eemcpdump(MCPトレースの出力)
機能
指定されたコアファイルまたはメモリダンプファイルからMCPトレース情報を編集し,標準出力またはCSV形式でファイルに出力します。
TP1/EEプロセスがダウンした場合や特定のスレッドがダウンした場合に,MCP通信での障害情報を特定のトランザクションまたはIPアドレスなどで編集し,障害を調査するために使用します。
コマンドの形式
eemcpdump 〔-r ランID〕
〔-s usr|lin〕
〔-x 中央処理通番の下限値,中央処理通番の上限値〕
〔-l 論理端末名〔,論理端末名…〕〕
〔-i IPアドレス〔,IPアドレス…〕〕
〔-c CSV出力ファイル名〔-n ファイル出力行〕〕 ファイル名
オプションの説明
●-r ランID
-
指定されたランIDを持つトレース情報だけ編集,出力します。
●-s usr|lin
- 〜《usr》
-
usr:ユーザトレース情報だけを編集,出力します。
lin:MCPトレース情報だけを編集,出力します。
●-x 中央処理通番の下限値,中央処理通番の上限値
- 〜〈1〜8文字の16進数〉((0〜ffffffff))
-
指定されたカレント中央処理通番の範囲内の情報だけを編集,出力します。
-xオプションを指定する場合,上限値および下限値を必ず指定してください。
中央処理通番を指定する場合,最大値(4294967295)を考慮して指定してください。
●-l 論理端末名
- 〜〈1〜8文字の識別子〉
-
指定された論理端末名を持つ情報だけ編集,出力します。eemcple定義コマンドの-lオプションで指定した論理端末名を指定してください。論理端末名は,最大10個指定できます。
●-i IPアドレス
- 〜〈7〜15文字の数字〉
-
IPアドレスを指定する場合は,nnn.nnn.nnn.nnnの形式で指定します。nnnは,0〜255(10進数)で指定します。IPアドレスは,最大10個指定できます。
●-c CSV出力ファイル名
- 〜〈パス名〉
-
編集結果を指定したファイルにCSV形式で出力します。標準出力には出力しません。CSVファイルに出力する場合,コンマで区切って出力します。10進数以外の場合,引用符「"」で囲んで出力します。
-nオプションを指定した場合は,パス名中のファイル名は,245文字以下としてください。-nオプション指定時にファイル名が246文字以上の場合はオプションエラーで,このコマンドが異常終了します。
●-n ファイル出力行
- ((10000〜100000))
-
-cオプションに指定したcsvファイルを分割して出力する場合に1ファイルに出力する行数を指定します。見出し行を含めて-nオプションに指定した行数を出力したときに,出力するファイルを切り替えます。切り替えた先のファイルには見出し行から出力します。
分割したファイルには,10進数の文字列をファイル名の末尾に付与します。付与する文字列は1から9999ファイルまでは「0001」からの連番で左に0を埋めた4けたの文字列とします。10000ファイルを超えた場合は左に0埋めをしません。ファイル名に「.」を含む場合は,最後の「.」の前に付与します。
ファイル名に文字列を付与する例を示します。
- <例1>-cにxxxと指定した場合
xxx0001 xxx0002 :
- <例2>-cにxxx.csvと指定した場合
xxx0001.csv xxx0002.csv :
このオプションを省略した場合は,ファイルを分割しないで1ファイルに出力します。
コマンド引数
●ファイル名
- 〜〈パス名〉
-
入力元のコアファイルまたはメモリダンプファイル名を指定します。
指定できるオプションの組み合わせを次の表に示します。
表6‒2 eemcpdumpコマンドのオプションの組み合わせ オプション
-r
-s
-x
-l
-i
-c
-n
ファイル指定
usr
lin
-r
−
○
○
○
○
○
○
○
○
-s
usr
○
−
×
○
○
×
○
○
○
lin
○
×
−
×
×
○
○
○
○
-x
○
○
×
−
○
×
○
○
○
-l
○
○
×
○
−
×
○
○
○
-i
○
×
○
×
×
−
○
○
○
-c
○
○
○
○
○
○
−
○
○
-n
○
○
○
○
○
○
○
−
○
ファイル指定
○
○
○
○
○
○
○
○
−
- (凡例)
-
○:指定できます。
×:指定できません。
−:該当しません。
出力形式
コマンド実行時の出力形式について説明します。
- ■-sにlinを指定した場合
-
- ■-sにusrを指定した場合
-
