[グリッド実行定義]ダイアログボックス
[グリッド実行定義]ダイアログボックスは,グリッド実行ジョブの詳細を定義するためのダイアログボックスです。
[グリッド実行定義]ダイアログボックスを次の図に示します。
表示項目について説明します。
- [グリッドプロパティ名]
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グリッドプロパティ名を30byte以内の記号名称(英字,数字,@,#,_)で指定します。
指定を省略した場合(空白を指定した場合),JP1/AJS3 のジョブ名(AJSJOBNAME環境変数)から先頭の「/」と「/を含むグリッド実行定義のユニット名」を除いた文字列が仮定されます。また,単語を区切る「/」は「@」に変換されます。uGPS - ManagerがWindows環境の場合,記号「-」,「"」,「*」,「<」,「>」,「?」,「\」,および「|」は,「_」に変換されます。
- 例
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「/a/b/c/グリッド実行定義のユニット名」は「a@b@c」となります。
仮定した文字列が30byteを超える場合,「/」で区切られた単語を後ろから連結して30byte以内の文字列が仮定されます。
- 例
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「/a/15byteの文字列/20byteの文字列/グリッド実行定義」は,「20byteの文字列」となります。
グリッドジョブネットに含まれるすべてのカスタムジョブ(グリッド開始ジョブ,グリッド実行ジョブ,およびグリッド終了ジョブ)に,同じグリッドプロパティ名を指定してください。
なお,グリッド実行ジョブは,グリッド開始ジョブを実行したあとで動作するように定義してください。
- [グリッドジョブ管理ホスト名]
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グリッドジョブ管理ホストのホスト名を31byte以内の文字列で指定します。グリッドジョブ管理ホスト名には,ジョブマネージャSPPを実行するホスト名を指定します。デフォルトは空白です。
グリッドジョブ管理ホストは,JP1/AJS3 - Agentの実行エージェントと同じホスト(グリッドクライアント実行ホストと同じホスト)としてください。指定を省略した場合(空白を指定した場合),グリッドクライアント実行ホストはhostnameコマンドで表示されるホストをグリッドジョブ管理ホストとして実行要求をします。
- [グリッドジョブ名]
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グリッドジョブ名を30byte以内の記号名称(英字,数字,@,#,_)で指定します。デフォルトは空白です。指定を省略した場合(空白を指定した場合),ユニット名が仮定されます。グリッドジョブ名は,ユニット名と同一の名前にすることで,ジョブの管理が容易になります。
- [先行グリッドジョブ実行結果]
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同一のグリッドプロパティ名を指定した先行グリッドジョブの,サブジョブの終了状態を参照するかどうかを指定します。デフォルトは,[参照する]がチェックされています。サブジョブの終了状態については,「9.5 終了コード」を参照してください。
[参照する]をチェックした場合,直前のグリッドジョブを先行グリッドジョブとしてサブジョブの終了状態が参照されます。この場合,異常終了したサブジョブと同一のデータ識別子を処理するサブジョブは実行されません。
[参照する]のチェックを外した場合は,すべてのサブジョブが実行されます。
- [同時実行サブジョブ数]
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同時に実行するサブジョブ数を制限する場合に指定します。指定できる値の範囲は,1〜4095です。デフォルトは空白です。指定を省略した場合(空白を指定した場合),データ配置情報に従って分割したすべてのサブジョブが同時に実行されます。ただし,実行ノードが処理できるサブジョブ数の上限を超えたサブジョブは実行されません。このため,実行ノードが処理できるサブジョブ数の上限以下を指定してください。
- [サブジョブ数しきい値]
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- [警告しきい値]
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グリッドジョブの警告終了を判断するための,警告終了したサブジョブ数のしきい値を0〜4095の範囲で指定します。デフォルトは0です。
指定を省略した場合(空白を指定した場合),サブジョブ数の最大値が仮定されます。すべてのサブジョブが警告終了したときだけ,グリッドジョブは終了コード30以上で終了します。
4095を指定した場合は,警告しきい値は無効になります。
- [異常しきい値]
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一定数以上のサブジョブが異常終了したことをグリッドジョブの終了コードに反映したい場合にサブジョブ数のしきい値を0〜4095の範囲で指定します。デフォルトは0です。
指定したサブジョブ数のしきい値とサブジョブの実行結果が比較されて,異常終了したサブジョブが指定したしきい値を超えていると,グリッドジョブの終了コードが60以上とされます。
