7.1.4 定義の規則
定義の基本事項と記述形式について説明します。
(1) 基本事項
(a) 定義ファイル
TP1/EEサービス定義ファイルは,環境変数DCCONFPATHまたはDCUAPCONFPATHに指定したディレクトリに格納してください。
TP1/EEサービス定義ファイル名は,環境変数EEDEFFILEに指定します。EEDEFFILEで指定したTP1/EEサービス定義ファイル名と,DCCONFPATHまたはDCUAPCONFPATHで指定したTP1/EEサービス定義ファイルの絶対パス名との文字列の合計が,1023文字以下になるようにしてください。
DCCONFPATH,およびDCUAPCONFPATHの両方が定義されていて,両方のディレクトリにTP1/EEサービス定義ファイルが格納されている場合は,DCCONFPATHに指定されたディレクトリ下のTP1/EEサービス定義ファイルが有効になります。
DCCONFPATH,およびDCUAPCONFPATHの両方が定義されていて,DCCONFPATHに指定されたディレクトリ下にTP1/EEサービス定義ファイルが格納されていない,または該当するファイルのオープンに失敗した場合は,DCUAPCONFPATHに指定したディレクトリ下のTP1/EEサービス定義ファイルが有効になります。
DCCONFPATH,およびDCUAPCONFPATHの両方が定義されていて,両方のディレクトリにTP1/EEサービス定義ファイルが格納されていない,または該当ファイルのオープンに失敗した場合は,TP1/EEを起動できません。システムは,プロセスダウンします。
同一ノードで複数のTP1/EEを動作させる場合
同一ノードで複数のTP1/EEが動作するシステム構成では,それぞれのTP1/EEに定義ファイルを作成します。同一ノードで複数のTP1/EEが動作する場合,すべてのTP1/EEの定義ファイルを,同じディレクトリに格納してください。また,定義ファイルの名称は同一ノード内で一意の名称にしてください。
同一ノードで複数のTP1/EEが動作する場合,TP1/EEごとに異なる指定値にする必要があるTP1/EEサービス定義を,次の表に示します。
定義 |
オペランド/コマンド |
定義内容 |
---|---|---|
プロセス関連定義 |
service_group |
サービスグループ名 |
cmd_port |
コマンド受信用のポート番号 |
|
RPC関連定義 |
rap_listen_port |
リモートAPI受信用のポート番号 |
rap_client_manager_port |
rapクライアントマネジャ機能での受信用ポート番号 |
|
サービスグループ情報関連定義 |
mysvgdef |
自サービスグループ情報 |
myreplydef |
自サービスグループ応答情報 |
(b) 記述順序
TP1/EEサービス定義の,定義間の記述順序は任意です。
TP1/EEサービス定義の定義形式には,set形式,およびコマンド形式があります。どちらの定義形式も同一定義ファイルに格納します。set形式,コマンド形式の記述順序は任意です。
定義情報はテキストエディタでメンテナンスできます。ただし,オンラインで使用中の定義を変更または削除しないでください。定義を変更または削除した場合,そのオンラインの動作は保証できません。定義を変更する手順については,「7.3 TP1/EEシステムの定義の変更」を参照してください。
(2) 記述形式
(a) set形式
set形式ではオペランドに値を設定します。
- 形式
-
set オペランド=値
set形式のオペランドのうち,複数の値を指定できないオペランドで,指定値のあとにスペースが入力され,その後ろに文字が記述してあった場合は,スペース以降はコメントと認識されます。
(b) コマンド形式
コマンド形式では次の形式に従ってオプションを設定します。
- 形式
-
コマンド名 オプション
用語の定義
コマンド名:コマンド名称です。
- オプション:マイナス記号で始まる文字列です。
-
引数を取らない形式1と引数を必要とする形式2の二つがあります。
形式1 -オプションフラグ
形式2 -オプションフラグ フラグ引数
- (凡例)
-
オプションフラグ:マイナス記号に続く1文字の英数字です。英大文字と英小文字とは区別します。
フラグ引数:オプションフラグに対する文字列です。
(c) コメント
コメントを記入する場合は,コメントの先頭に「#」を記述してください。行の先頭に「#」を記述すると1行全体がコメント扱いになります。
形式1 定義の記述 #コメント・・・・・・
形式2 #コメント・・・・・・・
