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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プロトコル TP1/NET/TCP/IP編


10.2.6 KFCA14834-EまたはKFCA14835-Eメッセージが出力された場合

KFCA14834-EまたはKFCA14835-Eメッセージが出力された場合の調査手順,および対処について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 現象

次のどちらかのメッセージが出力されて,サーバ型コネクションの確立準備に失敗しました。

KFCA14834-E mmm サーバ側コネクション確立準備に失敗しました。

コネクション名=aa....aa 自ポート番号=bb....bb

関数=cc....cc 詳細エラーコード=dd....dd

(凡例)

mmm:MCF通信プロセス識別子

aa....aa:コネクション名

bb....bb:自システムのポート番号

cc....cc:TCP/IPソケットの関数名

dd....dd:詳細エラーコード

KFCA14835-E mmm サーバ側コネクション確立準備のリトライが失敗しました。

コネクション名=aa....aa 自ポート番号=bb....bb

関数=cc....cc 詳細エラーコード=dd....dd

(凡例)

mmm:MCF通信プロセス識別子

aa....aa:コネクション名

bb....bb:自システムのポート番号

cc....cc:TCP/IPソケットの関数名

dd....dd:詳細エラーコード

(2) 現象発生時の確認事項

(3) 取得情報

(4) 原因の調査と対処

KFCA14834-EまたはKFCA14835-Eは,コネクションの確立準備に失敗した場合に出力されます。この障害は,主に自システム内の他のアプリケーション(自システム内のほかのTP1/NET/TCP/IPの通信プロセスを含みます)と自システムのポート番号が重複していることが原因で発生します。

次に示すフローに従って原因の調査と対処をしてください。

図10‒14 KFCA14834-EまたはKFCA14835-Eが出力された場合の調査手順(ステップ1)

[図データ]

対処

内容

対処1

KFCA14834-EまたはKFCA14835-EのTCP/IPソケットの関数名と詳細エラーコードから,ご使用のOSのマニュアルで詳細エラーコードの意味を確認し,想定される要因に該当するかどうかを調査してください。

解決しない場合は,情報を取得してサポートセンタへ問い合わせてください。

図10‒15 KFCA14834-EまたはKFCA14835-Eが出力された場合の調査手順(ステップ1-1)

[図データ]

注※

OSが返したerrnoです。実際にメッセージに出力される値は,使用するOSによって異なります。詳細については,ご使用のOSのマニュアルまたは技術情報を参照してください。

また,詳細エラーコードがENFILEの場合はシステム全体で使用できるファイル記述子の上限を,EMFILEの場合は1プロセスで使用できるファイル記述子の上限を見直してください。

対処

内容

対処2

MCF通信プロセスで使用できるファイル記述子の指定値が不足していることが原因です。システムサービス共通情報定義のmax_open_fdsオペランドの指定値,およびOSのカーネルパラメタの指定値を見直してください。

対処3

ご使用のOSのマニュアルでsocket関数に対応する詳細エラーコードの意味を確認し,想定される要因に該当するかどうかを調査してください。

解決しない場合は,情報を取得してサポートセンタへ問い合わせてください。

注※

カーネルパラメタの指定値を変更する場合は,余裕を持った値を指定してください。

図10‒16 KFCA14834-EまたはKFCA14835-Eが出力された場合の調査手順(ステップ1-2)

[図データ]

注※

OSが返したerrnoです。実際にメッセージに出力される値は,使用するOSによって異なります。詳細については,ご使用のOSのマニュアルまたは技術情報を参照してください。

対処

内容

対処4

コネクション定義の次に示すオプションおよびオペランドの指定値が,すべて一致するコネクションが複数存在することが原因です。

  • 自システムのIPアドレス(mcftalccn -r ipaddr)またはホスト名(mcftalccn -r hostname)

  • 自システムのポート番号(mcftalccn -r portno)

  • 相手システムのIPアドレス(mcftalccn -o oipaddr)またはホスト名(mcftalccn -o ohostname)

  • 相手システムのポート番号(mcftalccn -o oportno)に指定したfree以外の値

上記のコネクション定義の指定値を見直してください。

対処5

割り当てられないIPアドレスを指定したことが原因です。

コネクション定義の自システムのIPアドレス(mcftalccn -r ipaddr),またはホスト名(mcftalccn -r hostname)の指定値を見直してください。

直前にKFCA14868-Iが出力されている場合は,dc_mcf_tactcn関数またはCBLDCMCF('TACTCN△△')で設定した自システムのIPアドレスの設定値を見直してください。

対処6

他のプログラムが使用しているポート番号を指定したことが原因です。

コネクション定義の自システムのポート番号(mcftalccn -r portno)の指定値を見直してください。

直前にKFCA14868-Iが出力されている場合は,dc_mcf_tactcn関数またはCBLDCMCF('TACTCN△△')で設定した自システムのポート番号の設定値を見直してください。

対処7

ご使用のOSのマニュアルで,bind関数に対応する詳細エラーコードの意味を確認し,想定される要因に該当するかどうか調査してください。

解決しない場合は,情報を取得してサポートセンタへ問い合わせてください。

注※

他のアプリケーションとの重複を避けるため,OSが任意に割り当てるポート番号(動的ポートまたは短命ポートと呼ばれるポート番号)を使用しないでください。

OSが任意に割り当てるポート番号の範囲は,OSの種別やバージョンによって異なります。詳細については,ご使用のOSのマニュアルまたは技術情報を参照してください。