Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(Linux®用)
HDLMをアップグレードインストールする手順を,次に説明します。なお,インストール前には前提となる準備が必要です。インストール前の準備については「3.6.4 HDLMを再インストールまたはアップグレードインストールする前の準備」を参照してください。
05-40より前のバージョンのHDLMからアップグレードインストールする場合,またはライセンスの有効期限が切れている状態で05-40以降のバージョンのHDLMをインストールする場合は,ライセンスキーファイルが必要です。
JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合,手順1から手順2までを,HDLMをインストールするすべてのホストに対して実行してください。
- Linuxに,root権限を持つユーザでログインします。
- ライセンスキーの準備をします。
次のどちらかの方法で,所定のディレクトリにライセンスキーファイルを格納してください。JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合は,手順3に進んでください。HDLMをリモートインストールしない場合は,手順4に進んでください。
- /var/tmpディレクトリに,ライセンスキーファイル(*.plk)を「hdlm_license」という名称で格納する。
/var/tmp/hdlm_license- 次に示すコマンドを実行して,/etc/opt/DynamicLinkManagerディレクトリにライセンスキーファイル(dlm.lic_key)を作成する。
/etc/opt/DynamicLinkManagerディレクトリがない場合は,mkdirコマンドでディレクトリを作成してください。# mkdir /etc/opt/DynamicLinkManager # echo " ライセンスキー " > /etc/opt/DynamicLinkManager/dlm.lic_key- JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合は,HDLMのパッケージを登録した配布管理システムで,次のコマンドを実行します。
# rdsdmind -x配布指令で指定したすべてのホストにHDLMがインストールされます。
インストールが完了したら手順8に進んでください。手順8以降の操作は,HDLMをインストールしたすべてのホストに対して実施してください。- HDLMをリモートインストールしない場合は,DVD-ROMをセットしてマウントします。
DVD-ROMが自動的にマウントされなかったときは,mountコマンドを実行して決められたマウントポイントにDVD-ROMをマウントします。
マウントポイントが,/media/cdromの場合のコマンドの実行例を次に示します。# mount /dev/cdrom /media/cdrom各ディストリビューションでの決められたマウントポイントを次の表に示します。
ディストリビューション マウントポイント Red Hat Enterprise Linux AS4/ES4 /media/cdrecorder Red Hat Enterprise Linux 5
Red Hat Enterprise Linux 6/media/cdrom SUSE LINUX Enterprise Server /media/cdrom
DVD-ROMが自動的にマウントされた場合は
/media/ メディアのボリュームID ※
- 注1
- 上記以外のマウントポイントにマウントした場合,HDLMをインストールできません。
- 注2
- DVD-ROMの内容をコピーし,コピー先のディレクトリからインストールする場合,上記に示すマウントポイントと同じ名称のディレクトリに,DVD-ROMの内容をそのままコピーしてください。ファイルのパーミッションやディレクトリ構成が異なると,HDLMをインストールできません。
- 注※
- ISO-9660ファイルシステムでフォーマットされたメディア(CD-ROMなど)のボリューム名のことです。メディアのボリュームIDは,volnameコマンドで確認してください。
- メディアのボリュームIDが「VOL01234」の場合の実行例を次に示します。
# volname /dev/cdrom VOL01234- HDLMのバージョンを確認します。
HDLMのDVD-ROMに格納されているinstallux.shまたはHDLMインストールユティリティ(installhdlm)を実行して,インストールするHDLMのバージョンを確認します。
DVD-ROMのマウントポイントが,/media/cdromの場合のコマンドの実行例を次に示します。コマンドの実行結果を次に示します。「x.x.x-xx」の部分がHDLMのバージョンです。
- installux.shを実行する場合
# /media/cdrom/installux.sh -v- installhdlmユティリティを実行する場合
# /media/cdrom/HDLM_Linux/installhdlm -vKAPL09177-I HDLM version: x.x.x-xx- インストールを実行します。
HDLMのDVD-ROMに格納されているinstallux.shまたはinstallhdlmユティリティを指定して,インストールを実行します。
DVD-ROMのマウントポイントが,/media/cdromの場合のインストール実行例を次に示します。
- installux.shを実行する場合
# /media/cdrom/installux.sh- installhdlmユティリティを実行する場合
# /media/cdrom/HDLM_Linux/installhdlm- アップグレードインストールを確認するKAPL09093-Iメッセージが表示されるので,HDLMのバージョンを確認して,問題なければ「y」を入力します。
- HDLMがインストールされていることを確認します。
