3.7.4 定義事前チェック機能
定義事前チェック機能を使用すると,TP1/EEを稼働する前に,定義の構文チェックをしたり,定義の論理チェックをして必要なメモリ領域を確保したりすることによって,該当する定義でTP1/EEを稼働できるかどうかを判定できます。
定義事前チェック機能は,eedefchkコマンドに,チェック対象となるTP1/EEサービス定義ファイル名およびチェックレベルを指定して実行します。チェック結果は,メッセージとして標準出力に出力します。ここで出力されるメッセージは,TP1/EEの初期化処理中の定義チェック処理で出力されるメッセージと同じです。
チェックレベルには,定義構文チェックと定義詳細チェックがあります。それぞれのチェックレベルについて説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) 定義構文チェック
定義構文チェックでチェックできる内容を次に示します。
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記述のフォーマットチェック
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指定値の妥当性のチェック
指定値の範囲が正常かどうか,不正な文字を使用していないかどうか,関連する定義で指定値の整合性が保たれているかどうかなどのチェックです。
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必ず指定する値の有無チェック
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オペランドの二重定義チェック
複数回指定できないオペランドを複数回指定していないかどうかのチェックです。
これらのチェック内容は,1回のチェックですべてのオペランドに対してチェックできます。
定義構文チェックを実行するには,次に示す準備が必要です。
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チェック対象となる定義ファイルの作成
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環境変数DCDIRの設定
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TP1/EEのインストール
(2) 定義詳細チェック
定義詳細チェックでは,定義構文チェックで実行するチェック内容に加えて,定義の指定値間の詳細な論理チェックを実行します。定義詳細チェックを実行すると,TP1/EEの初期化処理時に実行する定義チェックと同じチェックを実行したあとで,メモリ領域を確保します。
定義詳細チェックでチェックできる内容を次に示します。
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定義構文チェックで実行するチェック
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複数のオペランド間にわたる指定内容の論理チェック
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指定内容の重複チェック
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定義コマンドの指定数の上限チェック
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UAP共用ライブラリの存在確認チェック
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指定したホスト名のアドレス解決チェック
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メモリの確保が可能かどうかのチェック
定義詳細チェックの結果ではメモリの確保が可能でも,TP1/EE起動時にメモリの確保が可能であることは保証しません。
これらのチェックを実行したあとで,定義の内容に基づいて実際に確保したメモリ領域のサイズに共用ワーク領域分のサイズを足した値を表示します。
定義詳細チェックを実行するには,次に示す準備が必要です。
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チェック対象となる定義ファイルの作成
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環境変数DCDIRの設定
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TP1/EEのインストール
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メモリ関連定義のmax_mem_sizeオペランドで指定したサイズの空きメモリの確保
チェックの実行環境がmax_mem_sizeオペランドで指定したサイズのメモリを確保できない環境設定になっている場合は,ulimitコマンドや環境変数LDR_CNTRLを使用してリソースの使用制限を変更してください。
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UAP共用ライブラリの作成