指定を省略した場合(空白を指定した場合),サブジョブ数の最大値が仮定されます。すべてのサブジョブが異常終了したときだけ,グリッドジョブの終了コードが60以上とされます。
4095を指定した場合は,異常しきい値は無効になります。
- [スクリプトファイル名]
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分割後のデータを処理する実行ノード上のスクリプトファイル名のフルパスを511byte以内の文字列で指定します。この指定は省略できません。
パラメータを指定する場合,スクリプトファイル名,空白,パラメータの順で入力してください。スクリプトファイル名やパラメータが空白を含む場合は,それぞれを「"」(ダブルクォーテーション)で囲む必要があります。
- BJEXを使用する場合
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BJEXを使用するために,次のように指定します。
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LinuxまたはAIXの場合
/opt/hitachi/bjex/bin/bjexec ジョブ定義XMLファイルのパス名
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Windowsの場合
<BJEXのインストール先フォルダ>\bin\bjexec ジョブ定義XMLファイルのパス名
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- JP1/ASを使用する場合
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JP1/ASを使用するために,次のように指定します。
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LinuxまたはAIXの場合
/opt/jp1as/bin/adshexec ジョブ定義スクリプトファイルのパス名
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Windowsの場合
<JP1/ASのインストール先フォルダ>\bin\adshexec ジョブ定義スクリプトファイルのパス名
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指定したファイルはジョブの実行までに実行ノード上に用意してください。実行するスクリプトファイルは,サブジョブとして分散されて実行します。サブジョブが処理データを識別できるようにするために,スクリプトファイル内では,UGPSM_DATAID環境変数を参照して処理データを区別するようにしてください。
- [環境変数]
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スクリプト(サブジョブ実行プログラム)に渡す環境変数を指定します。
サブジョブ実行プログラムの起動時には,uGPS - ManagerがLinuxまたはAIX環境では各実行ノードのジョブ実行ユーザの環境変数が有効になり,Windows環境にでは各実行ノードのノードマネージャデーモンのアカウントが持つ環境変数が有効になりますが,ここで指定した環境変数が上書きして追加されます。デフォルトは空白です。この指定は省略できます。
追加する環境変数は,15,000byte以内の文字列で定義します。環境変数を指定する方法については,「環境変数の指定方法」を参照してください。
- [実行ノード]
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先行グリッドジョブと同じ実行ノードでサブジョブを実行するかどうかを指定します。
[先行グリッドジョブと同じ]をチェックすると,先行グリッドジョブで実行した実行ノードでサブジョブが実行されます。[先行グリッドジョブと同じ]のチェックを外した場合は,先行グリッドジョブで実行した実行ノード以外でもサブジョブが実行されます(実行ノード選択機能に従って実行されます)。
[先行グリッドジョブ実行結果]と[実行ノード]の2つのチェックボックスの組み合わせによって,サブジョブの実行ノードが変化します。その関係を次の表に示します。
表7‒3 [先行グリッドジョブ実行結果]・[実行ノード]の組み合わせとサブジョブの実行ノードの関係 データ配置情報の指定
[実行ノード]
[先行グリッドジョブ実行結果]
チェックする
チェックを外す※
FORMATIDが0101または0201の場合
チェックする
先行グリッドジョブと同じ実行ノードでサブジョブが実行されます。
先行グリッドジョブを実行した実行ノードでエラーが発生した場合は,別ノードは選択されません。
データ配置情報の先頭の実行ノードでサブジョブが実行されます。
先頭の実行ノードでエラーが発生した場合は,別ノードは選択されません。
チェックを外す
先行グリッドジョブで実行した実行ノードが優先的に選択されます。
先行グリッドジョブを実行した実行ノードでエラーが発生していない場合でも,後続ノードが選択されるときがあります。
データ配置情報の先頭の実行ノードから順にサブジョブが実行されます。
先頭の実行ノードでエラーが発生していない場合でも,後続ノードが選択されるときがあります。
FORMATIDが0102または0202の場合
チェックする
先行グリッドジョブで実行した実行ノードでだけ,実行されます。
