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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/EE/Message Control Extension 使用の手引


eemcped(MCPトレースの編集)

〈このページの構成〉

機能

指定されたファイルのMCPトレース情報を編集して,標準出力またはCSV形式でファイルに出力します。MCPを利用した通信で障害が発生した場合,特定の論理端末名またはIPアドレスなどで編集し,障害を調査するために使用します。

コマンドの形式

eemcped 〔-e 編集種別〕〔-t 〔開始時刻〕〔,終了時刻〕〕〔-r ランID〕
        〔-s usr|lin〕
        〔-x 中央処理通番の下限値,中央処理通番の上限値〕
        〔-l 論理端末名〔,論理端末名…〕〕
        〔-i IPアドレス〔,IPアドレス…〕〕
        〔-c CSV出力ファイル名〔-n ファイル出力行〕〕
         MCPトレースファイル名 〔MCPトレースファイル名…〕

オプションの説明

●-e 編集種別

  〜《f》

編集種別を指定します。

r:レコード単位に編集,出力します。

f:ファイル情報一覧を出力します。

このオプションにfを指定した場合,その他のオプションを指定するとエラーになります。

●- t 開始時刻,終了時刻

 

指定された時刻内に,出力バッファに出力されたMCPトレース情報を編集,出力します。開始時刻,および終了時刻は,1970年1月1日0時0分0秒から当年当月当日の現在時刻までの範囲で指定します。

開始時刻または終了時刻のどちらか一方を必ず指定してください。開始時刻の指定を省略した場合は,MCPトレースファイルの先頭から指定した終了時刻までが出力範囲になります。終了時刻の指定を省略した場合は,指定した開始時刻からMCPトレースファイルの最後までが出力範囲になります。

開始時刻,および終了時刻は,「hhmmss〔MMDD〔YYYY〕〕」の形式で指定します。

hh:時(00≦hh≦23):指定を省略できません。

mm:分(00≦mm≦59):指定を省略できません。

ss:秒(00≦ss≦59):指定を省略できません。

MM:月(01≦MM≦12):指定を省略できます。

DD:日(01≦DD≦31):指定を省略できます。

YYYY:年(西暦)(1970≦YYYY≦9999):指定を省略できます。

注※

開始時刻,または終了時刻の「年」の指定を省略した場合は,当年の指定月日時刻と見なされます。「年,月,日」の指定を省略した場合,当年当月当日の指定時刻とみなされます。「月,日」,「月」,または「日」だけを省略することはできません。省略した場合はエラーになります。「月」または「日」を省略したい場合は,「年」,「月」,「日」のすべてを省略してください。

-tオプションの指定を省略すると,指定したファイル内のすべての情報を編集,出力します。

●-r ランID

 

指定されたランIDを持つMCPトレース情報だけ編集,出力します。

●-s usr|lin 

  〜《usr》

usr:ユーザトレース情報だけを編集,出力します。

lin:MCPトレース情報だけを編集,出力します。

●-x 中央処理通番の下限値,中央処理通番の上限値

  〜〈1〜8文字の16進数〉((0〜ffffffff))

指定されたカレント中央処理通番の範囲内の情報だけ編集,出力します。このオプションを指定する場合,上限値および下限値を必ず指定してください。

中央処理通番を指定する場合,最大値(4294967295)を考慮して指定してください。

●-l 論理端末名

  〜〈1〜8文字の識別子〉

指定された論理端末名を持つ情報だけ編集,出力します。eemcple定義コマンドの-lオプションで指定した論理端末名を指定してください。論理端末名は,最大10個指定できます。

●-i IPアドレス

  〜〈7〜15文字の数字〉

IPアドレスを指定する場合は,nnn.nnn.nnn.nnnの形式で指定します。nnnは,0〜255(10進数)で指定します。IPアドレスは,最大10個指定できます。

●-c CSV出力ファイル名

  〜〈パス名〉

指定したファイルに編集結果をCSV形式で出力します。標準出力には出力しません。CSVファイルに出力する場合,コンマで区切って出力します。10進数以外の場合,引用符「"」で囲んで出力します。

-nオプションを指定した場合は,パス名中のファイル名は,245文字以下としてください。-nオプション指定時にファイル名が246文字以上の場合はオプションエラーで,このコマンドが異常終了します。

●-n ファイル出力行

  ((10000〜100000))

