Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(Linux®用)

[目次][索引][前へ][次へ]


3.24.11 HDLMのアンインストール

HDLMのアンインストールの手順を次に説明します。

この項の構成
(1) HDLMのアンインストール
(2) HDLMデバイスをブートディスクとして使用している場合のHDLMのアンインストール

(1) HDLMのアンインストール

注意事項
  • パスヘルスチェックまたは自動フェイルバックが実行されるときにHDLMのアンインストールを実行すると,KAPL04023-Eのメッセージをsyslogに出力する場合があります。しかし,HDLMの動作上の問題はありません。
  • HDLMのアンインストールを実行しても,HDLMのインストール時に作成された障害ログ(/var/tmp/hdlminstlog/installhdlm[01-10].log)はアンインストールされません。そのため,必要に応じて/var/tmp/hdlminstlog/installhdlm[01-10].logファイルを削除してください。
    installhdlm[01-10].logファイルについては,「3.4 HDLMのインストールについての事前知識」を参照してください。
  • 05-00以降のDevice ManagerエージェントがインストールされているホストからHDLMをアンインストールする場合,アンインストール中に次に示すDevice Managerエージェントのコマンドを実行しないでください。また,次に示すDevice Managerエージェントのコマンドを実行中に,HDLMをアンインストールしないでください。
    hbsasrv,HiScan,hdvmagt_account,hdvmagt_schedule,hldutil,TIC

  1. Linuxに,root権限を持つユーザでログインします。
  2. HDLMの管理対象パスを使用しているプロセス,サービスなどをすべて停止します。
    HDLMの管理対象パスを使用しているDBMS,各種アプリケーションのプロセス,およびサービスを,すべて停止します。
    また,Xenを使用している場合は,あらかじめdomainUを停止してください。domain0を起動すると自動的にdomainUが起動されるよう設定している場合,自動的にdomainUが起動しないよう一時的に設定を変更してください。
  3. HDLMが使用しているマウントポイントを,すべて解除します。
    次に示すコマンドを実行します。
    # umount マウントポイント
     
  4. rootの環境設定ファイルのPATH環境変数の設定を変更します。
    rootユーザが使用するシェルの環境設定ファイルのPATH環境変数から/opt/DynamicLinkManager/binを削除します。
  5. HDLMデバイスが使用されていないことを確認します。
    次に示すコマンドを実行して,sddlmfdrvUsed0になっていることを確認してください。
     
    # /sbin/lsmod
    Module                  Size  Used by
          :
          :
    sddlmfdrv              254092  0
     
    Used0以外の場合は,「3.24.1 HDLM管理対象のデバイスへの操作」を実行したあと,手順2および手順3を再度実行して,HDLMデバイスを使用しないようにしてください。
  6. アンインストールを実行します。
    次に示すコマンドを実行して,アンインストールを開始します。
    # rpm -e HDLM
     
  7. アンインストールが完了したかどうか確認します。
    次に示すコマンドを実行して,アンインストールが完了したことを確認します。出力される情報を次に示します。
     
    # rpm -qi HDLM
    パッケージ HDLM はインストールされていません
     
  8. 手順2で停止したプロセス,サービスを起動します。
    起動後,クラスタソフトウェアやボリューム管理ソフトウェアが起動します。
    また,手順2でdomainUの設定を自動的に起動しないように変更した場合は,元に戻してください。

(2) HDLMデバイスをブートディスクとして使用している場合のHDLMのアンインストール

HDLMデバイスを使ったマルチパス構成のブートディスクの環境からHDLMをアンインストールして,SCSIデバイスを使ったブートディスクの環境に変更する方法を説明します。設定を誤ると,OSが起動できなくなることもあるので,注意してください。

HDLMのアンインストール時にKAPL09019-E,KAPL09020-Eのメッセージが出力された場合は,「3.24.12 Hitachi Network Objectplazaトレース共通ライブラリ(HNTRLib2)のアンインストール」の手順に従って,HNTRLib2をアンインストールしてください。ただし,KAPL09026-Iのメッセージが出力された場合は,HDLM以外のプログラムがHitachi Network Objectplazaトレース共通ライブラリ(HNTRLib2)を使用しているので,HDLMだけがアンインストールされます。