出力形式中の,右端の数字の意味を次に示します。
-
1:改行キーを含まないで,1行で出力します。
-
2:レコード数分出力します。
-
3:複数行を改行して出力します。
出力形式中の,各変数の意味を次に示します。
|
変数 |
意味 |
|---|---|
|
a1-a1-a1 |
コマンドを実行したTP1/EEのバージョン |
|
a2-a2-a2 |
コマンドを実行したMCPのバージョン |
|
bb....bb |
このコマンドの引数 |
|
cc....cc |
入力ファイル名 |
|
e1-e1-e1 |
ファイルを作成したTP1/EEのバージョン |
|
e2-e2-e2 |
ファイルを作成したMCPのバージョン |
|
e3-e3-e3 |
ファイルを作成したTP1/FSPのバージョン TP1/FSPを使用した場合だけ出力します。 |
|
e3 |
MCPトレース情報取得タイプ |
|
ff....ff |
サービスグループ名(31文字以内) |
|
gggggggg |
TP1/EEのランID(16進数8けた) |
|
hhhh/hh/hh hh:hh:hh hhh.hhh |
MCPトレースを取得した時刻 「年/月/日△時間:分:秒 ミリ秒.マイクロ秒」の形式で表示します。 |
|
ii....ii |
イベント名(15文字以内) イベントの前後で情報を取得するため,イベント名の後ろに,「前」または「後」が表示されます。また,ee_mcp_utrace_put関数,またはee_mcp_utrace_put_long関数で指定したIDを16進数で表示します。 |
|
jjjjjjjjjj |
データ長(10進数10けた) |
|
oooo/oo/oo oo:oo:oo ooo.ooo |
実行時刻 「年/月/日△時間:分:秒 ミリ秒.マイクロ秒」の形式で表示します。 |
|
kkkkkkkk |
該当レコードを取得した中央処理通番(16進数8けた) |
|
kkkkkkkk1 |
該当レコードを取得した受信ID(16進数8けた) |
|
lll |
取得した機能種別(3文字)
|
|
mm....mm |
論理端末名(1〜8文字の識別子) |
|
nn....nn |
コネクションID(1〜8文字の識別子) |
|
ppp.ppp.ppp.ppp |
受信/送信先のIPアドレス(10進数15けた以内) |
|
qq....qq |
受信/送信先のポート番号(10進数5けた以内) |
|
rr....rr |
サービス名(1〜31文字の識別子) |
|
0xss....ss |
送信ID(16進数16けた) |
|
0xtt....tt |
リターンコード(16進数4けた以内) |
|
tt2....tt2 |
リターンコード(10進数5けた以内) |
|
uu....uu |
実際に送受信したデータ長 |
|
vv vv vv vv vv vv vv vv vv vv vv vv vv vv vv vv vvvvvvvvvvvvvvvv |
次に示すデータです。
|
|
wwww/ww/ww ww:ww:ww www.www |
MCPトレース情報の出力を再開した時刻 「年/月/日△時間:分:秒 ミリ秒.マイクロ秒」の形式で表示します。 |
|
yy....yy |
すべての出力バッファが使用中となり,その間にMCPトレース情報出力要求が発生したため,破棄したレコード数 |
|
zzzz/zz/zz zz:zz:zz zzz.zzz |
破棄を開始した時刻 「年/月/日△時間:分:秒 ミリ秒.マイクロ秒」の形式で表示します。 |
|
yy....yy2 |
破棄を開始したレコードを取得した中央処理通番 該当しない場合は0を表示します。 |
|
yy....yy3 |
破棄を開始したレコードを取得した受信ID 該当しない場合は0を表示します。 |
- ■-nオプションを指定した場合の標準出力
-
日本語と英字共通
EARLIEST TIME - LATEST TIME EARLIEST CPN - LATEST CPN FILE NAME xxxx/xx/xx xx:xx:xx xxx.xxx - yyyy/yy/yy yy:yy:yy yyy.yyy nnnnnnnn mmmmmmmm zzz0001 xxxx/xx/xx xx:xx:xx xxx.xxx - yyyy/yy/yy yy:yy:yy yyy.yyy nnnnnnnn mmmmmmmm zzz0002 : : :項番
表示名称
出力形式
1
xxxx/xx/xx xx:xx:xx xxx.xxx
出力したMCPトレース情報の中でいちばん古い起動時刻
