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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Financial Service Platform 使用の手引


2.4.7 他ノード実行(eesdhchgコマンドの-oオプション)

eesdhchgコマンドに-oオプションを指定すると,コマンドを入力したTP1/EEを指示サーバ,指定されたサービスグループ名の全TP1/EE,またはノード識別子で指定したTP1/EEを実行サーバとし,実行サーバ上で要求された処理を行います。処理の完了後,指示サーバ(異常時だけ),実行サーバ,コマンドでそれぞれ終了メッセージを出力し,コマンドを終了します。

他ノード実行のイメージを次の図に示します。

図2‒26 他ノード実行

[図データ]

他ノード実行対象のオン中SDBデータベース定義変更機能

他ノード実行可能な機能を次に示します。これ以外の機能については,対象TP1/EEに対して直接コマンドを入力する必要があります。

  • SDBデータベース定義情報の事前取得(eesdhchgコマンドの-bオプション)

  • SDBデータベース定義情報の正副切り替え(eesdhchgコマンドの-cオプション)

〈この項の構成〉

(1) 他ノード実行対象となる実行サーバ

他ノード実行の対象となるのは,ネームサーバに登録されている,指定サービスグループのサーバすべて※1です。同時に指示できる実行サーバの上限はネームに登録可能なサーバ数※2となります。

注※1

他ノード実行の対象となるノードは,TP1/SBのシステム共通定義のall_node(name_domain_file_useにYを指定した場合は該当ファイル)に指定されているノードであり,TP1/SBのネームサービスのキャッシュ情報に依存します。このため,TP1/SBのRPC抑止/抑止解除などを行った場合,当該ノードが本機能の実行対象から外れてしまうおそれがあります。

注※2

登録可能なサーバ数は,TP1/SBのネームサービス定義のname_service_extendオペランド指定値およびTP1/EEのRPC関連定義のrpc_name_service_extendオペランド指定によって決定されます。ただし,TP1/SBとTP1/EEのサービス情報キャッシュ領域が不足した場合は,指定した値よりも少なくなる場合があります。

(2) タイマ監視

他ノード実行時のタイマ監視についての概要を次の図に示します。

図2‒27 タイマ監視の概要

[図データ]

次の3か所でタイマ監視を行います。

コマンドでは,監視時間T3を指定します。

他ノード実行時の監視時間T2は,通信時間など,他処理を含めた時間5秒をT3に加算した時間となります。監視時間T1は,T2にさらに15秒加えた時間となります。

自ノード実行時の監視時間T1はT3に5秒加えた時間となります。自ノード実行時はコマンドを受け付けたサーバが実行サーバとなり,実行サーバで監視時間T3の時間を監視します。

(3) 一部の実行サーバで処理が失敗した場合

正副切り替えで,一部の実行サーバで処理が失敗した場合,処理が成功した実行サーバと,処理が失敗した実行サーバが混在することになります。この状態で,再度,他ノード実行による正副切り替えを行うと,すでに正副切り替えが終了している実行サーバで正副切り替えが失敗し,コマンドがエラー終了します。正副切り替えが終了している実行サーバを無視したい場合は,-zオプションを指定して正副切り替えを実行してください。この場合,次の状態の実行ノードは,正副切り替えを実施済みと判断し,正副切り替えをスキップします。

なお,-nオプションによって,処理が失敗した実行サーバを直接指定する場合は,-zオプションは不要です。