Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(Linux®用)
HDLMデバイスでLVMの物理ボリュームを使用する環境から,SCSIデバイスでLVMの物理ボリュームを使用する環境に移行する手順を説明します。
ここでは,LVM2の環境で,マルチパス環境のHDLMデバイス上にある論理ボリュームを,シングルパス環境のSCSIデバイス上に移行する場合の手順について説明します。
「図3-39 HDLMデバイス上にある論理ボリュームをSCSIデバイス上に移行する場合のデバイス構成」に示す環境を作成するには,次の手順で行ってください。HDLMをアンインストールするときは,この手順をアンインストールの前に実施してください。
図3-39 HDLMデバイス上にある論理ボリュームをSCSIデバイス上に移行する場合のデバイス構成
「図3-39 HDLMデバイス上にある論理ボリュームをSCSIデバイス上に移行する場合のデバイス構成」のsda1,sdb1,sdc1,sdd1は同じLUを示します。また,sda2,sdb2,sdc2,sdd2も同じLUを示します。sddlmaa1とsddlmaa2はそれぞれのLUに対応するHDLMデバイスを示します。
- SCSIデバイス,およびHDLMデバイスを使用しているプロセス,サービスなどをすべて停止します。
- 移行対象の論理ボリュームをアンマウントします。
論理ボリュームが/mnt/lvol1にマウントされている場合の実行例を次に示します。# umount /mnt/lvol1- ボリュームグループを非活性化します。
移行対象の論理ボリュームが,vg01(ボリュームグループ)に属している場合の実行例を次に示します。# vgchange -an vg01 0 logical volume(s) in volume group "vg01" now active- ボリュームグループをエクスポートします。
vg01(ボリュームグループ)の情報をエクスポートする場合の実行例を次に示します。# vgexport vg01 Volume group "vg01" successfully exported- マルチパス構成でHDLMデバイスを使用したLVM環境である場合は,既存LUへのパスをシングルパス構成にします。
「4.6.4 HDLMデバイスの構成変更」の「(5) LUへのパスを削除する」を参照して,既存LUへのパスをシングルパス構成にしてください。
- 注意事項
- 再起動を行う場合,/etc/fstabファイルに操作対象の論理ボリュームをマウントする記述があるときは,その記述をコメントアウトしてください。また,操作対象の論理ボリュームにアクセスするアプリケーションを停止してください。
- /etc/lvm/lvm.confファイルを編集します。
SCSIデバイスの構成を有効にしてHDLMデバイスの構成を無効にするために,ファイル中のデバイスセクションに対して次の編集を行います。HDLMをアンインストールする場合は,次の操作を行ってください。
- filterエントリ情報の追加と削除
次に示す行を追加します。
filter = [ "r|sddlm[a-p][a-p].*|", "a|/dev/sd|" ]
次に示す行を削除またはコメントアウトします。
filter = [ "a|sddlm[a-p][a-p].*|", "r|/dev/sd|" ]- typesエントリ情報の追加と削除
次に示す行を削除またはコメントアウトします。
types = [ "sddlmfdrv", 16 ]
filter = [ "a|sddlm[a-p][a-p].*|", "r|/dev/sd|" ]およびtypes = [ "sddlmfdrv", 16 ]を削除します。
filterエントリのコメントを解除して,HDLMのデバイスの構成を有効にする前の状態に戻してください。
OSがSUSE LINUX Enterprise Server 11の場合の編集例を次に示します。網掛けの部分が編集個所です。図3-40 /etc/lvm/lvm.confファイルの編集例
- VGスキャンを実行します。
HDLMデバイスでボリュームグループを再構築するために,vgscanコマンドを実行します。実行例を次に示します。# vgscan Reading all physical volumes. This may take a while... Found exported volume group "vg01" using metadata type lvm2- ボリュームグループをインポートします。
vg01(ボリュームグループ)の情報をインポートする場合の実行例を次に示します。# vgimport vg01 Volume group "vg01" successfully imported- 移行が正常に終了したかどうかをpvscanコマンドを実行して確認します。
pvscanコマンドの実行例を次に示します。# pvscan PV /dev/sda1 VG vg01 lvm2 [468.00 MB / 368.00 MB free] PV /dev/sda2 VG vg01 lvm2 [548.00 MB / 548.00 MB free] Total: 2 [1016.00 MB] / in use: 2 [1016.00 MB] / in no VG: 0 [0 ]- ボリュームグループを活性化します。
移行対象の論理ボリュームが,vg01(ボリュームグループ)に属している場合の実行例を次に示します。# vgchange -ay vg01 1 logical volume(s) in volume group "vg01" now active- 手順5で/etc/fstabファイルを編集した場合は,該当する行のコメントアウトを解除します。
- 移行対象の論理ボリュームをマウントします。
移行対象の論理ボリュームが/dev/vg01/lvol1で,これを/mnt/lvol1にマウントする場合の実行例を次に示します。# mount /dev/vg01/lvol1 /mnt/lvol1
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