-cオプションに指定したcsvファイルを分割して出力する場合に1ファイルに出力する行数を指定します。見出し行を含めて-nオプションに指定した行数を出力したときに,出力するファイルを切り替えます。切り替えた先のファイルには見出し行から出力します。

分割したファイルには,10進数の文字列をファイル名の末尾に付与します。付与する文字列は1から9999ファイルまでは「0001」からの連番で左に0を埋めた4けたの文字列とします。10000ファイルを超えた場合は左に0埋めをしません。ファイル名に「.」を含む場合は,最後の「.」の前に付与します。

ファイル名に文字列を付与する例を示します。

<例1>-cにxxxと指定した場合
xxx0001
xxx0002
 :
<例2>-cにxxx.csvと指定した場合
xxx0001.csv
xxx0002.csv
 :

このオプションを省略した場合は,ファイルを分割しないで1ファイルに出力します。

コマンド引数

●MCPトレースファイル名

  〜〈パス名〉

編集するファイル名を指定します。-eオプションにfを指定した場合は,最大1024個のMCPトレースファイル名を指定できます。

指定できるオプションの組み合わせを次の表に示します。

表6‒3 eemcpedコマンドのオプションの組み合わせ

オプション

-e

-t

-r

-s

-x

-l

-i

-c

-n

ファイル指定

r

f

usr

lin

単一

複数

-e

r

×

×

f

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

-t

×

×

-r

×

×

-s

usr

×

×

×

×

lin

×

×

×

×

×

-x

×

×

×

×

-l

×

×

×

×

-i

×

×

×

×

×

-c

×

×

-n

×

×

ファイル指定

単一

複数

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

(凡例)

○:指定できます。

×:指定できません。

−:該当しません。

出力形式

コマンド実行時の出力形式について説明します。

■-sにlinを指定した場合

[図データ]

■-sにusrを指定した場合

[図データ]

出力形式中の,右端の数字の意味を次に示します。

出力形式中の,各変数の意味を次に示します。

変数

意味

a1-a1-a1

コマンドを実行したTP1/EEのバージョン

a2-a2-a2

コマンドを実行したMCPのバージョン

bb....bb

このコマンドの引数

cc....cc

入力ファイル名

dddd/dd/dd dd:dd:dd ddd.ddd

該当ファイルに出力を開始した日付

「年/月/日△時間:分:秒 ミリ秒.マイクロ秒」の形式で表示します。

e1-e1-e1

ファイルを作成したTP1/EEのバージョン

e2-e2-e2

ファイルを作成したMCPのバージョン

e3-e3-e3

ファイルを作成したTP1/FSPのバージョン

TP1/FSPを使用した場合だけ出力します。

e3

MCPトレース情報取得タイプ

ff....ff

サービスグループ名(31文字以内)

gggggggg

TP1/EEのランID(16進数8けた)

hhhh/hh/hh hh:hh:hh hhh.hhh

MCPトレース情報を取得した時刻

「年/月/日△時間:分:秒 ミリ秒.マイクロ秒」の形式で表示します。

ii....ii

イベント名(15文字以内)

イベントの前後で情報を取得するため,イベント名の後ろに,「前」または「後」が表示されます。また,ee_mcp_utrace_put関数,またはee_mcp_utrace_put_long関数で指定したIDを16進数で表示します。

jjjjjjjjjj

データ長(10進数10けた)

oooo/oo/oo oo:oo:oo ooo.ooo

実行時刻

「年/月/日△時間:分:秒 ミリ秒.マイクロ秒」の形式で表示します。

kkkkkkkk

該当レコードを取得した中央処理通番(16進数8けた)

kkkkkkkk1

該当レコードを取得した受信ID(16進数8けた)

lll

取得した機能種別(3文字)

  • usr:ユーザトレースAPI,またはMCPで取得

  • lin:MCPで取得

mm....mm

論理端末名(1〜8文字の識別子)

nn....nn

コネクションID(1〜8文字の識別子)

ppp.ppp.ppp.ppp

受信/送信先のIPアドレス(10進数15けた以内)

qq....qq

受信/送信先のポート番号(10進数5けた以内)

rr....rr

サービス名(1〜31文字の識別子)

0xss....ss

送信ID(16進数16けた)