なお,LVM2を用いたブートディスク環境の設定手順を説明します。ここではブートローダにgrubを用いた場合を示します。

  1. Linuxに,root権限を持つユーザでログインします。
  2. /etc/fstabファイルの定義にHDLMデバイスが指定されていることを確認します。
    次に示すHDLM管理対象デバイスのマウントポイントが,HDLMデバイスをマウントする定義になっていることを確認します。
    • ブートローダとしてELILOを使用している場合
      ルートディレクトリ「/」,/boot/efi/tmp/usr/varswap
    • ブートローダとしてGRUBを使用している場合
      ルートディレクトリ「/」,/boot/tmp/usr/varswap
    • ブートローダとしてLILOを使用している場合
      ルートディレクトリ「/」,/tmp/usr/varswap
    • LVM2を使用している場合
      /boot
    /etc/fstabファイルの例を次に示します。
     
                                :
                                :
    /dev/sddlmaa2   /     ext2    defaults       1 1
                                :
                                :
     
  3. HDLM構成定義ユティリティ(dlmcfgmgr)に-vパラメタを指定して実行して,HDLMデバイスとSCSIデバイスの対応関係を確認します。
    udev機能でSCSIデバイス名を変更している場合は,-udevパラメタを指定してください。
    dlmcfgmgrユティリティの実行例を次に示します。

    図3-43 dlmcfgmgrユティリティに-vパラメタを指定した実行例

    [図]

    図3-44 dlmcfgmgrユティリティに-vパラメタおよび-udevパラメタを指定した実行例

    [図]

    HDevName列はHDLMデバイス,Device列はSCSIデバイス,Udev列はudev名になります。
  4. /etc/fstabファイルを編集します。
    手順2で確認したHDLM管理対象デバイスのマウントポイントを,HDLMデバイスからSCSIデバイスに書き換えます。既存のHDLMデバイス指定は先頭に#を付けてコメントアウトして,手順3で確認したHDLMデバイスとSCSIデバイスの対応関係を基に,次のようにSCSIデバイス指定を追加します。
     
                                :
                                :
    #/dev/sddlmaa2   /     ext2    defaults       1 1
    /dev/sda2        /     ext2    defaults       1 1
                                :
                                :
     
    LVM2を使用している場合は手順5に,LVM2を使用していない場合は手順6に進んでください。
  5. LVM2を使用している場合は,LVM2がHDLMデバイスではなくSCSIデバイスを認識するように,/etc/lvm/lvm.confファイルを編集します。
    /etc/lvm/lvm.confファイルの編集例を次に示します。

    図3-45 /etc/lvm/lvm.confファイルの編集例

    [図]

    既存のfilterとtypesの行をコメントアウトし,図に示した網掛けの行を追加します。
    また,md_component_detectionの項目をインストール前の値に戻します。
  6. ブートローダの設定ファイルをSCSI起動用に編集します。
    SUSE LINUX Enterprise Server 10を使用しているときは,/etc/grub.confファイルの代わりに/boot/grub/menu.lstファイルを編集してください。
    具体的な編集方法を,手順7から手順11に示します。
    ブートローダとしてLILOを使用している場合,ブートローダとしてGRUBを使用している場合,IPFホストでブートローダとしてELILOを使用している場合およびLVM2を使用している場合に分けて説明します。
    なお,設定ファイルの編集例にある「オプション」は,ユーザ環境に応じた任意指定のオプションを表します。
    • ブートローダとしてLILOを使用している場合
      /etc/lilo.confファイルの編集例(下線部)を次に示します。
      変更後/sbin/liloコマンドを実行して設定を有効にしてください。HDLMデバイス指定用の設定は削除しても問題ありません。
      boot=/dev/sda
      map=/boot/map
      install=/boot/boot.b
      prompt
      timeout=50
      linear
      #default=HDLM_194.EL
      default=linux
       
      image=/boot/vmlinuz-2.6.18-194.el5
            label=HDLM_194.EL
            initrd=/boot/initrd-hdlm-2.6.18-194.el5.gz
            read-only
            append="オプション ramdisk_size=18245 オプション"
       
      image=/boot/vmlinuz-2.6.18-194.el5
            label=linux
            initrd=/boot/initrd-2.6.18-194.el5
            read-only
            append="オプション"
            root=/dev/sda2
        
