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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/EE/Message Control Extension 使用の手引


eemcple(論理端末定義(UDP))

〈このページの構成〉

機能

UDPプロトコルを使用して通信する場合の論理端末に関する環境を定義します。

コマンドの形式

{{〔eemcple -l 論理端末名
            〔-i auto|manual〕
            〔-v 入力メッセージを受信した場合に起動する
                 エントリポインタ名に対応したサービス名〕
            〔-b "〔sndtim=メッセージ送信完了待ち時間〕"〕
            〔-s "〔syssndsize=システムのメッセージ送信バッファ長〕
                  〔sysrcvsize=システムのメッセージ受信バッファ長〕"〕
              -r "〔ipaddr=メッセージの送受信に使用するLANアダプタの
                           IPアドレス〕
                  〔hostname=メッセージの送受信に使用するLANアダプタの
                            ホスト名〕
                   portno=自システムのポート番号"
            〔-o "〔oipaddr=相手システムのホストのIPアドレス〕
                  〔ohostname=相手システムのホスト名〕
                    oportno=相手システムのホストのポート番号"〕
            〔-k "〔reuseaddr= yes|no〕"〕
            〔-m "〔multicast= yes|no〕
                  〔hostgroupaddr=マルチキャストメッセージの受信に使用する
                                  ホストグループのIPアドレス〕
                  〔hostgroupname=マルチキャストメッセージの受信に使用する
                                  ホストグループのホスト名〕
                  〔ripaddr=マルチキャストメッセージの受信に使用する
                            LANアダプタのIPアドレス〕
                  〔rhostname=マルチキャストメッセージの受信に使用する
                              LANアダプタのホスト名〕
                  〔multicastttl=送信するマルチキャストパケットの
                                 生存期間(TTL)〕"〕〕}}

オプションの説明

●-l 論理端末名

  〜〈1〜8文字の識別子〉

OpenTP1システム内で,一意となる論理端末名を指定します。

●-i auto|manual

  〜《manual》

オンライン開始時,および再開始時の論理端末の閉塞解除方法を指定します。

auto

オンライン開始時および再開始時に自動的に論理端末の閉塞が解除されます。

manual

eemcpactleコマンドの実行,またはee_mcp_actle関数の発行によって,手動で論理端末の閉塞を解除します。

●-v 入力メッセージを受信した場合に起動するエントリポインタ名に対応したサービス名

  〜〈1〜31文字の識別子〉

入力メッセージを受信した場合に起動するエントリポインタ名に対応したサービス名を指定します。TP1/EEサービス定義で定義したサービス名を指定してください。このオプションを省略した場合は,入力メッセージ編集UOCで指定してください。

●-b

(オペランド)

sndtim=メッセージ送信完了待ち時間

〜〈符号なし整数〉((0〜65535))《0》(単位:秒)

同一の論理端末に複数のUAP(スレッド)から同時に送信要求をする場合の送信完了待ち時間の最大時間を指定します。0を指定した場合は,無限に送信完了を待ちます。

●-s

(オペランド)

syssndsize=システムのメッセージ送信バッファ長

〜〈符号なし整数〉((1〜2147483647))(単位:バイト)

システムのメッセージ送信バッファ長を指定します。

送信メッセージ長が,システムのメッセージ送信バッファ長より大きい場合,送信が失敗する場合があります。送信に失敗した場合は,論理端末を閉塞し,エラーリターンします。そのため,このオペランドの指定値は,次の条件式を満たすことをお勧めします。

システムのメッセージ送信バッファ長 > 送信メッセージ長
sysrcvsize=システムのメッセージ受信バッファ長

〜〈符号なし整数〉((1〜2147483647))(単位:バイト)

システムのメッセージ受信バッファ長を指定します。

受信できるメッセージ長は,受信バッファ(IBF)サイズまでです。受信バッファサイズを超えるメッセージの場合は,受信バッファサイズに入りきらない部分が切り捨てられ,受信バッファサイズのメッセージとして扱います。また,受信メッセージ長が,システムのメッセージ受信バッファ長より大きい場合,メッセージはUDPプロトコルよって破棄される場合があります。したがって,このオペランドの指定値は,次の条件式を満たすことをお勧めします。

システムのメッセージ受信バッファサイズ >受信バッファサイズ > 受信メッセージ長

syssndsizeオペランドおよびsysrcvsizeオペランドで指定できるバッファ長の範囲はOSに依存します。指定を省略した場合は,OSのデフォルト値が仮定されます。詳しくは,ご使用のOSのマニュアルで,UDPプロトコルについて説明している個所を参照してください。

