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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Server Base Enterprise Option 使用の手引


付録B.2 レスポンス統計情報

〈この項の構成〉

(1) レスポンス統計情報の詳細

レスポンス統計情報の詳細を次の表に示します。

表B‒3 レスポンス統計情報の詳細

項目

詳細内容

RPC種別

統計情報を出力したノードから該当するサービスに対して呼び出したRPCの,種別ごとの呼び出し回数

レスポンスタイム

ee_rpc_call関数を呼び出してから応答メッセージを受信するまでの時間。ただし,次に示すとおり,時間はフラグによって異なります。

EENOFLAGS(同期応答型RPC):ee_rpc_call関数を呼び出してから応答メッセージを受信するまでの時間

EERPC_NOREPLY(非応答型RPC):取得しません。

サービス実行時間

サービス関数を実行してから応答メッセージを送信するまでの時間

サービス待ち時間

スケジュールキューに要求が入ってから取り出されるまでの時間

なお,レスポンス統計情報では,成功したRPCについてだけ回数を数えています。タイムアウトなどでエラーになったRPCについては回数に含みません。

(2) レスポンス統計情報の出力結果例

サービスの実行形態によって,レスポンス統計情報の出力結果が異なります。実行形態ごとの統計情報の例を次に示します。

(a) サービスの要求元とは別ノードにサービスがある場合

サービスの要求元とは別ノードにサービスがある場合の例を次の図に示します。

図B‒1 サービスの要求元とは別ノードにサービスがある場合の例

[図データ]

この図の各ノードで取得された統計情報を編集すると,出力結果は次のようになります。

●SPP Aの統計情報を編集した場合

[図データ]

注※1

0が入ります。

注※2

図B-1のt9−t3の値が入ります。

注※3

図B-1のt3−t2の値が入ります。

注※4

図B-1のt8−t4の値が入ります。

注※5

図B-1のt7−t6の値が入ります。

注※6

図B-1のt6−t5の値が入ります。

出力項目について説明します。

サービスグループAのサービスA
RPC種別ごとの件数

SPP AからサービスグループAのサービスAを1回も呼び出していないことを表しています。

レスポンスタイム

SUPがdc_rpc_callを呼び出して応答を受け取るまでの時間ですが,SPP Bの統計情報を編集しているため,この値は取得しません。そのため0が入ります。

サービス実行時間

サービスグループAのサービスAが処理を開始してから,応答送信をするまでの時間です。ただし,応答送信をした際の通信時間は含まれません。

サービス待ち時間

SUPからの要求が,処理キューに入ってから取り出されるまでの時間です。

サービスグループBのサービスB
RPC種別ごとの件数

SPP BからサービスグループBのサービスBに対して,同期応答型で1回呼び出したことを表しています。

レスポンスタイム

SPP Aがee_rpc_callを呼び出して応答を受け取るまでの時間です。

サービス実行時間

サービスグループBのサービスBが処理を開始してから,応答送信をするまでの時間です。ただし,応答送信をした際の通信時間は含まれません。

サービス待ち時間

SPP Aからの要求が,処理キューに入ってから取り出されるまでの時間です。

●SPP Bの統計情報を編集した場合

[図データ]

注※1

0が入ります。

注※2

図B-1のt7−t6の値が入ります。

注※3

図B-1のt6−t5の値が入ります。

出力項目について説明します。

RPC種別ごとの件数

SPP BからサービスグループBのサービスBを1回も呼び出していないことを表しています。

レスポンスタイム

SPP Aがee_rpc_callを呼び出して応答を受け取るまでの時間ですが,サービスグループBの統計情報を編集しているため,この値は取得できません。そのため0が入ります。

サービス実行時間

サービスグループBのサービスBが処理を開始してから,応答送信をするまでの時間です。ただし,応答送信をした際の通信時間は含まれません。

サービス待ち時間

SPP Aからの要求が,処理キューに入ってから取り出されるまでの時間です。

(b) 自ノード内でサービスを実行する場合

自ノード内でサービスを実行する場合の例を次の図に示します。

図B‒2 自ノード内でサービスを実行する場合の例

[図データ]

この図のノードで取得された統計情報を編集すると,レスポンス統計情報の出力結果は次のようになります。

[図データ]

注※1

0が入ります。

注※2

図B-2のt9−t3の値が入ります。

注※3

図B-2のt3−t2の値が入ります。

注※4

図B-2のt8−t4の値が入ります。

注※5

図B-2のt7−t6の値が入ります。

注※6

図B-2のt6−t5の値が入ります。

出力項目について説明します。

サービスグループAのサービスA
RPC種別ごとの件数

自ノードからサービスグループAのサービスAを呼び出していないことを表します。クライアントが同一ノード内であっても,クライアントの統計情報はSPP Aで取得しません。

レスポンスタイム

SUPがdc_rpc_callを呼び出して応答を受け取るまでの時間です。SUPがdc_rpc_callを呼び出して応答を受け取るまでの時間ですが,SPP Aの統計情報を編集しているため,この値は取得しません。そのため0が入ります。

サービス実行時間

サービスグループAのサービスAが処理を開始してから,応答送信をするまでの時間です。ただし,応答送信をした際の通信時間は含まれません。

サービス待ち時間

SUPからの要求が,処理キューに入ってから取り出されるまでの時間です。

サービスグループBのサービスB
RPC種別ごとの件数

自ノードからサービスグループBのサービスBに対して,同期応答型で1回呼び出したことを表しています。

レスポンスタイム

SPP Aがee_rpc_callを呼び出して応答を受け取るまでの時間です。

サービス実行時間

サービスグループBのサービスBが処理を開始してから,応答送信をするまでの時間です。ただし,応答送信をした際の通信時間は含まれません。

イベント数は,サービスA側とサービスB側で統計情報を取得するため,2となっています。

平均値についても,(サービスAの値+サービスBの値)÷2の値となっています。

サービス待ち時間

SPP Aからの要求が,スケジュールキューに入ってから取り出されるまでの時間です。

イベント数は,サービスA側とサービスB側で統計情報を取得するため,2となっています。