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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Financial Service Platform 使用の手引


7.3.4 抽出開始ポイントの決定

データ連携支援は,正常開始または強制開始時に,どの履歴情報表の何行目から抽出を始めるかという抽出開始ポイントを決定します。

〈この項の構成〉

(1) 決定方法

抽出開始ポイントの決定方法には,次に示す3つの方法があります。

決定方法の選択および選択基準については,「(2) 決定方法の選択」を参照してください。

(a) データ連携支援による自動決定

データ連携支援を正常開始し,次に示す抽出をする場合に選択します。

  • 取得用履歴情報表を入力として,実行中TP1/EEのユーザデータを抽出

  • リロード用履歴情報表を入力として,直近ルート世代のユーザデータを抽出

取得用履歴情報表入力

取得用履歴情報表を入力として,実行中のTP1/EEのユーザデータを抽出します。対象TP1/EEが未起動のときは,TP1/EEの起動を待って抽出します。最初のTP1/EEが起動したタイミングで抽出を開始します。

取得用履歴情報表入力時の自動決定の概要を次の図に示します。

図7‒7 取得用履歴情報表入力時の自動決定

[図データ]

リロード用履歴情報表入力

リロード用履歴情報表を入力として,直近ルート世代のユーザデータを抽出します。

リロード用履歴情報表入力時の自動決定の概要を次の図に示します。

図7‒8 リロード用履歴情報表入力時の自動決定

[図データ]

ルート世代の異なるリロード用履歴情報表を同時に指定した場合は,ルート世代番号がいちばん大きいルート世代のユーザデータを抽出します。

ルート世代の異なるリロード用履歴情報表を同時に指定した場合の自動決定の概要を次の図に示します。

図7‒9 リロード用履歴情報表入力時の自動決定(ルート世代の異なるリロード用履歴情報表を同時に指定した場合)

[図データ]

(b) ルート世代番号指定による決定

EEFDPARMパラメタのCONTROL文ROOTJSQオペランドにルート世代番号を指定して,任意のルート世代番号のユーザデータを抽出する場合に選択します。

ルート世代番号指定は,取得用履歴情報表からの入力,リロード用履歴情報表からの入力,どちらの場合も指定できます。

ルート世代番号指定による決定の概要を次の図に示します。

図7‒10 ルート世代番号指定による決定

[図データ]

(c) 累積データ通番指定による決定

EEFDPARMパラメタのCONTROL文BLOCKNOオペランドに累積データ通番を指定して,任意の累積データ通番以降のユーザデータを抽出する場合に選択します。

累積データ通番指定は,取得用履歴情報表からの入力,リロード用履歴情報表からの入力,どちらの場合も指定できます。

累積データ通番はルート世代の中では一意の値ですが,UAP履歴情報グループ内に複数のルート世代があり,累積データ通番に対応する行が複数存在する場合があります。対応する行が複数行存在するケースでは,最も新しいルート世代に属する行から抽出します。

なお,最も新しいルート世代に対象となる累積データ通番がない場合はエラーとなります。

累積データ通番指定による決定の概要を次の図に示します。

図7‒11 累積データ通番指定による決定

[図データ]

対応する行が複数行存在するケースで,同時にEEFDPARMパラメタにルート世代番号を指定することで,任意のルート世代に属する行から抽出することもできます。

なお,指定したルート世代に対象となる累積データ通番がない場合はエラーとなります。

累積データ通番とルート世代番号指定による決定の概要を次の図に示します。

図7‒12 累積データ通番とルート世代番号指定による決定

[図データ]

(2) 決定方法の選択

抽出開始ポイントの決定方法はEEFDPARMパラメタの指定で選択できます。

EEFDPARMパラメタのCONTROL文ROOTJSQオペランドに指定するルート世代番号,およびBLOCKNOオペランドに指定する累積データ通番と,抽出開始ポイントの決定方法の対応を次の表に示します。

表7‒4 累積開始ポイントの決定方法の対応

項番

EEFDPARMパラメタ

指定可能開始モード

抽出開始ポイント決定方法

ルート世代番号

ROOTJSQ

累積データ通番

BLOCKNO

1

正常開始

データ連携支援による自動決定

2

指定あり

任意

正常/強制開始

ルート世代番号による決定

3

任意

指定あり

強制開始

累積データ通番による決定

(凡例)

−:指定なし

データ連携支援を起動するタイミングと抽出したいルート世代で,抽出開始ポイントの決定方法を選択する必要があります。

また,データ連携支援による自動決定を選択した場合には,EEFDPARMパラメタのCONTROL文TBLTYPEオペランドに指定する入力する履歴情報表のタイプによって,抽出範囲が決定されるケースがあるため,当該オペランドの指定も確認する必要があります。

次の図で示すオンラインの稼働例を用いて,各起動タイミングごとに抽出できる範囲と抽出開始ポイントを決めるEEFDPARMの指定を説明します。

図7‒13 オンラインの稼働例

[図データ]

(a) 起動タイミング(1)

起動タイミング(1)で抽出できる範囲を次の表に示します。

表7‒5 起動タイミング(1)で抽出できる範囲

項番

EEFDPARMパラメタ

抽出結果

表タイプ

TBLTYPE

ルート世代番号

ROOTJSQ

累積データ通番

BLOCKNO

1

ONLINE

1.,2.,3.,4.