0xtt....tt

リターンコード(16進数4けた以内)

tt2....tt2

リターンコード(10進数5けた以内)

uu....uu

実際に送受信したデータ長

vv vv vv vv vv vv vv vv vv vv vv vv vv vv vv vv vvvvvvvvvvvvvvvv

次に示すデータです。

-sオプションにusrを指定した場合

ユーザデータ,またはMCPで取得したデータ

-sオプションにlinを指定した場合

MCPで取得したデータ

wwww/ww/ww ww:ww:ww www.www

MCPトレース情報の出力を再開した時刻

「年/月/日△時間:分:秒 ミリ秒.マイクロ秒」の形式で表示します。

yy....yy

すべての出力バッファが使用中となり,その間にMCPトレース情報出力要求が発生したため,破棄したレコード数

zzzz/zz/zz zz:zz:zz zzz.zzz

破棄を開始した時刻

「年/月/日△時間:分:秒 ミリ秒.マイクロ秒」の形式で表示します。

yy....yy2

破棄を開始したレコードを取得した中央処理通番

該当しない場合は0を表示します。

yy....yy3

破棄を開始したレコードを取得した受信ID

該当しない場合は0を表示します。

■-nオプションを指定した場合の標準出力

日本語と英字共通

EARLIEST TIME               - LATEST TIME                 EARLIEST CPN - LATEST CPN FILE NAME
xxxx/xx/xx xx:xx:xx xxx.xxx - yyyy/yy/yy yy:yy:yy yyy.yyy     nnnnnnnn     mmmmmmmm zzz0001
xxxx/xx/xx xx:xx:xx xxx.xxx - yyyy/yy/yy yy:yy:yy yyy.yyy     nnnnnnnn     mmmmmmmm zzz0002
    :                                :                     :

項番

表示名称

出力形式

1

xxxx/xx/xx xx:xx:xx xxx.xxx

出力したMCPトレース情報の中でいちばん古い起動時刻

出力対象のMCPトレース情報がない場合は

「****/**/** **:**:** ***.***」

を出力します。

2

yyyy/yy/yy yy:yy:yy yyy.yyy

出力したMCPトレース情報の中でいちばん新しい起動時刻

出力対象のMCPトレース情報がない場合は

「****/**/** **:**:** ***.***」

を出力します。

3

nnnnnnnn

出力したMCPトレース情報の中でいちばん値の小さい中央処理通番。16進数8けた

出力対象のMCPトレース情報がない場合は

「********」

を出力します。

出力対象のMCPトレース情報の中央処理通番がすべて0x00000000の場合は

「********」

を出力します。

4

mmmmmmmm

出力したMCPトレース情報の中でいちばん値の大きい中央処理通番。16進数8けた

出力対象のMCPトレース情報がない場合は

「********」

を出力します。

出力対象のMCPトレース情報の中央処理通番がすべて0x00000000の場合は

「********」

を出力します。

5

zzz

-cオプションに指定した出力ファイル名

注※

出力対象のMCPトレース情報の中央処理通番が0x00000000,0x00000001,0x00000002の三つの場合,nnnnnnnnに表示される値は0x00000001で,mmmmmmmmに表示される値は0x00000002となり,0x00000000がnnnnnnnn,mmmmmmmmに表示されることはありません。

出力メッセージ

メッセージID

内容

出力先

KFSB91300-E

メモリを確保できません。

標準エラー出力

KFSB91301-E

コマンドの形式が不正です。

標準エラー出力

KFSB91302-E

コマンドのオプションが不正です。

標準エラー出力

KFSB91303-E

コマンドのオプションの組み合わせが不正です。

標準エラー出力

KFSB91305-E

ファイルのヘッダ情報が不正です

標準エラー出力

KFSB91306-E

データブロックが不正です

標準エラー出力

KFSB91308-E

編集できないファイルタイプです。

標準エラー出力

KFSB91309-E

実行したコマンドのバージョンとファイル作成バージョンが不一致です。

標準エラー出力

KFSB91310-E

ファイルのオープン処理で障害が発生しました。

標準エラー出力

KFSB91311-E

ファイルからのリード処理で障害が発生しました。

標準エラー出力

KFSB91312-E

ファイルへのライト処理で障害が発生しました。

標準エラー出力

KFSB91313-E

ファイルのクローズ処理で障害が発生しました。

標準エラー出力

KFSB91315-Q

-cオプションに指定したファイルはすでに存在します。

標準出力

KFSB91331-I

ヘルプメッセージ

標準出力

KFSB91357-Q

-cオプションに指定したファイルはすでに存在します。(-nオプション指定時)

標準出力

注意事項