11.6.7 ファイルの縮退
TP1/EEのトラブルシュートで使用するファイルに入出力障害が発生した場合,そのファイルの代わりに障害が発生していないファイルにトラブルシュートの情報が出力されます。障害が発生して使用できなくなったファイルの状態をファイルの縮退と呼びます。
トラブルシュートで使用するすべてのファイルが縮退した場合は,トラブルシュートの情報は出力されません。また,トラブルシュートの情報を格納するディレクトリが作成できない場合もトラブルシュートに必要な情報は出力されません。
縮退するおそれのあるファイルを次に示します。
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TASKTMファイル
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回線トレースファイル
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UAPトレースファイル
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XDBトレース情報ファイル
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MCPトレースファイル
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統計情報ファイル
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メモリダンプファイル
TP1/EEの正常開始時の初期化処理で,TASKTMファイル,回線トレースファイル,統計情報ファイル,およびメモリダンプファイルのうちのどれか一つのファイルが縮退した場合,TP1/EEはプロセスダウンします。つまり,すべてのファイルが正常の場合だけTP1/EEを正常開始できます。TP1/EEの正常開始時の初期化処理以外の場合は,TP1/EEは処理を続行します。
- 〈この項の構成〉
(1) ファイルの縮退の監視
入出力障害によってトラブルシュートで使用するファイルが縮退し,正常なファイルが2ファイル以下になっている間,KFSB45407-Wメッセージが出力され続けます。これによって,ファイルの縮退状況を把握し,すべてのファイルが縮退する前に対処できます。
KFSB45407-Wメッセージが出力される時間間隔はトラブルシュート関連定義のtrb_iso_interval_timeオペランドで指定します。なお,このオペランドに0を指定した場合,KFSB45407-Wメッセージは出力されません。
(2) ファイルの縮退からの回復
ファイルが縮退した原因を取り除いたあと,eetrbrcvrコマンドを実行することによって,ファイルの縮退状態から正常な状態に回復できます。