bjexrmjob(HOLD状態またはエラー状態のスプールジョブの削除(一般ユーザ用))
形式
- 日数または時間数およびジョブ識別子で指定する場合
bjexrmjob [-h 論理ホスト名] {-T 日数 | -H 時間数} [-f[-a 秒数]] [ジョブ識別子… | ジョブ識別子:ジョブ識別子]
- ジョブ識別子で指定する場合
bjexrmjob [-h 論理ホスト名] [-f[-a 秒数]] { ジョブ識別子… | ジョブ識別子:ジョブ識別子 }
- 日数または時間数およびジョブ名で指定する場合
bjexrmjob [-h 論理ホスト名] {-T 日数 | -H 時間数} [-f[-a 秒数]] -J [ジョブ名… | ジョブ名ワイルドカード]
- ジョブ名で指定する場合
bjexrmjob [-h 論理ホスト名] [-f[-a 秒数]] -J { ジョブ名… | ジョブ名ワイルドカード }
機能
スプールジョブを削除する。
強制削除ではスプールジョブを削除し,そのディレクトリとともに削除する。
強制削除を指定しない場合,出力保留状態のスプールジョブを削除する。スプールジョブのディレクトリ下にSYSOUTデータ,スプールジョブ管理ファイル以外を不当に作成している場合,そのファイルは削除しない。このようなスプールジョブは削除できないため,エラー状態に移行する。強制削除を指定した場合,不当なファイルがあっても削除する。
エラー状態のスプールジョブを削除する場合は,強制削除の指定をする。この場合,スプールジョブのディレクトリ下のファイルはすべて削除する。
オプション
- -h 論理ホスト名 〜<英字と数字と-(ハイフン)>((1〜244))
-
バッチジョブ実行システムの論理ホストで運用している場合に指定する。設定ファイルとして/opt/hitachi/bjex/conf/bjex_論理ホスト名.confを読み込み実行する。
- -T 日数 〜<1〜2けたの10進数>((0-99))
-
指定日数以前の日に実行したジョブのスプールジョブを削除する。実行した日の判定はジョブ実行開始時刻で判断する。
強制削除でジョブ実行開始時刻が求まらない場合は,スプールジョブファイルまたはディレクトリの最終更新時刻で判定する。2月2日に-T1を指定した場合,2月1日 23:59:29以前が対象となる。
- -H 時間数 〜<1〜2けたの10進数>((0-96))
-
指定時間数以前の時刻に実行したジョブのスプールジョブを削除する。実行した時刻の判定はジョブ実行開始時刻で判断する。
2月2日10:15:00に-H1を指定した場合,2月2日 09:14:59以前が対象となる。
- -f
-
このオプションを指定した場合,スプールジョブの状態に関係なくスプールジョブディレクトリがあればスプールジョブを削除する。実行中のジョブに対して指定しないように注意が必要であり,一般的には障害などで管理から漏れたスプールジョブまたはエラー状態のスプールジョブの削除に使用する。
エラー状態のスプールジョブはSYSOUTデータファイル以外のファイルを作成し,スプールジョブのディレクトリが削除できない状態のスプールジョブである。強制終了時にはこれらのSYSOUTデータファイル以外のファイルも消去してスプールジョブを削除する。
このオプションを省略した場合,出力保留状態のスプールジョブを削除する。この場合,SYSOUTデータファイル以外のファイルがスプールディレクトリに存在すると,そのファイルは削除しないで,スプールジョブはエラー状態となる。
- -a 秒数 〜<1〜3けたの10進数>((0-999))《30》
-
ジョブの強制削除時に有効な値であり,スプールディレクトリ,スプールジョブ管理ファイルの最終更新時刻が現在から指定秒数前の場合,ジョブ実行中として削除対象としない。
スプールジョブファイル,ディレクトリの最終更新時刻はジョブ実行時とは異なりスプールジョブの操作を行うと更新される。例えば,bjexchjobコマンドで属性変更すると更新される。
- -J
-
処理対象をジョブ名で指定する場合に指定する。この指定がない場合,ジョブ識別子オプションで指定する。
- ジョブ識別子 〜<10進数>((1〜999999))
-
削除するジョブ識別子を指定する。
-Tオプションや-Hオプションを指定しない場合,ジョブ識別子,ジョブ名,またはジョブ名ワイルドカードのどれかの指定が必要である。
このオプションの指定形式には次に示す2つの方法がある。なお,両方の指定形式は混在できない。
-
ジョブ識別子△※
空白で区切って複数指定できる。
注※ △は空白を示す。
-
ジョブ識別子:ジョブ識別子
1回だけ指定できる。
"ジョブ識別子:ジョブ識別子"の形式で指定した場合,左に指定したジョブ識別子から右に指定したジョブ識別子までの範囲を処理対象とする。
また,左のジョブ識別子は右のジョブ識別子よりも等しいかまたは小さくする必要がある。
-
- ジョブ名 〜<記号名称>,ジョブ名ワイルドカード 〜<任意文字列>
-
処理対象をジョブ名またはジョブ名ワイルドカードで指定する。この場合,-Jオプションの指定が必要である。
このオプションの指定形式には次に示す2つの方法がある。なお,両方の指定形式は混在できない。
-
ジョブ名△※
空白で区切って最大32個指定できる。
