Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(Linux®用)

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3.24.8 LVM2の設定解除

HDLMデバイスでLVMの物理ボリュームを使用する環境から,SCSIデバイスでLVMの物理ボリュームを使用する環境に移行する手順を説明します。

ここでは,LVM2の環境で,マルチパス環境のHDLMデバイス上にある論理ボリュームを,シングルパス環境のSCSIデバイス上に移行する場合の手順について説明します。

図3-39 HDLMデバイス上にある論理ボリュームをSCSIデバイス上に移行する場合のデバイス構成」に示す環境を作成するには,次の手順で行ってください。HDLMをアンインストールするときは,この手順をアンインストールの前に実施してください。

図3-39 HDLMデバイス上にある論理ボリュームをSCSIデバイス上に移行する場合のデバイス構成

[図]

図3-39 HDLMデバイス上にある論理ボリュームをSCSIデバイス上に移行する場合のデバイス構成」のsda1sdb1sdc1sdd1は同じLUを示します。また,sda2sdb2sdc2sdd2も同じLUを示します。sddlmaa1sddlmaa2はそれぞれのLUに対応するHDLMデバイスを示します。

  1. SCSIデバイス,およびHDLMデバイスを使用しているプロセス,サービスなどをすべて停止します。
  2. 移行対象の論理ボリュームをアンマウントします。
    論理ボリュームが/mnt/lvol1にマウントされている場合の実行例を次に示します。
    # umount /mnt/lvol1
  3. ボリュームグループを非活性化します。
    移行対象の論理ボリュームが,vg01(ボリュームグループ)に属している場合の実行例を次に示します。
    # vgchange -an vg01
      0 logical volume(s) in volume group "vg01" now active
  4. ボリュームグループをエクスポートします。
    vg01(ボリュームグループ)の情報をエクスポートする場合の実行例を次に示します。
    # vgexport vg01
      Volume group "vg01" successfully exported
  5. マルチパス構成でHDLMデバイスを使用したLVM環境である場合は,既存LUへのパスをシングルパス構成にします。
    4.6.4 HDLMデバイスの構成変更」の「(5) LUへのパスを削除する」を参照して,既存LUへのパスをシングルパス構成にしてください。

    注意事項
    再起動を行う場合,/etc/fstabファイルに操作対象の論理ボリュームをマウントする記述があるときは,その記述をコメントアウトしてください。また,操作対象の論理ボリュームにアクセスするアプリケーションを停止してください。
  6. /etc/lvm/lvm.confファイルを編集します。
    SCSIデバイスの構成を有効にしてHDLMデバイスの構成を無効にするために,ファイル中のデバイスセクションに対して次の編集を行います。
    • filterエントリ情報の追加と削除
      次に示す行を追加します。
      filter = [ "r|sddlm[a-p][a-p].*|", "a|/dev/sd|" ]
      次に示す行を削除またはコメントアウトします。
      filter = [ "a|sddlm[a-p][a-p].*|", "r|/dev/sd|" ]
    • typesエントリ情報の追加と削除
      次に示す行を削除またはコメントアウトします。
      types = [ "sddlmfdrv", 16 ]
    HDLMをアンインストールする場合は,次の操作を行ってください。
    filter = [ "a|sddlm[a-p][a-p].*|", "r|/dev/sd|" ]およびtypes = [ "sddlmfdrv", 16 ]を削除します。
    filterエントリのコメントを解除して,HDLMのデバイスの構成を有効にする前の状態に戻してください。
    OSがSUSE LINUX Enterprise Server 11の場合の編集例を次に示します。網掛けの部分が編集個所です。

    図3-40 /etc/lvm/lvm.confファイルの編集例

    [図]

  7. VGスキャンを実行します。
    HDLMデバイスでボリュームグループを再構築するために,vgscanコマンドを実行します。実行例を次に示します。
    # vgscan
      Reading all physical volumes.  This may take a while...
      Found exported volume group "vg01" using metadata type lvm2
    
  8. ボリュームグループをインポートします。
    vg01(ボリュームグループ)の情報をインポートする場合の実行例を次に示します。
    # vgimport vg01
      Volume group "vg01" successfully imported
    
  9. 移行が正常に終了したかどうかをpvscanコマンドを実行して確認します。
    pvscanコマンドの実行例を次に示します。
    # pvscan
      PV /dev/sda1   VG vg01   lvm2 [468.00 MB / 368.00 MB free]
      PV /dev/sda2   VG vg01   lvm2 [548.00 MB / 548.00 MB free]
      Total: 2 [1016.00 MB] / in use: 2 [1016.00 MB] / in no VG: 0 [0   ]
    
  10. ボリュームグループを活性化します。
    移行対象の論理ボリュームが,vg01(ボリュームグループ)に属している場合の実行例を次に示します。
    # vgchange -ay vg01 
      1 logical volume(s) in volume group "vg01" now active
    
  11. 手順5で/etc/fstabファイルを編集した場合は,該当する行のコメントアウトを解除します。
  12. 移行対象の論理ボリュームをマウントします。
    移行対象の論理ボリュームが/dev/vg01/lvol1で,これを/mnt/lvol1にマウントする場合の実行例を次に示します。
    # mount /dev/vg01/lvol1 /mnt/lvol1
    

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