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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プロトコル TP1/NET/User Datagram Protocol編


dc_mcf_send − 一方送信メッセージの送信(C言語)

〈このページの構成〉

形式

ANSI C,C++の形式

#include <dcmcf.h>
int  dc_mcf_send(DCLONG action, DCLONG commform, char *termnam,
                 char *resv01, char *senddata, DCLONG sdataleng,
                 char *resv02, DCLONG opcd)

K&R版 Cの形式

#include <dcmcf.h>
int  dc_mcf_send(action, commform, termnam, resv01, senddata,
                 sdataleng, resv02, opcd)
DCLONG          action;
DCLONG          commform;
char            *termnam;
char            *resv01;
char            *senddata;
DCLONG          sdataleng;
char            *resv02;
DCLONG          opcd;

機能

相手システムへ一方送信メッセージを送信します。一方送信メッセージは,一つのセグメントで構成されます。

送信できるメッセージの一つのセグメントの最大長は,制御ヘッダの24バイトを含めて32000バイトまでです。

セグメントを送信する領域の形式を次に示します。Lは,バッファ形式1の場合は8バイト,バッファ形式2の場合は4バイトです。

[図データ]

制御ヘッダ(dcmudp_dc_header)は<dcmudpu.h>に,次のように定義されています。

typedef struct {
    unsigned  char   r_exipaddr[12];       …予備
    DCULONG          r_ipaddr;             …相手IPアドレス
    unsigned  char   rsv1[2];              …予備
    unsigned  short  r_portno;             …相手ポート番号
    unsigned  char   rsv2[4];              …予備
} dcmudp_dc_header;

相手IPアドレスと相手ポート番号の設定方法については,「2.1.3 通信相手のアドレスの指定」を参照してください。

UAPで値を設定する引数

●action

単一セグメントを送信すること,一般か優先かどうか,出力通番を付けるかどうか,および使用するバッファ形式を,次の形式で設定します。

DCMCFEMI〔|{DCMCFNORM|DCMCFPRIO}〕〔|{DCMCFSEQ|DCMCFNSEQ}〕〔|{DCMCFBUF1|DCMCFBUF2}〕
DCMCFEMI

単一セグメントを示すDCMCFEMIを設定します。

DCMCFNORM

一般の一方送信メッセージとして送信する場合に設定します。

DCMCFPRIO

優先の一方送信メッセージとして送信する場合に設定します。

DCMCFSEQ

出力通番を付ける場合に設定します。

DCMCFNSEQ

出力通番を付けない場合に設定します。

DCMCFBUF1

バッファ形式1を使用する場合に設定します。

DCMCFBUF2

バッファ形式2を使用する場合に設定します。

●commform

一方送信を示す,DCMCFOUTを設定します。

●termnam

出力先の論理端末名称を設定します。論理端末名称は最大8バイトの長さです。論理端末名称の最後にはヌル文字を付けてください。

●resv01

NULLまたはヌル文字列を設定します。

●senddata

送信するセグメントの内容を設定した送信領域を設定します。制御ヘッダの24バイトを含めて32000バイトまで送信できます。

送信領域の制御ヘッダ内の予備領域は,必ずすべて0に設定してください。

●sdataleng

送信するセグメントの長さを設定します。

●resv02

NULLまたはヌル文字列を設定します。

●opcd

DCNOFLAGSを設定します。

リターン値

リターン値

リターン値

(数値)

意味

DCMCFRTN_00000

0

正常に終了しました。

DCMCFRTN_71002

-12002

メッセージキューへの出力処理中に障害が発生しました。

メッセージキューが閉塞されています。

メッセージキューが割り当てられていません。

sdatalengに32000バイトを超える値を設定しています。

MCFが終了処理中のため,メッセージの送信を受け付けられません。

DCMCFRTN_71003

-12003

メッセージキューが満杯です。

DCMCFRTN_71004

-12004

メッセージを格納するバッファをメモリ上に確保できませんでした。

DCMCFRTN_71108

-12108

メッセージを送信しようとしましたが,送信先の管理テーブルが確保できませんでした。

プロセスのローカルメモリが不足しています。

DCMCFRTN_72000

-13000

<MHPの実行でリターンした場合>

先頭セグメントを受信するdc_mcf_receive関数を呼び出す前に,dc_mcf_send関数を呼び出しています。

<SPPの実行でリターンした場合>

トランザクションでないSPPの処理から,dc_mcf_send関数を呼び出しています。

DCMCFRTN_72001

-13001

termnamに設定した論理端末名称が間違っています。

termnamに設定した論理端末名称は,定義されていません。

dc_mcf_send関数を呼び出せない論理端末を設定しています。

DCMCFRTN_72016

-13016

actionに設定したメッセージ種別(DCMCFNORMまたはDCMCFPRIO)の値が間違っています。

actionに設定した値が間違っています。

opcdに設定した値が間違っています。

resv01またはresv02に設定した値が間違っています。

引数に設定した値に間違いがあります。

DCMCFRTN_72017

-13017

actionに設定した出力通番の要否(DCMCFSEQまたはDCMCFNSEQ)の値が間違っています。

DCMCFRTN_72024

-13024

commformに設定した値が間違っています。

DCMCFRTN_72026

-13026

actionに設定したセグメント種別(DCMCFEMI)の値が間違っています。

DCMCFRTN_72041

-13041

sdatalengに0,またはマイナス値を設定しています。

上記以外

プログラムの破壊などによる,予期しないエラーが発生しました。

(凡例)

−:該当しません。

注意事項

MCFがUAPの送信要求をTP1/NET/UDPにスケジュールする優先順位は,高い方から同期型メッセージの送信,一方送信メッセージの送信(優先),一方送信メッセージの送信(一般)です。同一論理端末上で同期型メッセージの送信と一方送信メッセージの送信を併用する場合,送信メッセージの追い越しが発生する場合があります。

このため,同一論理端末上での,dc_mcf_send関数とdc_mcf_sendsync関数の併用は避けてください。同様に,COBOL言語およびデータ操作言語での,同期型メッセージの送信と一方送信メッセージの送信の併用は避けてください。

併用する場合は,dc_mcf_sendsync関数の送信メッセージがdc_mcf_send関数の送信メッセージを追い越した場合でも,問題が生じないように運用してください。