Dynamic Link Manager EX Software ユーザーズガイド(AIX®用)
hdiskの属性には,デフォルト値と実際に使用される値があります。hdiskを新規に構成,またはいったん削除して再構成した場合,hdiskの属性はデフォルト値が実際の値として設定されます。
HDLMデフォルト設定変更ユティリティ(dlmchpdattr)を使用すると,このデフォルト値を変更できます。
hdiskごとの属性値を個別に変更したい場合は,dlmchpdattrユティリティではなくchdevコマンドを使用して,実際に使用される値を変更してください。ここでは,dlmchpdattrユティリティを使用してhdiskのデフォルト値を変更して,実際に使用される値に反映させる手順を説明します。
dlmchpdattrユティリティに-Aパラメタを指定して実行すると,デフォルト値を変更したあとに,hdiskを自動で再構成できます。なお,-Aパラメタを省略して実行してもデフォルト値は変更できますが,hdiskの再構成は手動で実行する必要があります。
hdiskの再構成を自動で実行する場合は,「(1) hdiskの再構成を自動で実行する」の手順を実行してください。hdiskの再構成を手動で実行する場合は,「(2) hdiskの再構成を手動で実行する」の手順を実行してください。
dlmchpdattrユティリティについては,「7.3 dlmchpdattr HDLMデフォルト設定変更ユティリティ」を参照してください。
- この項の構成
- (1) hdiskの再構成を自動で実行する
- (2) hdiskの再構成を手動で実行する
hdiskの再構成を自動で実行する場合の手順を次に示します。
- AIXに,root権限を持つユーザでログインします。
- dlmchpdattrユティリティに-Aパラメタを指定して実行します。
# /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmchpdattr -A -a reserve_policy=no_reserve処理を続行するかどうか確認するメッセージが表示されます。このメッセージに対して「y」を入力し,処理を継続させてください。
正常終了した場合はKAPL10571-Iのメッセージが表示されます。- hdiskのリザーブポリシーのデフォルト値が変更されていることを確認します。
dlmchpdattrユティリティに-oパラメタを指定して実行してください。# /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmchpdattr -o uniquetype = disk/fcp/Hitachi reserve_policy : no_reserve KAPL10571-I The dlmchpdattr utility completed successfully.実行環境がブートディスク環境の場合,手順4に進んでください。実行環境がローカルブートディスク環境の場合,手順5に進んでください。- 次に示すコマンドを実行して,ホストを再起動します。
# shutdown -Fr- 次に示すコマンドを実行して,HDLM管理対象デバイスとして認識されているhdiskの状態が「使用可能」であることを確認します。
# lsdev -Cc disk hdisk0 使用可能 1S-08-00-8,0 16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ hdisk1 使用可能 1S-08-00-9,0 16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ hdisk2 使用可能 1S-08-00-10,0 16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ hdisk3 使用可能 1H-08-02 Hitachi Disk Array (Fibre) hdisk4 使用可能 1H-08-02 Hitachi Disk Array (Fibre)この例では,hdisk3,hdisk4がHDLM管理対象デバイスとして認識されています。
hdiskの状態がすべて「使用可能」である場合は,手順7に進んでください。「定義済み」状態のhdiskがある場合は,手順6へ進んでください。- 次に示すコマンドを実行して,hdiskの状態を「使用可能」に変更します。
# cfgmgrコマンドを実行したら,手順5を再実行してください。- hdiskのリザーブポリシー属性の設定を確認します。
変更したデフォルト値が実際に使用される値に反映されているか確認してください。# lsattr -El hdisk名 | grep reserve_policy reserve_policy no_reserve Reserve Policy 真- HDLMで使用しているボリュームグループを活動化します。
# varyonvg ボリュームグループ名- HDLMで使用するファイルシステムをマウントします。
# mount ファイルシステムのマウントポイント
hdiskの再構成を手動で実行する場合の手順を次に示します。
次の手順のうち,誤って手順2または手順6を実行しないでdlmchpdattrユティリティを実行した場合,lsattrコマンドの結果では変更した値が反映されているように見えますが,実際に使用される値には反映されません。実際に使用される値に反映させるためには手順2を実行したあと,ローカルブートディスク環境の場合は手順10を,ブートディスク環境の場合は手順12を実行してください。
- AIXに,root権限を持つユーザでログインします。
次にHDLMデバイスを構成し直します。構成し直すために必要なアンマウント処理や,ボリュームグループの活動状態を変更する処理などを自動で実行したい場合は手順2に進んでください。それらを手動で実行したい場合は手順3へ進んでください。- HDLMドライバ削除ユティリティ(dlmrmdev)に-eパラメタと-Aパラメタを指定して実行します。
# /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmrmdev -e -Adlmrmdevユティリティについては,「7.12 dlmrmdev HDLMドライバ削除ユティリティ」を参照してください。
正常終了した場合,KAPL10531-Iのメッセージが表示されます。
