Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(AIX®用)

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7.11.2 パラメタ

-l {on | off | -ls ログファイルサイズ}
ログ取得を有効,または無効にします。
on:有効
off:無効
デフォルトは「on」です。指定した値を有効にするためには,HDLMデバイスの再構成またはホストの再起動が必要です。

-ls ログファイルサイズ
ログファイルサイズをキロバイトで指定します。指定値の範囲は,100から9900までです。デフォルトおよび推奨値は「1000」です。指定した値を有効にするためには,HDLMデバイスの再構成またはホストの再起動が必要です。

-e {on | off}
hdiskを指定する操作(rmdevchdevrendev,ボリュームグループ操作コマンド)に対するエラーチェック機能を有効,または無効にします。
on:有効
off:無効
デフォルトは「on」です。指定した値を有効にするためには,HDLMデバイスの再構成が必要です。

-b 同時発行可能I/O数
HDLMで同時に発行できるI/Oの数を指定します。
指定範囲は,16384から1000000までです。デフォルトは「16384」です。
指定した値を有効にするためには,HDLMデバイスの再構成またはホストの再起動が必要です。
ただし,同時発行可能I/O数に設定した値以上のI/O要求が同時に発生した場合も,I/O要求は正常に終了するので問題はありません。
同時発行可能I/O数の設定を変更する場合は,次の式から求めてください。

AIX 5L V5.3の場合
LU数 × iooコマンド結果のpv_min_pbuf値 + 2560
LU数は,ホストに接続するシステム全体のLU数に,追加するLU数を見込んで設定してください。
AIX 5L V5.3を使用している場合,lvmoコマンド結果のpv_pbuf_count値が,iooコマンド結果のpv_min_pbuf値を超えて設定しているボリュームグループが1つでもあるときは,同時発行可能I/O数に各ボリュームグループに設定されているlvmoコマンド結果のtotal_vg_pbufs値の合計 + 2560以上の値を設定してください。
AIX V6.1およびAIX V7.1を使用している場合,このパラメタでの設定変更は不要です。

-r {on | off}
LUN RESETオプションを有効,または無効にします。
on:有効
off:無効
デフォルトは「off」です。
GPFSを使用する場合onに設定してください。
このパラメタの設定を変更しても,HDLMデバイスの再構成およびホストの再起動は不要です。

-i {on | off}
Online(E)状態のパスに対し,I/Oアクセスを抑止するパラメタです。
on:I/Oアクセスを抑止します。
off:I/Oアクセスの抑止を解除します。
デフォルトは「off」です。
LVMミラー構成などで障害を検出した場合,Online(E)状態のパスに対しI/Oアクセスが続くと,障害を検出し続けてしまいます。このパラメタをonに設定すると,障害対策をするまでI/Oアクセスを抑止するので,障害対策に掛かる時間を短縮できます。
指定した値を有効にするためには,HDLMデバイスの再構成またはホストの再起動が必要です。

注意事項
このパラメタonに設定すると,Online(E)状態のパスへのI/Oアクセスが抑止されるため,I/Oに成功してもOnline状態へ自動的に遷移しません。パスを回復するにはHDLMコマンドのonlineオペレーションか,または自動フェイルバック機能を使用してください。

-x { node | fcp }
HDLMがODMに登録したuniquetypeSubclassHDLM Subclass)を設定します。指定した値を有効にするためには,HDLMデバイスの再構成が必要です。
nodeHDLM Subclassnodeを設定します。
fcpHDLM Subclassfcpまたはscsiを設定します。
デフォルトは「node」です。
OSのバージョンとGigabit Fibre Channel Adapter Driver for AIXのバージョンの組み合わせが次の場合,Hitachi Disk Array Driver for AIXのディスクマッピング機能を使用するときはnodeを設定してください。
  • AIX 5L V5.3の場合,Gigabit Fibre Channel Adapter Driver for AIXのバージョンが5.3.1.6より前のとき
    nodeを設定してからbootlist -m normal -oコマンドを実行するとbootdeviceに「-」(ハイフン)が表示されることがありますが,動作上の問題はありません。
    この設定を有効にするには,HDLMデバイスを再構成してください。また,PowerHA,GPFS+RVSDを使用している場合は,次に示す設定を変更してください。
  • PowerHAを使用している場合
    PowerHAを停止してください。その後,「3.11.2 PowerHA用スクリプトの登録」の「(2) ユーザー定義ディスク・メソッドの追加」に示す手順に従って,[ユーザー定義ディスク・メソッドの追加]画面の[ディスク・タイプ]の設定を変更してください。
  • GPFS+RVSDを使用している場合
    3.12 GPFSを使用する場合の設定」に示す手順に従って,/etc/vsd/oemdisktypes.lstファイルの内容を変更してください。