次に示すコマンドを実行して,インストールされたパッケージの詳細情報を表示します。# rpm -qi HDLM Name : HDLM Version : x.x.x.x.xxx Release : xx :「Version」に「x.x.x.x.xxx」が表示されていれば,正しいバージョンがインストールされています。x.x.x.x.xxxにはインストールされたバージョンが表示されます。- ホストとストレージシステムとの接続にIP-SANを使用している場合は,/etc/opt/DynamicLinkManager/hdlm.confファイルに定義されている「iscsi_boot=n」の記述を,「iscsi_boot=y」に変更します。
- HDLMのドライバオプションを設定する場合はHDLMドライバオプション設定ユティリティ(dlmsetopt)を実行します。
詳細については「7.7 dlmsetopt HDLMドライバオプション設定ユティリティ」を参照してください。
この手順を実行した場合は,手順13に進んでください。- ホストを再起動しないでインストールをする場合は,手順12以降を行います。再起動する場合は,手順13に進んでください。
- HDLM起動ユティリティ(dlmstart)を実行します。
詳細については「7.8 dlmstart HDLM起動ユティリティ」を参照してください。- rootユーザが使用するシェルの環境設定ファイルのPATH環境変数に,/opt/DynamicLinkManager/binを追加します。
rootユーザの環境設定ファイルのPATH環境変数に,次の記述を追加します。これによって,HDLMコマンドやHDLMユティリティを簡潔に実行できます。
- BourneAgainシェル,またはKornシェルを使用している場合
- PATH=$PATH:/opt/DynamicLinkManager/bin ; export PATH
PATH環境変数を設定しない場合は,絶対パスを指定してコマンドやユティリティを実行してください。
- Cシェルを使用している場合
- set path= ( $path /opt/DynamicLinkManager/bin )
手順12を行っている場合は,手順15に進んでください。- ホストを再起動します。
次に示すコマンドを実行してホストを再起動してください。# shutdown -r nowHDLMデバイスにパスが設定されて,HDLMマネージャが起動します。- 「3.6.1 HDLMを新規インストールする前の準備」の「(1) HDLM管理対象予定のデバイスへの操作」で/etc/fstabファイルを編集した場合は,次に示す行を追加してSCSIデバイス指定からHDLMデバイス指定に変更します。
なお,SCSIデバイスに対してLABEL=を付けるLinuxの機能は,HDLMではサポートしていません。この機能は,使用しないでください。
/etc/fstabファイルの編集例を次に示します。
図に示した網掛けの行を追加します。- LUKSの使用に必要な設定をします。
ホストのOSでLUKSを使用する場合に設定します。また,LUKSの設定をしたSCSIデバイスをHDLMで管理する場合は,LUKSの設定をSCSIデバイスからHDLMデバイスに移行する必要があります。
LUKSの設定については,「3.8 LUKSの設定」を参照してください。- mdデバイスを使用する場合は,次のコマンドを実行して,mdデバイスを活性化します。
# mdadm -A -scan mdadm: /dev/md0 has been started with 2 drives.- mdデバイスを使用する場合は,次のコマンドを実行して,mdデバイスが活性化されていることを確認します。
RAID1(ミラーリング)を使用している場合の実行例を次に示します。# cat /proc/mdstat Personalities : [raid1] md0 : active raid1 sddlmaa1[0] sddlmab1[1] 5238528 blocks [2/2] [UU] unused devices: <none>「md0 : active」と表示され,HDLMデバイスが表示されていることを確認してください。- ボリューム管理ソフトウェアの使用に必要な設定をします。
「3.6.4 HDLMを再インストールまたはアップグレードインストールする前の準備」の「(3) ボリュームグループの非活性化」を実行した場合は,次の手順を実行してボリュームグループを活性化してください。
- 手順14を実行していない場合
- 手順20に進んでください。
ボリューム管理ソフトウェアを使用しない場合は,手順23に進んでください。
- 手順14を実行している場合
- 手順21に進んでください。
その他のボリューム管理ソフトウェアの設定については,「3.10 LVM2の設定」を参照してください。- ボリュームグループを活性化します。
HDLMデバイス上の論理ボリュームが,vg01(ボリュームグループ)に属している場合の実行例を次に示します。# vgchange -ay vg01 vgchange -- volume group "vg01" successfully activated- HDLMデバイス上の論理ボリュームをマウントします。
論理ボリュームが/dev/vg01/lvol1で,これを/mnt/lvol1にマウントする場合の実行例を次に示します。# mount /dev/vg01/lvol1 /mnt/lvol1- 仮想環境の使用に必要な設定をします。
Xenを使用する場合は,domainUでHDLMデバイスを使用するように設定します。KVMを使用する場合は,HDLMデバイスをハードウェア設定ファイルに登録します。
HDLMがサポートする仮想環境の動作環境は,「3.1.14 HDLMがサポートする仮想環境」を参照してください。仮想環境の設定については,「3.11 Xenの設定」または「3.12 KVMの設定」を参照してください。- クラスタ構成での運用に必要な設定をします。
クラスタ構成の場合,クラスタで指定されているSCSIデバイスの論理デバイスファイル名を,HDLMデバイスの論理デバイスファイル名に書き換えます。
クラスタソフトウェアの設定については,「3.13 CLUSTERPROの設定」,「3.14 Heartbeatの設定」,「3.15 Oracle RACの設定」,「3.16 RHCMの設定」,または「3.17 VCSの設定」を参照してください。
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