形式1の場合,コメント文字「#」の前にスペースを入力してください。
コメント文字「#」がある行は,「#」以降の文字列がすべてコメントとして認識されます。そのため,継続させたい行(「\」を付ける行)には,コメントを記入できません。ただし,引用符で囲んだ文字列の中に「#」がある場合は,「#」および「#」以降の文字列は,文字として認識されます。
コメント文字の使用例を次に示します。
- 「#」および「#」以降がコメントとして認識される例
#abc set△service_group=srvgrp01△#abc
- 「#」および「#」以降も文字として認識される例
set△service_group=srvgrp01#abc set△service_group="srvgrp01=srvgrp02#abc" set△service_group="srvgrp01=srvgrp02△#abc"
(d) 行の継続
定義の1行の長さは最大80文字です。80文字を超える指定の場合は,複数行に分けて記述してください。
行を継続させるには,行の末尾に継続文字「\」を記述し,その直後で改行してください。継続文字「\」と改行(「\n」)が連続していない場合は,継続されません。継続行の先頭にスペースがある場合は,スペースも含めて継続されます。
ただし,ユーザサービス関連定義のserviceオペランドの引用符で囲まれている指定値など,スペースを入力できない位置で行を継続させた場合は,先頭にスペースがあるとエラーになります。
連続した「\」の次が改行(「\n」)の場合は,連続した「\」の最後の「\」が継続文字として認識されます。それ以前の「\」はすべて文字として認識されます。そのため,80文字目に文字としての「\」は使用できません。80文字目に文字としての「\」を使用したい場合は,次に示すどちらかの方法で記述してください。
-
80文字目に「\」を記述し,その直後で改行してください。次の行には,「\△\n」(「\」,スペース,改行の順)と記述してください。
-
80文字目より前で「\」を記述し,その直後で改行してください。次の行には,続きの文字を記述してください。
文字列の最後の「\」を文字として認識させたい場合は,「\」の後ろにスペースを入力してください。
(e) 注意事項
-
改行コード(「\n」)はLFだけを記述できます。CR+LFやCRは記述できません。
-
ASCII文字だけを記述できます。ASCII文字以外は記述できません。
-
複数の値を指定できない定義の場合,一つ目の指定値のあとに,文字列やコンマ「,」などがあったときは,エラーまたは警告になります。エラーまたは警告になる定義例を次に示します。
エラーになる例
set△service_group="srvgrp01"abc set△service_hold="Y"N
警告が出る例
set△service_group=srvgrp01, set△service_group=srvgrp01, srvgrp02 set△service_group="srvgrp01", set△service_hold=Y, set△service_hold=Y, C set△service_hold="Y", N
複数の値を指定できない定義に二つ以上の値が指定してあるか,またはオペランドが複数回指定してあったため警告が出た場合,その後の処理では一つ目の指定値が有効になります。一つ目の指定値が不正な場合は,二つ目以降の指定値が正常でも,エラーになります。一つ目の指定値が正常な場合は,二つ目以降の指定値が不正でも,一つ目の指定値が有効になるため,処理は続行されます。ただし,オペランドが複数回指定してある場合で,二つ目以降の定義形式が不正なとき(指定値がない,オペランドと指定値の間の「=」がないなど)は,エラーになります。
-
set形式を記述する場合は,「△set△オペランド△=△指定値△,△指定値」という形式で記述してください。ただし,setの前,「=」前後,および指定値を区切るコンマ「,」の前後には,スペースを入力しなくても記述できます。
-
コマンド形式のフラグ引数を持たないオプションフラグ(-a,-bなど)は,「-ab」のように指定できません。オプションフラグの指定順序は任意です。定義にはコマンド名,オプションフラグ,フラグ引数以外はスペースだけを記述してください。フラグ引数で指定値をコロン「:」またはコンマ「,」で区切る場合は,「:」,「,」の前後にスペースを入力しないでください。フラグ引数として識別子,英数字列を指定する場合は,フラグ引数を引用符で囲まないでください。フラグ引数として文字列を指定する場合は,フラグ引数を引用符で囲んでください。