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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プロトコル TP1/NET/User Datagram Protocol編


dc_mcf_resend − メッセージの再送(C言語)

〈このページの構成〉

形式

ANSI C,C++の形式

#include <dcmcf.h>
int  dc_mcf_resend(DCLONG action, DCLONG commform, char *rtermnam,
                   char *resv01, DCLONG oseqid, DCLONG orgseq,
                   char *otermnam, char *resv02, char *resv03,
                   char *resv04, DCLONG opcd)

K&R版 Cの形式

#include <dcmcf.h>
int  dc_mcf_resend(action, commform, rtermnam, resv01, oseqid,
                   orgseq, otermnam, resv02, resv03, resv04, opcd)
DCLONG          action;
DCLONG          commform;
char            *rtermnam;
char            *resv01;
DCLONG          oseqid;
DCLONG          orgseq;
char            *otermnam;
char            *resv02;
char            *resv03;
char            *resv04;
DCLONG          opcd;

機能

以前に送信したメッセージを,再び送信します。再送するメッセージは,以前に送信したメッセージとは別の,新しいメッセージとして扱います。どのメッセージを再送するかは,次に示す送信済みメッセージの情報で選択できます。

対象としたメッセージが以前に送信されていない場合は,dc_mcf_resend関数はリターン値DCMCFRTN_NOMSGを返します。また,メッセージキュー(ディスクキュー)内に対象のメッセージがない場合も,リターン値DCMCFRTN_NOMSGを返します。このため,使用するメッセージキューの種別ではディスクキューを指定するとともに,メッセージキューファイルの容量および保持メッセージ数(メッセージキューサービス定義のquegrpコマンドの-mオプションで指定)に余裕を持った値を指定してください。

UAPで値を設定する引数

●action

再送するメッセージに出力通番を付け直すかどうか,一般か優先かどうか,および最終出力通番のメッセージを再送するかどうかを,次の形式で設定します。

{DCMCFSEQ|DCMCFNSEQ}〔|{DCMCFNORM|DCMCFPRIO}〕〔|DCMCFLAST〕
DCMCFSEQ

再送するメッセージに出力通番を付け直す場合に設定します。

DCMCFNSEQ

再送するメッセージに出力通番を付け直さない場合に設定します。

DCMCFNORM

一般の一方送信メッセージとして再送する場合に設定します。

DCMCFPRIO

優先の一方送信メッセージとして再送する場合に設定します。

DCMCFLAST

最終出力通番を持つメッセージを再送する場合に設定します。この値を設定した場合は,orgseqに設定した値は無効になります。

●commform

一方送信を示す,DCMCFOUTを設定します。

●rtermnam

出力先の論理端末名称を設定します。論理端末名称の長さは最大8バイトです。論理端末名称の最後にはヌル文字を付けてください。

●resv01

NULLを設定します。

●oseqid

再送するメッセージを検索するキーとして,以前に送信したメッセージの送信種別を設定します。

DCMCFRID_NORM

一般の一方送信メッセージを対象とする場合に設定します。

DCMCFRID_PRIO

優先の一方送信メッセージを対象とする場合に設定します。

省略した場合は,DCMCFRID_NORM(一般の一方送信メッセージを対象)が設定されます。DCMCFRID_PRIOを設定した場合は,otermnamに出力先の論理端末名称を設定できません。

●orgseq

再送するメッセージを検索するキーとして,以前に送信したメッセージの出力通番を設定します。actionでDCMCFLASTを設定した場合は,ここに設定した値は無効になります。

●otermnam

再送するメッセージを検索するキーとして,以前に送信したメッセージの出力先の論理端末名称を設定します。論理端末名称の長さは最大8バイトです。論理端末名称の後ろにはヌル文字を付けてください。

●resv02,resv03,resv04

NULLを設定します。

●opcd

DCNOFLAGSを設定します。

リターン値

リターン値

リターン値

(数値)

