付録B.2 レスポンス統計情報
- 〈この項の構成〉
(1) レスポンス統計情報の詳細
レスポンス統計情報の詳細を次の表に示します。
項目 |
詳細内容 |
---|---|
RPC種別 |
統計情報を出力したノードから該当するサービスに対して呼び出したRPCの,種別ごとの呼び出し回数 |
レスポンスタイム |
ee_rpc_call関数を呼び出してから応答メッセージを受信するまでの時間。ただし,次に示すとおり,時間はフラグによって異なります。 EENOFLAGS(同期応答型RPC):ee_rpc_call関数を呼び出してから応答メッセージを受信するまでの時間 EERPC_NOREPLY(非応答型RPC):取得しません。 |
サービス実行時間 |
サービス関数を実行してから応答メッセージを送信するまでの時間 |
サービス待ち時間 |
スケジュールキューに要求が入ってから取り出されるまでの時間 |
なお,レスポンス統計情報では,成功したRPCについてだけ回数を数えています。タイムアウトなどでエラーになったRPCについては回数に含みません。
(2) レスポンス統計情報の出力結果例
サービスの実行形態によって,レスポンス統計情報の出力結果が異なります。実行形態ごとの統計情報の例を次に示します。
(a) サービスの要求元とは別ノードにサービスがある場合
サービスの要求元とは別ノードにサービスがある場合の例を次の図に示します。
この図の各ノードで取得された統計情報を編集すると,出力結果は次のようになります。
●SPP Aの統計情報を編集した場合
- 注※1
-
0が入ります。
- 注※2
-
図B-1のt9−t3の値が入ります。
- 注※3
-
図B-1のt3−t2の値が入ります。
- 注※4
-
図B-1のt8−t4の値が入ります。
- 注※5
-
図B-1のt7−t6の値が入ります。
- 注※6
-
図B-1のt6−t5の値が入ります。
出力項目について説明します。
- サービスグループAのサービスA
-
- RPC種別ごとの件数
-
SPP AからサービスグループAのサービスAを1回も呼び出していないことを表しています。
- レスポンスタイム
-
SUPがdc_rpc_callを呼び出して応答を受け取るまでの時間ですが,SPP Bの統計情報を編集しているため,この値は取得しません。そのため0が入ります。
- サービス実行時間
-
サービスグループAのサービスAが処理を開始してから,応答送信をするまでの時間です。ただし,応答送信をした際の通信時間は含まれません。
- サービス待ち時間
-
SUPからの要求が,処理キューに入ってから取り出されるまでの時間です。
- サービスグループBのサービスB
-
- RPC種別ごとの件数
-
SPP BからサービスグループBのサービスBに対して,同期応答型で1回呼び出したことを表しています。
- レスポンスタイム
-
SPP Aがee_rpc_callを呼び出して応答を受け取るまでの時間です。
- サービス実行時間
-
サービスグループBのサービスBが処理を開始してから,応答送信をするまでの時間です。ただし,応答送信をした際の通信時間は含まれません。
- サービス待ち時間
-
SPP Aからの要求が,処理キューに入ってから取り出されるまでの時間です。
●SPP Bの統計情報を編集した場合
- 注※1
-
0が入ります。
- 注※2
-
図B-1のt7−t6の値が入ります。
- 注※3
-
図B-1のt6−t5の値が入ります。
出力項目について説明します。
- RPC種別ごとの件数
-
SPP BからサービスグループBのサービスBを1回も呼び出していないことを表しています。
- レスポンスタイム
-
SPP Aがee_rpc_callを呼び出して応答を受け取るまでの時間ですが,サービスグループBの統計情報を編集しているため,この値は取得できません。そのため0が入ります。
- サービス実行時間
-
サービスグループBのサービスBが処理を開始してから,応答送信をするまでの時間です。ただし,応答送信をした際の通信時間は含まれません。
- サービス待ち時間
-
SPP Aからの要求が,処理キューに入ってから取り出されるまでの時間です。
(b) 自ノード内でサービスを実行する場合
自ノード内でサービスを実行する場合の例を次の図に示します。
この図のノードで取得された統計情報を編集すると,レスポンス統計情報の出力結果は次のようになります。
- 注※1
-
0が入ります。
- 注※2
-
図B-2のt9−t3の値が入ります。
- 注※3
-
図B-2のt3−t2の値が入ります。
- 注※4
-
図B-2のt8−t4の値が入ります。
- 注※5
-
図B-2のt7−t6の値が入ります。
- 注※6
-
図B-2のt6−t5の値が入ります。
出力項目について説明します。
- サービスグループAのサービスA
-
- RPC種別ごとの件数
-
自ノードからサービスグループAのサービスAを呼び出していないことを表します。クライアントが同一ノード内であっても,クライアントの統計情報はSPP Aで取得しません。
- レスポンスタイム
-
SUPがdc_rpc_callを呼び出して応答を受け取るまでの時間です。SUPがdc_rpc_callを呼び出して応答を受け取るまでの時間ですが,SPP Aの統計情報を編集しているため,この値は取得しません。そのため0が入ります。
- サービス実行時間
-
サービスグループAのサービスAが処理を開始してから,応答送信をするまでの時間です。ただし,応答送信をした際の通信時間は含まれません。
- サービス待ち時間
-
SUPからの要求が,処理キューに入ってから取り出されるまでの時間です。
- サービスグループBのサービスB
-
- RPC種別ごとの件数
-
自ノードからサービスグループBのサービスBに対して,同期応答型で1回呼び出したことを表しています。
- レスポンスタイム
-
SPP Aがee_rpc_callを呼び出して応答を受け取るまでの時間です。
- サービス実行時間
-
サービスグループBのサービスBが処理を開始してから,応答送信をするまでの時間です。ただし,応答送信をした際の通信時間は含まれません。
イベント数は,サービスA側とサービスB側で統計情報を取得するため,2となっています。
平均値についても,(サービスAの値+サービスBの値)÷2の値となっています。
- サービス待ち時間
-
SPP Aからの要求が,スケジュールキューに入ってから取り出されるまでの時間です。
イベント数は,サービスA側とサービスB側で統計情報を取得するため,2となっています。