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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Financial Service Platform 使用の手引


5.4.10 BCM間のOPEN状態管理

1つのBCSから2つのBCMに同時に接続する場合,同じOBMを2つのBCMから実行しないで,どちらか一方のBCMだけで実行するように状態を管理します。

この機能を使用することで,オンライン中のOBM構成定義を変更するときに,次の誤った操作を防ぎます。

運用方法については「26.5 オンライン中のOBM構成定義の変更」を参照してください。

2つのBCMのうち,どちらのBCMでOBMが実行可能かをOPEN状態管理表で管理します。それぞれのBCMでは,OBMを実行可能な状態(eeobmstartコマンドを受け付ける状態)をOPEN状態と呼びます。OPEN状態管理表では,どちらのBCMがOPEN状態であるかを設定することで管理します。

2つのBCMは,通常使用のBCMと,切替用のBCMとに分かれます。切替用BCMとして使用するTP1/EEは,通常の運用では停止しておき,OBM構成定義の変更時に一時的に起動します。

OBM構成定義を変更する前は,すべてのOBMは通常使用BCMでOPEN状態となります。

OBM構成定義を変更する前のOBMの状態,OPEN状態の例を次の図に示します。

図5‒41 OBM構成定義を変更する前の状態

[図データ]

通常使用BCMでOBMを実行中に,OBM構成定義を変更して切替用BCMを起動すると,OBMごとに通常使用BCMのOBM状態を参照して,OPEN状態を変更します。通常使用BCMのOBM状態とOPEN状態の変更の詳細について次の表に示します。

表5‒18 通常使用BCMのOBM状態とOPEN状態の変更

項番

通常使用BCMのOBM状態

OPEN状態の変更

1

未実行

切替用BCM開始処理中にOPEN状態を切替用BCMに変更します。

2

初期化中

切替用BCM開始処理中にOPEN状態の変更予約を実行します。

3

再開始処理中

通常使用BCMでOBMが正常終了すると,OBM終了処理の中でOPEN状態を切替用BCMに変更します。

正常終了しないで,計画停止,または強制停止した場合については項番9,10を参照してください。

4

実行中

5

クローズ中

6

終了中

7

停止処理中

切替用BCM開始処理中にOPEN状態の変更予約を実行します。

計画停止,または強制停止後については,項番9,10を参照してください。

8

一時休止

9

計画停止

計画停止/強制停止したOBMの構成が,OBM構成定義変更前後で変わっていない場合は,OPEN状態を切替用BCMに変更します。OBMの状態,ロットの状態,ロットごとの処理済み件数,eeobmchgtrnコマンドで変更した内容を切替用BCMに引き継ぎます。

計画停止/強制停止したOBMの構成が,OBM構成定義変更前後で変わっている場合,OPEN状態の変更予約を実行します。通常使用BCMでOBMが正常終了,または強制終了するとOBM終了処理の中でOPEN状態を切替用BCMに変更します。

10

強制停止

OBM構成変更でOBMを削除した場合は,切替用BCMに変更するときに,OPEN状態管理表から該当するOBMのOPEN状態を削除し管理対象から外します。

OBMを追加した場合は,切替用BCM開始処理中にOPEN状態を切替用BCMとしてOPEN状態管理表に追加し管理対象に加えます。

次の条件をすべて満たした場合,TP1/EEの強制正常開始処理で,OBMの状態を未実行に変更するときにOPEN状態を切替用BCMに変更します。

OPEN状態の変更予約が実行された状態で,通常使用BCMのTP1/EEが計画停止または異常終了し,かつ,再開始しないで強制正常開始した場合,TP1/EEの強制正常開始処理で,OBMの状態を未実行に変更するときにOPEN状態を切替用BCMに変更します。

OBM構成定義を変更して切替用BCM起動時のOBMの状態,OPEN状態の例を次の図に示します。

図5‒42 切替用BCM起動時の状態

[図データ]

(a) OBM1は実行中状態のため,OPEN状態の変更予約を実行します。

(b) OBM2は強制停止状態(OBM2の構成は変更していない),OBM3は未実行状態のため,OPEN状態を切替用BCMに変更します。

(c) OBM2は強制停止状態のため,切替用BCMに状態を引き継ぎます。

切替用BCM起動後に,通常使用BCMで実行中のOBMが正常終了した場合のOBMの状態,OPEN状態の例を次の図に示します。

図5‒43 実行中OBM正常終了時の状態

[図データ]

(a) 実行中状態のOBM1が正常終了します。

(b) 変更予約されていたOBM1のOPEN状態を切替用BCMに変更します。

これによって,すべてのOBMがOBM構成定義を変更した切替用BCMで実行可能となります。

通常使用BCMのOBM構成定義を変更して通常使用BCMを再起動すると,同様のOPEN状態の変更を行い,すべてのOBMのOPEN状態が通常使用BCMに戻ります。

これによって,業務を停止しないでOBMの構成定義を変更できます。通常使用BCMのOEM構成定義変更後の,OBMの状態とOPEN状態の例を次の図に示します。

図5‒44 通常使用BCMのOBM構成定義変更後の状態

[図データ]