10.1.1 取得情報
障害要因を調査する場合に必要な情報を示します。
ここでは調査に必要な基本的な情報を記載しています。「10.2 調査手順」で説明する個々の障害事例に記載していない障害については,ここで説明する情報を基に障害の要因を調査してください。
障害要因の調査に必要な情報を次の表に示します。なお,通信先相手システムもOpenTP1システムである場合,現象発生ノードだけでなく,通信先相手システムのノードについても次の表の資料を取得してください。
取得する情報 |
備考 |
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現象発生ノードのbetran.log(OpenTP1の標準出力および標準エラー出力先ファイル) |
UNIX版の場合,$DCDIR/bin/prcoutに指定したファイルに出力されます。指定していない場合は,次のファイルに出力されます。
Windows版の場合,イベントログ(アプリケーションログおよびシステムログ)を取得してください。また,標準出力リダイレクト機能を使用しているときは,システム環境定義のredirect_file_nameオペランドに指定したファイルも取得してください。指定していない場合は,次のファイルに出力されます。
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現象発生ノードのsyslogファイル |
Windows版の場合,取得する必要はありません。 |
現象発生ノードの$DCDIR/spool配下のファイル |
spool配下のすべてのファイルを取得するのが困難な場合は,spool配下をすべて退避したあと,次に示すファイルを取得してください。
なお,MCFトレースファイルの見積もり式については,「6. システム定義」の「MCFトレースファイルの見積もり式」を参照してください。 |
現象発生ノードの$DCDIR/tmp配下のファイル |
システム共通定義のprc_current_work_pathオペランドを指定している場合は,その配下もすべて取得してください。 |
現象発生ノードの$DCDIR/conf配下および$DCCONFPATH配下のファイル |
$DCUAPCONFPATHを設定している場合は,$DCUAPCONFPATH配下のファイルも取得してください。定義ファイルを取得するときに,ユーザサービス定義も取得してください。 |
次に示す定義
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定義の格納先,およびファイル名は任意に指定されたものになります。また,オンラインで使用するオブジェクトファイルではなく,オブジェクト生成前の定義ファイルを取得してください。 |
システムサービス共通情報定義($DCDIR/lib/sysconf/mcf) |
− |
システムサービス情報定義($DCDIR/lib/sysconf/配下の先頭4文字が「mcfu」で始まるファイル名) |
− |
現象発生ノードの$DCDIRのディレクトリ情報 |
UNIX版の場合,次に示すコマンドを実行し,情報を取得してください。 ls -laR $DCDIR |
- (凡例)
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−:該当しません。
- 注※
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MCFトレースの取得については,次の注意が必要です。
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現象発生後,速やかにMCFトレースを退避してください。現象発生から長時間経過した場合,MCFトレースファイルがラップアラウンドし,該当時間帯のトレース情報が失われるおそれがあります。
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オンライン中にMCFトレースを取得する場合,mcftswptrコマンドを実行し,MCFトレースをスワップしてください。なお,コマンドを実行する前にディスクに残っているMCFトレースはあらかじめ退避してください。
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トレース環境定義でディスク出力機能を使用していない(mcfttrc -t disk=no)場合,MCFトレースを取得できないため,障害要因の調査ができないおそれがあります。ディスク出力機能を使用しないでMCFトレースを取得したい場合は,mcftstrtrコマンドを実行してください。
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- 注意事項
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障害要因の調査に必要な情報には,パイプファイルなどの特殊ファイルが含まれています。このような特殊ファイルをファイル転送コマンドで直接取得した場合,正常に処理されないことがあります。tarコマンドで一つのファイルに結合してから資料を採取してください。また,ファイル転送をするときは,転送モードに注意が必要です。