出力対象のMCPトレース情報がない場合は
「****/**/** **:**:** ***.***」
を出力します。
2
yyyy/yy/yy yy:yy:yy yyy.yyy
出力したMCPトレース情報の中でいちばん新しい起動時刻
出力対象のMCPトレース情報がない場合は
「****/**/** **:**:** ***.***」
を出力します。
3
nnnnnnnn
出力したMCPトレース情報の中でいちばん値の小さい中央処理通番。16進数8けた※
出力対象のMCPトレース情報がない場合は
「********」
を出力します。
出力対象のMCPトレース情報の中央処理通番がすべて0x00000000の場合は
「********」
を出力します。
4
mmmmmmmm
出力したMCPトレース情報の中でいちばん値の大きい中央処理通番。16進数8けた※
出力対象のMCPトレース情報がない場合は
「********」
を出力します。
出力対象のMCPトレース情報の中央処理通番がすべて0x00000000の場合は
「********」
を出力します。
5
zzz
-cオプションに指定した出力ファイル名
- 注※
-
出力対象のMCPトレース情報の中央処理通番が0x00000000,0x00000001,0x00000002の三つの場合,nnnnnnnnに表示される値は0x00000001で,mmmmmmmmに表示される値は0x00000002となり,0x00000000がnnnnnnnn,mmmmmmmmに表示されることはありません。
出力メッセージ
|
メッセージID |
内容 |
出力先 |
|---|---|---|
|
KFSB91300-E |
メモリを確保できません。 |
標準エラー出力 |
|
KFSB91301-E |
コマンドの形式が不正です。 |
標準エラー出力 |
|
KFSB91302-E |
コマンドのオプションが不正です。 |
標準エラー出力 |
|
KFSB91303-E |
コマンドのオプションの組み合わせが不正です。 |
標準エラー出力 |
|
KFSB91308-E |
編集できないファイルタイプです。 |
標準エラー出力 |
|
KFSB91310-E |
ファイルのオープン処理で障害が発生しました。 |
標準エラー出力 |
|
KFSB91311-E |
ファイルからのリード処理で障害が発生しました。 |
標準エラー出力 |
|
KFSB91312-E |
ファイルへのライト処理で障害が発生しました。 |
標準エラー出力 |
|
KFSB91313-E |
ファイルのクローズ処理で障害が発生しました。 |
標準エラー出力 |
|
KFSB91314-E |
ファイルポインタの移動処理で障害が発生しました。 |
標準エラー出力 |
|
KFSB91315-Q |
-cオプションに指定したファイルはすでに存在します。 |
標準出力 |
|
KFSB91316-E |
指定したファイルに編集するデータがありません。 |
標準エラー出力 |
|
KFSB91317-E |
データの編集途中でファイルの終わりに達しました。 |
標準エラー出力 |
|
KFSB91344-I |
ヘルプメッセージ |
標準出力 |
|
KFSB91357-Q |
-cオプションに指定したファイルはすでに存在します。(-nオプション指定時) |
標準出力 |
注意事項
-
編集対象のレコードがない場合,ヘッダ情報だけを表示します。
-
サービス名,論理端末名およびコネクションIDを表示する場合,表示する内容がないときは,「*」を表示します。
-
該当MCPトレース情報がMCPトレースファイルに出力される以前のMCPトレース出力時刻の場合は,「*」を表示します。
-
MCPトレース情報に欠落があった場合,欠落したレコード数を表示します。欠落したレコード数が4294967295を超えた場合,4294967295と表示します。
-
CSVファイルに出力する場合,コンマで区切って出力します。10進数以外の場合,引用符「"」で囲んで出力します。
-
CSVファイルに出力する場合,標準出力に出力しません。
-
MCPトレース情報取得時に障害が発生した場合など,情報が取得できないときは,0を表示します。
-
ファイル名に指定できるコアファイルまたはメモリダンプファイルは,コマンド実行時の環境で作成されたファイルだけです。バージョン,および適用OSが異なる製品で作成したファイルは指定できません。
-
CSVファイルに出力する場合,ファイル作成バージョンは「ファイル作成バージョン:dd-dd-dd」の形式で出力されます。