●-r

CL構成では,IPアドレスまたはホスト名と,ポート番号を実行系と待機系で同じ値にする必要があります。そのため,IPアドレスまたはホスト名には,必ずエイリアスIPアドレスを指定してください。

なお,IPアドレスの代わりにホスト名を指定する場合は,ホスト名とエイリアスIPアドレスの対応づけを/etc/hostsに指定するなどの対応が必要です。エイリアスIPアドレスの指定方法については,マニュアル「高信頼化システム監視機能 HAモニタ Linux(R)編」(OSがLinuxの場合),または「高信頼化システム監視機能 HAモニタ AIX(R)編」(OSがAIXの場合)を参照してください。

(オペランド)

ipaddr=メッセージの送受信に使用するLANアダプタのIPアドレス

〜(nnn.nnn.nnn.nnn)〈符号なし整数〉((0〜255))

自システムがホットスタンバイ構成である場合,または複数のLANアダプタを持つ場合に,メッセージの送受信に使用するLANアダプタのIPアドレスを指定します。

指定形式はnnn.nnn.nnn.nnnです。nnnには,0〜255の値を指定できます。ただし,0.0.0.0と255.255.255.255は指定できません。

ipaddrオペランドまたはhostnameオペランドのどちらか一方を指定してください。どちらも省略した場合は,OSが使用するLANアダプタが仮定されます。

マルチキャストおよびブロードキャストのメッセージ受信に使用する論理端末の場合,ipaddrオペランドを指定してはいけません。

マルチキャストのメッセージ受信時は,-mオプションのhostgroupnameオペランドまたはhostgroupaddrオペランドのどちらか一方を指定してください。

hostname=メッセージの送受信に使用するLANアダプタのホスト名

〜〈1〜255文字のホスト名〉

自システムがホットスタンバイ構成である場合,または複数のLANアダプタを持つ場合に,メッセージの送受信に使用するLANアダプタのホスト名を指定します。

hostnameオペランドまたはipaddrオペランドのどちらか一方を指定してください。どちらも省略した場合は,OSが使用するLANアダプタが仮定されます。ipaddrオペランドを指定した場合は,このオペランドの指定値は無視されます。

マルチキャストおよびブロードキャストのメッセージ受信に使用する論理端末の場合,hostnameオペランドを指定してはいけません。

マルチキャストのメッセージ受信時は,-mオプションのhostgroupnameオペランドまたはhostgroupaddrオペランドのどちらか一方を指定してください。

portno=自システムのポート番号

〜〈符号なし整数〉((1024〜65535))

メッセージ送受信に使用する,自システムのポート番号を指定します。

portnoオペランドで指定するポート番号は,重複を避けるため次のポート番号とは異なる値を指定してください。

  • ほかのeemcple(論理端末定義(UDP))定義コマンドの-rオプションで指定するポート番号

  • OSが任意に割り当てるポート番号(動的ポートまたは短命ポートと呼ばれるポート番号)

    OSが任意に割り当てる番号は,OSの種別やバージョンによって異なります。詳細については,ご使用のOSのマニュアルを参照してください。

●-o

(オペランド)

oipaddr=相手システムのホストのIPアドレス

〜(nnn.nnn.nnn.nnn)〈符号なし整数〉((0〜255))

ee_mcp_send関数(CBLEEMCP('SEND ')),およびee_mcp_sendsync関数(CBLEEMCP('SENDSYNC'))の相手システムのホストのIPアドレスを指定します。

指定形式はnnn.nnn.nnn.nnnです。nnnには,0〜255の値を指定できます。ただし,0.0.0.0および255.255.255.255は指定できません。

-oオプションを指定する場合は,oipaddrオペランドかohostnameオペランドのどちらか一方を指定してください。

ohostname=相手システムのホスト名

〜〈1〜255文字のホスト名〉

ee_mcp_send関数(CBLEEMCP('SEND ')),およびee_mcp_sendsync関数(CBLEEMCP('SENDSYNC'))の相手システムのホスト名を指定します。

-oオプションを指定する場合は,oipaddrオペランドかohostnameオペランドのどちらか一方を指定してください。oipaddrオペランドを指定した場合は,このオペランドの指定値は無視されます。

oportno=相手システムのホストのポート番号

〜〈符号なし整数〉((1〜65535))

ee_mcp_send関数(CBLEEMCP('SEND ')),およびee_mcp_sendsync関数(CBLEEMCP('SENDSYNC'))の相手システムのホストのポート番号を指定します。

