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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/EE/Message Control Extension 使用の手引


付録F 用語解説

(英字)

CL連携

XTCとHAモニタの連携によって,高信頼性と高可用性を実現するクラスタリングのことです。

MCPトレース

MCPを使用して送受信したメッセージの状態に関する情報のうち,ユーザトレースの取得関数で取得した情報です。通常はイベント発生時の要求ごとに取得します。ただし,トランザクション実行中に要求された取得項目は,トランザクション終了時に一括して取得します。MCPトレースを編集,出力する場合は,MCPのコマンドを実行します。

OpenTP1管理者

OpenTP1を管理する,UNIX OSの利用者のことです。OpenTP1管理者をどの利用者名称とするかは,スーパユーザが決めます。OpenTP1管理者は,OpenTP1を使う上で重要な権限を持つユーザです。システムの機密保護上,利用者名称にはパスワードを必ず設定して,限られた人だけがOpenTP1管理者の利用者名称を使えるようにしてください。

RPC(Remote Procedure Call)

→リモートプロシジャコールの説明を参照してください。

SO_KEEPALIVE

OSが提供しているソケットオプションです。SO_KEEPALIVEを使用すると,コネクションがメッセージ送受信中でない場合に,相手システムに対して一定間隔でパケットを送信し,その間に応答がなければ障害と見なしてコネクションを切断します。この機能をキープアライブといいます。

ただし,キープアライブの仕様はOSの実装によって異なり,ネットワークの負荷を高める場合があります。そのため,コネクション障害を確実に検出したい場合だけ使用してください。

SO_REUSEADDR

OSが提供しているソケットオプションです。SO_REUSEADDRを使用すると,別のプロセスによって使用中のポートであっても,ポート番号を共用することで複数のプロセスで使用できるようなります。

SPP(Service Providing Program)

OpenTP1のUAPのうち,ファイルへのアクセスなどサーバの役割をするプログラムのことです。SPPは,クライアントUAPから要求されたサービスを実行するサービス関数と,サービス関数をまとめるメイン関数から構成されます。

TASKTM

TP1/EEが出力するトランザクションごとの統計情報です。トランザクションの開始からコミットまたはロールバックの間に,各スレッドで処理する事象発生回数や時間が,TASKTM情報としてファイルに格納されます。TASKTM情報を編集,出力する場合は,TP1/EEのコマンドを実行します。

TCP/IP

米国国防総省高等研究計画局(DARPA)のプロジェクトであるARPANETが開発したプロトコルのことです。TCP/IPプロトコルは,主にLANで使われます。TP1/EEでは,クライアント/サーバ形態の通信の通信プロトコルにTCP/IPを使用します。

TCP_NODELAY

OSが提供するソケットオプションです。TCP_NODELAYを使用すると,送信済みデータの応答待ちの状態でも遅延させることなくデータ送信できるようになります。

ただし,TCP_NODELAYの仕様はOSによって異なり,ネットワークの負荷を高める場合があります。TCP_NODELAYを使用する場合は,必要性を十分に検討した上で使用するようにしてください。

UAP(User Application Program)

ユーザの業務をプログラムとして作成したものです。アプリケーションプログラムともいいます。

UOC(User Own Coding)

メッセージ送受信のUAPをより多様な業務に対応させるためにユーザがコーディングするプログラムです。起動するアプリケーション名を決定したり,UAPが送信したメッセージを他システムに送信する前に編集できます。

(ア行)

アプリケーション

TP1/EEの業務処理の総称です。アプリケーションとして作成するプログラムをアプリケーションプログラム(またはユーザアプリケーションプログラム UAP)といいます。

(カ行)

コネクション

メッセージ送受信の業務で,ほかのシステムとOpenTP1システムとの間に確立する論理的な通信路をコネクションといいます。

コミット

トランザクションの同期点を取得できたことをコミットといいます。コミットできた場合,該当するトランザクション処理が有効となります。

(サ行)

サービス

クライアント/サーバシステムでは,クライアントから要求された手続きを総称してサービスといいます。UAPのコーディング時には,C言語の場合は関数として,COBOL言語の場合はサブルーチンとして,サービスを作成します。作成したサービスのことを,C言語の場合はサービス関数,COBOL言語の場合はサービスプログラムといいます。

サービスグループ

OpenTP1のサーバUAPは,クライアントからの手続き要求を処理するサービスの集合です。このことから,サーバUAPのことをサービスグループといいます。TP1/EEのリモートプロシジャコールの関数ee_rpc_callでは,サービスを要求するときにサービスグループ名とサービス名を引数に設定します。

システムサービス

TP1/EEの個々の機能を指してシステムサービスといいます。

スーパユーザ(superuser)

UNIX OSの最高権限を持つユーザのことです。UNIXファイルシステムのすべてのファイルに対してアクセス権を持ちます。スーパユーザの利用者名称はrootで固定されています。

(タ行)

トランザクション

ファイルからデータを読み出して,変更したデータを書き込む処理(更新処理)では,データの一貫性を保持するため,途中で分けられません。このような処理の単位をトランザクションといいます。トランザクションの処理結果は,有効にするか無効にするかのどちらかに必ず決められます。

(ナ行)

ノード

ネットワークでつながれた,TP1/EEやTP1/Server Baseが稼働する一つのコンピュータのことです。

(ハ行)

プロセス

ユーザサーバ,またはTP1/EEが,OSの作業領域を使用することで生成される作業領域の処理をプロセスといいます。

ホスト

ネットワークにつながれた,TP1/EEが稼働する一つの計算機のことです。

(マ行)

マルチスレッド

一つのアプリケーションがスレッドと呼ばれる処理単位を複数生成し,並行して複数の処理を行うことをマルチスレッドといいます。TP1/EEは,TP1/Server Base機能の一部をマルチスレッドで実現します。

メッセージログ

TP1/EEシステムの稼働状況に関する情報です。稼働状況を管理したり,障害発生時の切り分けをしたりするために取得します。メッセージログファイルは,TP1/EEの起動時に,TP1/EEのサービスグループごとにUNIXファイルとしてTP1/EEが作成します。

(ラ行)

リソースマネジャ(Resource Manager)

分散処理システムでの,資源を管理する機能の総称です。DBMSはリソースマネジャです。

リモートAPI機能

クライアント側のノードにあるUAPが呼び出したAPIを,TP1/EEのプロセスで代理実行する機能をリモートAPI機能といいます。リモートAPI機能を要求するクライアント側のノードにあるUAPをrapクライアントといいます。rapクライアントが呼び出したAPIをrapサーバで実行します。TP1/EEは,rapクライアントとしても,rapサーバとしても動作します。リモートAPI機能で代理実行できるAPIは,ee_rpc_call関数,およびdc_rpc_call関数です。dc_rpc_call関数は,TP1/EEがrapサーバとして動作する場合だけ使用できます。

リモートプロシジャコール(Remote Procedure Call)

UAPを実行するプロセス間で通信する機能を,リモートプロシジャコール(RPC)といいます。TP1/EEのUAPは,ほかのシステムのUAPとRPCで通信します。TP1/Server Baseのネームサービスで,サーバUAPがあるノードのネットワークアドレスとサービスグループ名を管理しているので,RPCを使用するときは,通信相手がクライアント/サーバシステムのどのノードのUAPかを意識する必要はありません。

ロールバック

トランザクション処理を無効にする同期点処理をロールバックといいます。UAPから関数を呼び出す場合と,TP1/EEからUAPの処理を無効にする場合があります。