注※ △は空白を示す。
-
文字列*
1回だけ指定できる。
ジョブ名ワイルドカードは*を指定したワイルドカード指定で,先頭の文字列が一致するジョブ名を一括で指定できる。ワイルドカード指定をする場合は,シェルが自動的に処理しないように””で囲む必要がある。
ジョブ名またはジョブ名ワイルドカードを省略した場合は,すべてのユーザが操作できるスプールジョブを対象とする。
-
戻り値
戻り値 |
意味 |
---|---|
0 |
正常終了 |
0以外 |
エラー終了 |
注意事項
-
特定ユーザのスプールジョブだけを削除する場合は,削除する対象のユーザで実行すること。
-
このコマンドは共用資源の排他を行っており,処理途中で止まるような使用をした場合(pgコマンドなどでメッセージ表示の途中で止める場合など),ほかのコマンドやスプールジョブ転送デーモンが待ち状態になることがあるので,そのような使用をしないこと。
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コマンドを割り込みなどで強制終了させないこと。コマンドを強制終了させた場合,スプールジョブ管理ファイルが破壊されることがある。
-
このコマンド実行にはスプールジョブ転送デーモンを起動している必要がある。スプールジョブ転送デーモンが起動していないとき,またはスプールジョブ転送デーモンが処理途中で終了したとき,コマンドの動作は保証できないため,コマンドが待ち状態になり,終了しないことがある。また,処理途中のスプールジョブが完全には削除されないことがある。このような場合,コマンドを割り込みなどで停止する。また,削除されなかったジョブはbjexrmjobコマンドの-fオプションで削除する。
-
ジョブ識別子の範囲指定をした場合,その範囲内の操作できるジョブを操作対象とする。操作できないジョブはエラーメッセージを出力しない。処理結果は,bjexlsjobコマンドで確認する。ジョブ識別子を指定したコマンドを使用した場合,エラー情報を出力する。
-
ジョブ名またはジョブ名ワイルドカード指定をした場合,操作できるジョブの中から指定したジョブ名に該当するジョブを操作対象とする。対象外のジョブは,エラーメッセージを出力しない。処理結果は,bjexlsjobコマンドで確認する。ジョブ識別子を指定したコマンドを使用する場合はエラー情報を出力する。
使用例
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ジョブ識別子125のスプールジョブを削除する。
bjexrmjob 125
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ジョブ識別子231のエラー状態のスプールジョブを強制削除する。
bjexrmjob -f 231
2月2日10:15:40にこの指定をした場合,2月2日 10:15:09以前のものが削除対象となる。この例では-aオプションを省略しており,-aオプションのデフォルト値である30(秒)が有効となるため,このコマンドを投入した時刻から30秒以前が対象となる。
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ジョブ実行開始時刻が30日以前の出力保留状態のスプールジョブを削除する。
bjexrmjob -T 30
2月2日にこの指定をした場合,1月3日 23:59:59以前に開始されたスプールジョブが削除の対象となる。
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ジョブ識別子123のスプールジョブについて,スプールジョブディレクトリまたはスプールジョブ管理ファイルの最終更新時刻がカレント時刻より40秒以上前の場合に削除する。
bjexrmjob -f -a 40 123
2月2日10:15:30にこの指定をした場合,2月2日 10:14:49以前が対象となる。
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ジョブ識別子10から100までのスプールジョブを削除する。
bjexrmjob 10:100
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ジョブ名がJOB001,JOB002のジョブを削除する。
bjexrmjob -J JOB001 JOB002
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ジョブ名の先頭がKEIRIのジョブを削除する。
bjexrmjob -J "KEIRI*"
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ジョブ実行開始時刻が10時間以前の出力保留状態のスプールジョブを削除する。
bjexrmjob -H 10
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ジョブ実行開始時刻が36時間以前の出力保留状態のスプールジョブのうち,ジョブ名の先頭がSOUMUのジョブを削除する。
bjexrmjob -H 36 -J "SOUMU*"