtblhコマンドの-bオプションと-iオプションを省略したときに使用されるRDエリア名に対する利用権限です。

権限の設定方法の詳細については,マニュアル「HiRDB Version 9 システム運用ガイド(UNIX(R)用)」を参照してください。

(d) PJ突き合わせ表の構成

PJ突き合わせ表は2つを組にして管理します。それぞれのPJ突き合わせ表をA系,B系と呼びます。データ連携支援またはデータ抽出ユティリティの実行時,次の規則に従ってPJ突き合わせ表にアクセスします。

  • 読み込み:最後に書き込みが成功した系から読み込みます。

  • 書き込み:最後に書き込みが成功した系ではない方の系に書き込みます。

    ただし,両方の系が初期化(表の作成直後も含む)されている状態での初回書き込みは,A系に対して行います。

  • 初期化:両方の系を初期化します。

例を次の図に示します。例では,最後に書き込みが成功した系はA系とします。この状態でデータ連携支援またはデータ抽出ユティリティを実行すると,A系から読み込みます。そして,書き込み1.はB系に対して行います。そのあと,書き込み2.はA系,書き込み3.はB系に対してそれぞれ行います。最後に,初期化はA系とB系に対して行います。

図7‒54 PJ突き合わせ表のアクセスの例(正常時)

[図データ]

このように,書き込みはA系とB系に対して交互に行うため,常に1つ前に書き込んだ内容が片方の系に残ります。常に1つ前に書き込んだ内容を残すことで,書き込み時に障害が発生しても再実行できます。

図7-54の書き込み3.で障害が発生した場合の例を次の図に示します。この場合,障害の要因を取り除いたあとで,データ連携支援またはデータ抽出ユティリティを再実行します。前回実行時にA系に対して行った書き込み2.は成功しているため,再実行するとA系から読み込みます。そして,書き込み3.はB系,初期化はA系とB系に対して行います。

図7‒55 PJ突き合わせ表のアクセスの例(障害発生時)

[図データ]

(2) 表の作成

表の作成方法について説明します。

ユーザは,データ連携支援およびデータ抽出ユティリティを実行する前に,eerksaphpjtblhコマンドでPJ引き継ぎ情報を退避するための表をHiRDB上に作成します。ただし,PJ管理表とPJ突き合わせ表を使用しないでデータ抽出ユティリティを実行する場合は,作成する必要はありません。

PJ引き継ぎ情報を退避する表は,次の2種類に分類されます。

(3) 表の削除

PJ引き継ぎ情報は,次に示す契機でeerksaphpjtblrmhコマンドで削除します。

(4) 表の再作成

PJ突き合わせ表が壊れた場合,-rオプションを指定してeerksaphpjtblhコマンドを実行することで,PJ突き合わせ表を再作成できます。

(5) 表の拡張

容量不足などでPJなしUAP履歴情報がPJ突き合わせ表に退避できなかった場合,-xオプションを指定してeerksaphpjtblhコマンドを実行することで,PJ突き合わせ表を拡張できます。

(6) 表の形式

7.9 データおよびファイル」を参照してください。