    • ブートローダとしてGRUBを使用している場合
      /etc/grub.confファイルの編集例(下線部)を例1に示します。
      また,SUSE LINUX Enterprise Server 10でXenをサポートしているカーネルを使用している場合の/boot/grub/menu.lstファイルの編集例(下線部)を,例2に示します。
      defaultの値に誤った指定をしないように注意してください。HDLMデバイス指定用の設定は削除しても問題ありません。
      (例1)/etc/grub.confファイルの編集例
      #default=0
      default=1
      timeout=10
      splashimage=(hd0,0)/grub/splash.xpm.gz
       
      title Red Hat Enterprise Linux (2.6.18-194.el5)
          root (hd0,0)
          kernel /vmlinuz-2.6.18-194.el5 ro オプション ramdisk_size=18245 オプション
          initrd /initrd-hdlm-2.6.18-194.el5.gz
       
      title Red Hat Enterprise Linux (2.6.18-194.el5)
          root (hd0,0)
          kernel /vmlinuz-2.6.18-194.el5 ro root=/dev/sda2 オプション
          initrd /initrd-2.6.18-194.el5
      
      
      (例2)/boot/grub/menu.lstファイルの編集例(SUSE LINUX Enterprise Server 10でXenをサポートしているカーネルを使用している場合)
      #default 0
      default 1
      timeout 8
      gfxmenu (hd0,1)/boot/message
       
      title XEN-hdlm
          root (hd0,1)
          kernel /boot/xen.gz 
          module /boot/vmlinuz-2.6.16.60-0.21-xen vga=0x31a splash=silent showopts
          module /boot/initrd-2.6.16.60-0.21-xen.hdlm
       
      title XEN-sd
          root (hd0,1)
          kernel /boot/xen.gz 
          module /boot/vmlinuz-2.6.16.60-0.21-xen root=/dev/sda2 vga=0x31a splash=silent showopts
          module /boot/initrd-2.6.16.60-0.21-xen
       
    • IPFホストでブートローダとしてELILOを使用している場合
      /etc/elilo.confファイルの編集例(下線部)を次に示します。
      HDLMデバイス指定用の設定は削除しても問題ありません。
      prompt
      timeout=50
      #default= HDLM_2.6.18-194.el5
      default= 2.6.18-194.el5-sd
       
      image=vmlinuz-2.6.18-194.el5
            label=HDLM_2.6.18-194.el5
            initrd=initrd-hdlm-2.6.18-194.el5.img
            read-only
            append="オプション ramdisk_size=18245 オプション"
       
      image=vmlinuz-2.6.18-194.el5
            label=2.6.18-194.el5-sd
            initrd=initrd-2.6.18-194.el5.img
            read-only
            append="オプション"
            root=/dev/sda2
      
    • LVM2を使用している場合
      /etc/grub.confファイルの編集例(下線部)を次に示します。
      #default=0
      default=1
      timeout=5
      splashimage=(hd1,0)/grub/splash.xpm.gz
      Hiddenmenu
       
      title Red Hat Enterprise Linux AS (HDLM 2.6.9-11.EL)
          root (hd1,0)
          kernel /vmlinuz-2.6.9-11.EL ro rhgb quiet
          initrd /initrd-hdlm-2.6.9-11.EL.gz
       
      title Red Hat Enterprise Linux AS (2.6.9-11.EL)
          root (hd1,0)
          kernel /vmlinuz-2.6.9-11.EL ro root=/dev/VolGroup00/LogVol00 rhgb quiet
      #    initrd /initrd-hdlm-2.6.9-11.EL.img
          initrd /initrd-2.6.9-11.EL.img
      