KAPL10531-Iのメッセージが表示されない場合,HDLMの管理対象パスを使用しているプロセス,サービス,ファイルシステム,およびボリュームグループがないことを確認してから,手順2を再実行してください。
dlmrmdevユティリティが正しく実行できたら,手順7に進んでください。- 次に示すコマンドを実行して,HDLMで使用しているファイルシステムをアンマウントします。
# umount ファイルシステムのマウントポイント- 次に示すコマンドを実行して,活動化状態のボリュームグループをすべて表示させます。
# lsvg -o- 表示されたボリュームグループから,HDLMで使用しているボリュームグループを非活動化します。
# varyoffvg ボリュームグループ名- dlmrmdevユティリティに-eパラメタを指定して実行します。
# /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmrmdev -e正常終了した場合はKAPL10531-Iのメッセージが表示されます。KAPL10531-Iのメッセージが表示されない場合,HDLMの管理対象パスを使用しているプロセス,サービス,ファイルシステム,およびボリュームグループがないことを確認してから手順6を再実行してください。- 次に示すコマンドを実行して,HDLM管理対象デバイスとして認識されているhdiskの状態が「定義済み」であることを確認します。
# lsdev -Cc disk hdisk0 使用可能 1S-08-00-8,0 16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ hdisk1 使用可能 1S-08-00-9,0 16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ hdisk2 使用可能 1S-08-00-10,0 16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ hdisk3 定義済み 1H-08-02 Hitachi Disk Array (Fibre) hdisk4 定義済み 1H-08-02 Hitachi Disk Array (Fibre)この例では,hdisk3,hdisk4がHDLM管理対象デバイスとして認識されています。- HDLMデフォルト設定変更ユティリティ(dlmchpdattr)を実行します。
# /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmchpdattr -a reserve_policy=no_reserve処理を続行するかどうか確認するメッセージが表示されます。処理を続行する場合,このメッセージに対して「y」を入力し,処理を継続させてください。
正常終了した場合はKAPL10571-Iのメッセージが表示されます。- hdiskのリザーブポリシーのデフォルト値が変更されていることを確認します。
dlmchpdattrユティリティに-oパラメタを指定して実行してください。# /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmchpdattr -o uniquetype = disk/fcp/Hitachi reserve_policy : no_reserve KAPL10571-I The dlmchpdattr utility completed successfully.次に示す実行環境に従って,手順を実行してください。
- 実行環境がローカルブートディスク環境の場合
手順10に進んでください。- 実行環境がブートディスク環境の場合
手順11に進んでください。- 次に示すコマンドを実行して,hdiskの状態を「使用可能」に変更します。
# cfgmgrコマンドを実行したら,手順13に進んでください。- rootvgを構成しているすべてのhdiskに対して,HDLMパーシステントリザーブ解除ユティリティ(dlmpr)を実行します。
# dlmpr -c rootvgを構成しているHDLMデバイス名処理を続行するかどうか確認するメッセージが表示されます。処理を続行する場合,このメッセージに対して「y」を入力し,処理を継続させてください。
リザーブが正常に解除された場合はKAPL10642-Iのメッセージが表示されます。解除するリザーブがなかった場合はKAPL10650-Iのメッセージが表示されます。
dlmprユティリティについては,「7.9 dlmpr HDLMパーシステントリザーブ解除ユティリティ」を参照してください。- 次に示すコマンドを実行して,ホストを再起動します。
# shutdown -Fr- 次に示すコマンドを実行して,HDLM管理対象デバイスとして認識されているhdiskの状態が「使用可能」であることを確認します。
# lsdev -Cc disk hdisk0 使用可能 1S-08-00-8,0 16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ hdisk1 使用可能 1S-08-00-9,0 16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ hdisk2 使用可能 1S-08-00-10,0 16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ hdisk3 使用可能 1H-08-02 Hitachi Disk Array (Fibre) hdisk4 使用可能 1H-08-02 Hitachi Disk Array (Fibre)この例では,hdisk3,hdisk4がHDLM管理対象デバイスとして認識されています。
hdiskの状態がすべて「使用可能」である場合は,手順14に進んでください。「定義済み」状態のhdiskがある場合は,手順10を再実行してください。- hdiskのリザーブポリシー属性の設定を確認します。
変更したデフォルト値が実際に使用される値に反映されているか確認してください。# lsattr -El hdisk名 | grep reserve_policy reserve_policy no_reserve Reserve Policy 真- HDLMで使用しているボリュームグループを活動化します。
# varyonvg ボリュームグループ名- HDLMで使用するファイルシステムをマウントします。
# mount ファイルシステムのマウントポイント
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