-p { on | off }
HDLMデバイスを入出力統計情報の出力対象に含むかを設定します。指定した値を有効にするにはHDLMデバイスの再構成またはホストの再起動が必要です。
on:HDLMデバイスを入出力統計情報の出力対象に含みます。
off:HDLMデバイスを入出力統計情報の出力対象に含みません。
デフォルトは「off」です。「on」にすると,次に示すOSのコマンドの実行結果として,HDLMデバイスの入出力統計情報が出力されます。
  • iostatコマンド
  • vmstatコマンド
  • sarコマンド
  • topasコマンド

-v {on | off}
NPIVオプションを有効,または無効にします。
on:有効
off:無効
デフォルトは「off」です。
バーチャルI/OサーバのNPIV機能を使って,仮想HBAを適用するクライアント区画でHDLMを使用する場合は,onに設定する必要があります。詳細については,「3.4.4 バーチャルI/Oサーバについての注意事項」を参照してください。

-j {on | off}
OSエラーログへHDLMのメッセージを出力するかどうかを設定します。
on:出力する
off:出力しない
デフォルトは「off」です。
このパラメタの設定を変更しても,hdiskの再構成およびホストの再起動は不要です。
OSエラーログには,パス障害時およびパス回復時にHDLMのメッセージが出力されます。OSエラーログのラベルでパス障害またはパス回復の区別ができます。
  • パス障害のラベル:HDLM_PATH_FAIL
  • パス回復のラベル:HDLM_PATH_RECOV
パス回復のラベルは,Offline(E)またはOnline(E)のパスがonlineオペレーションまたは自動フェイルバックによってOnlineとなった場合に出力されます。
必要に応じてOSエラーログの望ましい処置に従って対処してください。また,OSエラーログの詳細データにはメンテナンス情報が含まれます。パス障害ラベルの場合,詳細データの空白で区切った6番目の情報が,パス障害の原因となったOSエラーコード(16進数)を示しています。同時に障害ログファイル(HDLMマネージャのログ)にメッセージが出力されている場合は,そのメッセージの内容も確認してください。
AIX 6.1 TL08環境でHDLMが出力するパス障害時のOSエラーログの出力例を次に示します。この出力例の場合,詳細データの空白で区切った6番目の情報が"0005"となっていることから,OSエラーコード5(EIO)が発生したことを示しています。
ラベル:         HDLM_PATH_FAIL
ID:             37269DDB

日付/時刻:       WWW MMM dd hh:mm:ss TTT yyyy
順序番号:        2959
マシン ID:       00F8782C4C00
ノード ID:       natu
クラス:          U
タイプ:          INFO
WPAR:            Global
リソース名:      hdisk13
リソース・クラス: disk
リソース・タイプ: Hitachi
ロケーション:     U78AA.001.WZSJPKR-P1-C4-T1-W50060E801082EEA2-L5C000000000000


説明
HDLM detected a path failure.

考えられる原因
HDLM detected a path failure.

障害の原因
A physical or logical error occurred in the path.

        望ましい処置
        Check the path in which the error was detected.

詳細データ
Driver Information.
0000 8000 002D 0000 0002 0005 0048 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 00

-s
ユティリティを実行するときに確認メッセージを表示しません。

-u {on | off}
バーチャルI/O環境での仮想物理ボリューム(hdisk)を認識するunique_id方式の使用可否を設定します。バーチャルI/Oを使用しない場合,この設定は無効です。
on: unique_id方式を使用します。
off: unique_id方式を使用しません。
デフォルトは「off」です。

-o
現在の設定情報を表示します。

-h
dlmodmsetユティリティの形式を表示します。

使用例

現在の設定情報を表示する場合
# /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmodmset -o
Inquiry Log             : on
Inquiry Log File Size   : 1000
hdisk error check flag  : on
HDLM pbuf count         : 16384
Lun Reset               : off
Online(E) IO Block      : off
unique_id               : off
HDLM Subclass           : node
IO Statistics           : off
NPIV Option             : off
OS Error Log Output     : off
KAPL10800-I The dlmodmset utility completed normally.
#
 

HDLM Subclassを設定する場合
  1. HDLMデバイスを構成している場合は,HDLMドライバ削除ユティリティ(dlmrmdev)を実行してHDLMデバイスを削除します。
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmrmdev
  2. HDLM Subclassを設定します。
    HDLM Subclassfcpまたはscsiを設定する場合
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmodmset -x fcp
    HDLM Subclassnodeを設定する場合
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmodmset -x node
  3. HDLM構成管理ユティリティ(dlmcfgmgr)を実行して,HDLMデバイスを構成します。
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmcfgmgr

ヘルプを表示する場合
# /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmodmset -h
Usage :dlmodmset { { -l { on | off | -ls log_file_size }
                   | -e { on | off }
                   | -b pbuf_count
                   | -r { on | off }
                   | -x { node | fcp }
                   | -p { on | off }
                   | -i { on | off }
                   | -v { on | off }
                   | -j { on | off }
                   }
                   [ -s ]
                 | { -u { on | off } | -o | -h }
                 }
 

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