  7. HDLMデバイスからの起動に使用していた設定をコピーします。
  8. コピーした設定に名前を付けます。
    SCSIデバイス指定用だとわかるような名前を任意に付けます。
    ブートローダとしてLILOまたはIPFホストでELILOを使用している場合はlabelを変更します。ブートローダとしてLILOを使用している場合は/sbin/liloコマンドを実行して設定を有効にしてください。
    ブートローダとしてGRUBを使用している場合はtitleを変更します。
  9. 手順3で確認したSCSIデバイスをrootに指定します。
    SUSE LINUX Enterprise Server 10でXenをサポートしているカーネルを使用している場合は,ブートローダ設定ファイルの編集規則に従ってrootデバイスを追記してください。
    LVM2を使用している場合は,/etc/fstabファイルで「/」にマウントされるデバイス名をrootに指定します。
  10. Red Hat Enterprise Linux 6の場合は,/etc/opt/DynamicLinkManager/hdlm.confに定義されている「hdlm_dracut=y」の記述を,「hdlm_dracut=n」に変更します。
  11. SCSIデバイス用の初期RAMディスクイメージファイルをinitrdに指定します。
    SUSE LINUX Enterprise Server 10でXenをサポートしているカーネルを使用している場合は,moduleで指定されたinitrdファイル名をSCSIデバイス用の初期RAMディスクイメージファイルに変更してください。
    また,編集時には次の点に注意してください。
    • ユーザ環境に依存したオプションが設定されている場合
      オプションを削除しないようにしてください。
    • ブートローダとしてLILOまたはIPFホストでELILOを使用して,かつユーザ環境に依存したオプションが設定されていない場合
      appendを削除するかコメントアウトしてください。
    SCSIデバイス用の初期RAMディスクイメージファイルはOSのmkinitrdコマンドまたはdracutコマンドのマニュアルを参考に作成してください。
  12. ホストを停止します。
    次に示すコマンドを実行してホストを停止します。
    # shutdown -h now
     
  13. マルチパス構成をシングルパス構成に変更します。
  14. ホストを起動します。
    LVM2を使用している場合は,手順16に進んでください。
  15. ファイルシステムとswapにSCSIデバイスが使用されていることを確認します。
    ルートディレクトリがSCSIデバイスに関連づけられていること,SCSIデバイスがマウントされていること,およびswapにSCSIデバイスが割り当てられていることを確認します。
    /proc/swapsファイルを参照して,Filenameの部分に指定したSCSIデバイス名が表示されていることを確認します。
    手順18に進んでください。
  16. ボリュームグループの情報を更新します。
    次に示すコマンドを実行して,ボリュームグループの情報を更新します。
     
    # vgscan
      Reading all physical volumes.  This may take a while...
      Found volume group "VolGroup00" using metadata type lvm2
      
  17. ボリュームグループとHDLMデバイスの関係を確認します。
    次に示すコマンドを実行して,ボリュームグループを構成する物理ボリュームがHDLMデバイスでないことを確認します。
    [図]
  18. ブートディスクサポートユティリティ(dlmmkinitrd)またはdracutコマンドで作成した初期RAMディスクイメージファイルを削除します。
    次に示すコマンドを実行します。
    • IA32ホストを使用している場合の実行例
      # rm /boot/initrd-2.6.18-194.el5.gz
    • IPFホストを使用している場合の実行例
      # rm /boot/efi/efi/redhat/initrd-hdlm-2.6.18-194.el5.gz
  19. ルートディレクトリ以外で使用しているHDLMを停止します。
    HDLMを停止する手順については,「3.24.1 HDLM管理対象のデバイスへの操作」および「(1) HDLMのアンインストール」の手順2から4を参照してください。
  20. HDLMデバイスが使用されていないことを確認します。
    次に示すコマンドを実行して,sddlmfdrvUsed0になっていることを確認してください。
     
    # /sbin/lsmod
    Module                  Size  Used by
          :
          :
    sddlmfdrv              254092  0
     
    Used0以外の場合は,「3.24.1 HDLM管理対象のデバイスへの操作」を実行したあと,「(1) HDLMのアンインストール」の手順2および手順3を実行して,HDLMデバイスを使用しないようにしてください。
  21. アンインストールを実行します。
    次に示すコマンドを実行して,アンインストールを開始します。
    # rpm -e HDLM
     
  22. アンインストールが完了したかどうか確認します。
    次に示すコマンドを実行して,アンインストールが完了したことを確認します。出力される情報を次に示します。
     
    # rpm -qi HDLM
    パッケージ HDLM はインストールされていません
     

[目次] [前へ] [次へ]


All Rights Reserved. Copyright© 2011, 2013, Hitachi, Ltd.