●-k

(オペランド)

reuseaddr=yes|no

〜《no》

ソケットオプション「SO_REUSEADDR」を使用するかどうかを指定します。

SO_REUSEADDRを使用した場合は,複数のプロセスで同一のポート番号を共用できます。

yes

SO_REUSEADDRを使用します。

no

SO_REUSEADDRを使用しません。

●-m

CL構成では,IPアドレスまたはホスト名と,ポート番号を実行系と待機系で同じ値にする必要があります。そのため,IPアドレスまたはホスト名には,必ずエイリアスIPアドレスを指定してください。

なお,IPアドレスの代わりにホスト名を指定する場合は,ホスト名とエイリアスIPアドレスの対応づけを/etc/hostsに指定するなどの対応が必要です。エイリアスIPアドレスの指定方法については,マニュアル「高信頼化システム監視機能 HAモニタ Linux(R)編」(OSがLinuxの場合),または「高信頼化システム監視機能 HAモニタ AIX(R)編」(OSがAIXの場合)を参照してください。

(オペランド)

multicast=yes|no

〜《no》

マルチキャストを使用してメッセージを送受信するかどうかを指定します。

yes

マルチキャストを使用してメッセージを送受信します。

no

マルチキャストを使用してメッセージを送受信しません。

hostgroupaddr=マルチキャストメッセージの受信に使用するホストグループのIPアドレス

〜(nnn.nnn.nnn.nnn)〈符号なし整数〉((0〜255))

マルチキャストメッセージを受信する場合,参加するホストグループのIPアドレスを指定します。

指定形式はnnn.nnn.nnn.nnnです。nnnには,0〜255の値を指定できます。ただし,0.0.0.0と255.255.255.255は指定できません。

multicastオペランドにyesを指定した場合,hostgroupaddrオペランドまたはhostgroupnameオペランドのどちらか一方を必ず指定してください。

hostgroupname=マルチキャストメッセージの受信に使用するホストグループのホスト名

〜〈1〜255文字のホスト名〉

マルチキャストメッセージを受信する場合,参加するホストグループのホスト名を指定します。

multicastオペランドにyesを指定した場合,hostgroupnameオペランドまたはhostgroupaddrオペランドのどちらか一方を必ず指定してください。hostgroupaddrオペランドを指定した場合は,このオペランドの指定値は無視されます。

ripaddr=マルチキャストメッセージの受信に使用するLANアダプタのIPアドレス

〜(nnn.nnn.nnn.nnn)〈符号なし整数〉((0〜255))

自システムがホットスタンバイ構成である場合,または複数のLANアダプタを持つ場合に,マルチキャストメッセージの受信に使用するLANアダプタのIPアドレスを指定します。

指定形式はnnn.nnn.nnn.nnnです。nnnには,0〜255の値を指定できます。ただし,0.0.0.0と255.255.255.255は指定できません。

multicastオペランドにyesを指定した場合,ripaddrオペランドまたはrhostnameオペランドのどちらか一方を指定してください。どちらも省略した場合は,OSが使用するLANアダプタが仮定されます。

rhostname=マルチキャストメッセージの受信に使用するLANアダプタのホスト名

〜〈1〜255文字のホスト名〉

自システムがホットスタンバイ構成である場合,または複数のLANアダプタを持つ場合に,マルチキャストメッセージの受信に使用するLANアダプタのホスト名を指定します。

multicastオペランドにyesを指定した場合,rhostnameオペランドまたはripaddrオペランドのどちらか一方を指定してください。どちらも省略した場合は,OSが使用するLANアダプタが仮定されます。ripaddrオペランドを指定した場合は,このオペランドの指定値は無視されます。

multicastttl=送信するマルチキャストパケットの生存期間(TTL)

〜〈符号なし整数〉((0〜255))

マルチキャストメッセージ送信時のマルチキャストパケットの生存期間(TTL)を指定します。TTLのデフォルト値については,ご使用のOSのマニュアルで,定義ファイルについて説明している個所を参照してください。

注意事項

UDPプロトコルでマルチキャストおよびブロードキャストのメッセージ受信に使用する論理端末には,メッセージの送受信に使用するLANアダプタのIPアドレス(-rオプションのipaddrオペランドで指定),またはメッセージの送受信に使用するLANアダプタのホスト名(-rオプションのhostnameオペランドで指定)を指定しないでください。指定した場合,マルチキャストおよびブロードキャストのメッセージを受信できません。