先行グリッドジョブを実行した実行ノードでエラーが発生した場合は,後続ノードで実行されます。
データ配置情報の先頭の実行ノードでだけ,サブジョブが実行されます。
先頭の実行ノードでエラーが発生した場合は,後続ノードで実行されます。
チェックを外す
- [終了コードしきい値]
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- [警告しきい値]
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サブジョブの終了コードをサブジョブの警告終了と判断するために使用するしきい値(警告終了しきい値)を,0〜2147483647の範囲で指定します。デフォルトは空白です。
指定したしきい値とスクリプトファイル(サブジョブ実行プログラム)の戻り値が比較されて,戻り値がしきい値を超えていると,サブジョブが警告終了したと判断されます。
- [異常しきい値]
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サブジョブの終了コードを異常終了と判断するために使用するしきい値(異常終了しきい値)を0〜2147483647の範囲で指定します。デフォルトは0です。この指定は省略できません。
指定したしきい値とスクリプトファイル(サブジョブ実行プログラム)の戻り値が比較されて,戻り値がしきい値を超えていると,サブジョブが異常終了したと判断されます。
0を指定した場合は,サブジョブの終了コードが0以外であれば,異常終了と見なされます。異常終了したサブジョブが1つでもある場合,グリッドジョブの終了コードは50以上になります。
- [保留設定]
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サブジョブに保留属性を設定,または設定をクリアします。
- [設定]
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サブジョブに保留属性を設定する場合にクリックします。
- [設定クリア]
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サブジョブから設定済みの保留属性をクリア(解除)する場合にクリックします。
- 〈このページの構成〉
環境変数の指定方法
環境変数の指定例を次に示します。
環境変数名1=ABCD(改行) 環境変数名2=EFGH(改行)
環境変数を指定する方法と,指定するときの注意事項は次のとおりです。
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環境変数名は,行の先頭から記述してください。
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環境変数を複数指定する場合は,「環境変数名=値」ごとに改行文字で区切ってください。
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「/」と「改行」は2byteとなります。
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「環境変数名=値」の形式以外の文字列を指定しないでください。ジョブを実行するホスト側のOSによってはジョブが異常終了する場合があります。
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値は,「=」以降から改行文字までを1つとします。
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次に示す環境変数は,システムで予約しているため,大文字・小文字に関係なく使用しないでください。
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「UGPSM」から始まる環境変数(例:UGPSMxxxx(xxxxは任意の文字列))
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「JP1」から始まる環境変数(例:JP1xxxx(xxxxは任意の文字列))
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「AJS」から始まる環境変数(例:AJSxxxx(xxxxは任意の文字列))
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次に示す環境変数は指定しないでください。
HOME,SHELL,LANG,LOGNAME,MAIL,PATH
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値に環境変数を参照する指定はできません。
例えば,次の場合,環境変数「xyz」には「$abc」がそのまま文字列として設定されます。
abc=1 xyz=$abc
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「/」が含まれるマクロ変数を指定する場合は,あらかじめ「/」を「//」に置き換えておく必要があります。
- 注意事項
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各項目で指定可能なバイト数は,JP1/AJS3 - Viewで使用する文字コード(Shift-JIS)とグリッドクライアント実行ホストで使用する文字コードで計算する必要があります。