2

RELOAD

指定不可

3

ON/RL

任意

エラー

4

ON/RL

任意

エラー

(凡例)

−:指定なし

ON/RL:ONLINEまたはRELOAD

注※

TP1/EEが起動するまで待ちます。

(b) 起動タイミング(2)

起動タイミング(2)で抽出できる範囲を次の表に示します。

表7‒6 起動タイミング(2)で抽出できる範囲

項番

EEFDPARMパラメタ

抽出結果

表タイプ

TBLTYPE

ルート世代番号

ROOTJSQ

累積データ通番

BLOCKNO

1

ON/RL

1.,2.,3.,4.

2

ON/RL

1

1.,2.,3.,4.

3

ON/RL

1以外

エラー

4

ON/RL

実在する通番

{1.,2.,3.,4.}

5

ON/RL

実在しない通番

エラー

6

ON/RL

1

実在する通番

{1.,2.,3.,4.}

7

ON/RL

1

実在しない通番

エラー

(凡例)

−:指定なし

ON/RL:ONLINEまたはRELOAD

{n.…}:パラメタ指定の開始ポイントから抽出

(c) 起動タイミング(3)

起動タイミング(3)で抽出できる範囲を次の表に示します。

表7‒7 起動タイミング(3)で抽出できる範囲

項番

EEFDPARMパラメタ

抽出結果

表タイプ

TBLTYPE

ルート世代番号

ROOTJSQ

累積データ通番

BLOCKNO

1

ONLINE

5.

2

RELOAD

1.,2.,3.,4.

3

ON/RL

1

1.,2.,3.,4.

4

ON/RL

1以外

エラー

5

ON/RL

実在する通番

{1.,2.,3.,4.}

6

ON/RL

実在しない通番

エラー

7

ON/RL

1

実在する通番

{1.,2.,3.,4.}

8

ON/RL

1

実在しない通番

エラー

(凡例)

−:指定なし

ON/RL:ONLINEまたはRELOAD

{n.…}:パラメタ指定の開始ポイントから抽出

注※

TP1/EEが起動するまで待ちます。

(d) 起動タイミング(4)

起動タイミング(4)で抽出できる範囲を次の表に示します。

表7‒8 起動タイミング(4)で抽出できる範囲

項番

EEFDPARMパラメタ

抽出結果

表タイプ

TBLTYPE

ルート世代番号

ROOTJSQ

累積データ通番

BLOCKNO

1

ON/RL

5.

2

ON/RL

1

1.,2.,3.,4.

3

ON/RL

2

5.

4

ON/RL

1または2以外

エラー

5

ON/RL

実在する通番

{5.}

6

ON/RL

実在しない通番

エラー

7

ON/RL

1

実在する通番

{1.,2.,3.,4.}

8

ON/RL

2

実在する通番

{5.}

9

ON/RL

1または2

実在しない通番

エラー

(凡例)

−:指定なし

ON/RL:ONLINEまたはRELOAD

{n.…}:パラメタ指定の開始ポイントから抽出

(e) 起動タイミング(5)

起動タイミング(5)で抽出できる範囲を次の表に示します。

表7‒9 起動タイミング(5)で抽出できる範囲

項番

EEFDPARMパラメタ

抽出結果

表タイプ

TBLTYPE

ルート世代番号

ROOTJSQ

累積データ通番

BLOCKNO

1

ONLINE

2

RELOAD

5.

3

ON/RL

1

1.,2.,3.,4.

4

ON/RL

2

5.

5

ON/RL

1または2以外

エラー

6

ON/RL

実在する通番

{5.}

7

ON/RL

実在しない通番

エラー

8

ON/RL

1

実在する通番

{1.,2.,3.,4.}

9

ON/RL

2

実在する通番

{5.}

10

ON/RL

1または2

実在しない通番

エラー

(凡例)

−:指定なし

ON/RL:ONLINEまたはRELOAD

{n.…}:パラメタ指定の開始ポイントから抽出

注※

TP1/EEが起動するまで待ちます。

(3) 抽出開始時の世代番号

ユーザデータ(UJ)の抽出を開始する履歴情報表の世代番号の決定方法を次の表に示します。

表7‒10 履歴情報表の世代番号の決定

項番

開始

モード

ROOTJSQ

指定有無

世代番号の決定

1

正常開始

指定なし

最新のルート世代番号の中で世代番号が1の履歴情報表から抽出を開始します。

2

指定あり

指定されたルート世代番号の中で世代番号が1の履歴情報表から抽出を開始します。

3

再開始

前回中断したルート世代番号の中の世代番号の履歴情報表から抽出を開始します。

4

強制開始

指定なし

最新のルート世代番号の中で世代番号が1の履歴情報表から抽出を開始します。ただし,EEFDPARMパラメタのCONTROL文のJSQオペランドの指定があるときは,JSQオペランド値に従います。

5

指定あり

指定されたルート世代番号の中で世代番号が1の履歴情報表から抽出を開始します。ただし,EEFDPARMパラメタのCONTROL文のJSQオペランドの指定があるときは,JSQオペランド値に従います。

(凡例)

−:該当しません

(4) 抽出開始ポイントの決定不可

入力する履歴情報表にUAP履歴情報の書き込みが1件もない場合,次に示す条件では抽出開始ポイントが決定できないため,KFSB52009-Eメッセージを出力して強制停止します。