Hitachi

OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Server Base Enterprise Option 使用の手引


3.7.6 回線トレースファイルとTASKTMファイルの関連づけ

注意事項

MCPをご利用の場合は,説明中の"回線トレースファイル"を"MCPトレースファイル"に置き換えてお読みください。

メッセージ受信時に取得する回線トレースファイルと,メッセージ受信後にトランザクションを起動して取得するTASKTMファイルに,それぞれ受信IDを出力することができます。この受信IDを基に,回線トレースファイルとTASKTMファイルのレコードを関連づけることで,受信したメッセージがどのトランザクションを起動したものなのかを結び付けられます。結び付けた情報は,障害対策などに利用できます。

受信IDは符号なし4バイト型で,受信スレッド通番とメッセージ通番から構成されます。受信スレッド数別に,受信IDの構成を次に示します。

全プロトコルの受信スレッド数の合計が255以下の場合

受信スレッド通番:上位1バイト(1〜255)

メッセージ通番:下位3バイト(1〜16777215)

全プロトコルの受信スレッド数の合計が256以上の場合

受信スレッド通番:上位2バイト(1〜65535)

メッセージ通番:下位2バイト(1〜65535)

なお,受信スレッドが管理するメッセージ通番の単位は,使用するプロトコルによって異なります。UDPプロトコルの場合は送信元のスレッド単位,それ以外のプロトコルの場合はコネクション単位となります。

以降,回線トレースファイルとTASKTMファイルのレコードを関連づけるために必要な設定と,関連づけのパターンについて説明します。

〈この項の構成〉

(1) 関連づけに必要な定義,およびコマンドオプション

関連づけをするために,次の定義を指定します。

また,次のコマンドにオプションを指定し,実行します。

(2) 関連づけのパターン

回線トレースファイルとTASKTMファイルに出力される,受信IDの関連づけのパターンは複数あります。ここでは,それぞれのパターンについて説明します。

(a) パターン1(1:1)

出力される受信IDの対応が,1対1の場合の例を示します。

図3‒51 関連づけのパターン1(1:1)

[図データ]

この例では,目的の受信IDに該当する回線トレースファイルとTASKTMファイルのレコードが,それぞれ1行ずつあります。

(b) パターン2(1:n)

出力される受信IDの対応が,回線トレースファイルでは1レコード,TASKTMファイルでは複数レコードの場合の例を示します。nは2以上の整数です。

図3‒52 関連づけのパターン2(1:n)

[図データ]

この例では,回線トレースファイルの目的の受信IDを含むレコードが1行であるのに対し,TASKTMファイルの対応するレコードが2行です。

(c) パターン3(n:1)

出力される受信IDの対応が,回線トレースファイルでは複数レコード,TASKTMファイルでは1レコードの場合の例を示します。nは2以上の整数です。

図3‒53 関連づけのパターン3(n:1)

[図データ]

この例では,回線トレースファイルの目的の受信IDを含むレコードが2行であるのに対し,TASKTMファイルの対応するレコードが1行です。

(d) パターン4(n:m)

出力される受信IDの対応が,回線トレースファイルとTASKTMファイルのレコードでそれぞれ複数行にわたる場合の例を示します。nおよびmは2以上の整数です。

図3‒54 関連づけのパターン4(n:m)

[図データ]

この例では,目的の受信IDに該当する回線トレースファイルとTASKTMファイルのレコードが,それぞれ2行ずつあります。