意味

DCMCFRTN_00000

0

正常に終了しました。

DCMCFRTN_NOMSG

-11904

出力通番使用論理端末数(MCFマネジャ共通定義(mcfmcomn)の-nオプション)を省略,または0を指定しています。

otermnam,oseqid,またはorgseqに設定した値が間違っています。

再送するメッセージは次に示す理由によって,再送できるメッセージの条件を満たしていません。

  • 再送対象とするメッセージの送信時に出力通番を付けていません。

  • 出力メッセージの割り当て先にメモリキューを使用しています(論理端末定義(mcftalcle -k)のquekindオペランドを省略,またはmemoryを指定)。

  • 論理端末が閉塞しているなどの要因によって,送信メッセージが送信済みになっていません。

  • 送信済みのメッセージがディスクキューに保持されていません(保持メッセージ数はメッセージキューサービス定義のquegrpコマンドの-mオプションで指定します)。

otermnamで指定した論理端末に割り当てられているメッセージキューは,システム開始時に障害が発生したため,メモリキューを代用して縮退運転をしています。

DCMCFRTN_BUF_SHORT

-11905

再送するメッセージのセグメントの長さが,UAP共通定義(mcfmuap -e)で指定した値を超えています。

DCMCFRTN_71002

-12002

メッセージキューへの出力処理中に障害が発生しました。

メッセージキューが閉塞されています。

メッセージキューが割り当てられていません。

MCFが終了処理中のため,メッセージの再送を受け付けられません。

DCMCFRTN_71003

-12003

メッセージキューが満杯です。

DCMCFRTN_71004

-12004

メッセージキューから取り出したメッセージを格納するバッファ(作業領域)を,メモリ上に確保できませんでした。

DCMCFRTN_71108

-12108

メッセージを再送しようとしましたが,再送先の管理テーブルが確保できませんでした。

プロセスのローカルメモリが不足しています。

DCMCFRTN_72000

-13000

<MHPの実行でリターンした場合>

  • 先頭セグメントを受信するdc_mcf_receive関数を呼び出す前に,dc_mcf_resend関数を呼び出しています。

  • 非トランザクション属性のMHPから,dc_mcf_resend関数を呼び出しています。

<SPPの実行でリターンした場合>

トランザクションでないSPPの処理から,dc_mcf_resend関数を呼び出しています。

DCMCFRTN_72001

-13001

rtermnamまたはotermnamに設定した論理端末名称が間違っています。

dc_mcf_resend関数を呼び出せない論理端末を設定しています。

DCMCFRTN_72016

-13016

actionに設定したメッセージ種別(DCMCFNORMまたはDCMCFPRIO)の値が間違っています。

actionに設定した値が間違っています。

opcdに設定した値が間違っています。

oseqidに設定した値が間違っています。

resv01,resv02,resv03,またはresv04に設定した値が間違っています。

引数に設定した値に間違いがあります。

DCMCFRTN_72017

-13017

actionに設定した出力通番の要否(DCMCFSEQまたはDCMCFNSEQ)の値が間違っています。

DCMCFRTN_72024

-13024

commformに設定した値が間違っています。

上記以外

プログラムの破壊などによる,予期しないエラーが発生しました。

(凡例)

−:該当しません。

注意事項

メッセージの再送時には,MCFマネジャ定義のUAP共通定義(mcfmuap)の-eオプションおよび-lオプションの指定値に注意してください。

-eオプション

-eオプションでは,dc_mcf_resend関数で使用する作業領域の大きさを指定します。再送するメッセージのセグメントがこの作業領域より大きい場合,dc_mcf_resend関数はメッセージを再送しないで,リターン値DCMCFRTN_BUF_SHORTを返します。このため,-eオプションでは,セグメントの最大長よりも大きな値を設定しておいてください。

-lオプション

-lオプションでは,出力通番に関して指定します。指定内容によっては,メッセージキューファイル内に同じ出力通番を持つメッセージが同時に存在する場合があります。同じ出力通番を持つメッセージが存在する場合,どのメッセージを再送するかは保証できません。