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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プロトコル TP1/NET/TCP/IP編


2.1.12 コネクションの切り替え(クライアント型コネクション)

クライアント型コネクションの場合,TP1/NET/TCP/IPでは,コネクションの切り替えができます。その場合,前提となるプログラムプロダクトとして,TP1/NET/High Availabilityが必要です。

TP1/NET/TCP/IPは,システム定義で,現用コネクションと交代用コネクションに対して同一の論理端末を指定することで,コネクションと論理端末との接続関係を変更できます。UAPは,同一の論理端末名称を使用したまま,相手システムの切り替えができます。

また,現用コネクションと交代用コネクションは,1対1の関係でなければなりません。出力キューに未送信メッセージがある状態でコネクションの切り替えをすると,未送信メッセージは交代用コネクションに対して送信されます。

交代用コネクションとMCF通信構成定義との関係については,「6. システム定義」の「コネクションの形態とMCF通信構成定義との関係」を参照してください。

コネクション切り替え機能の概要を,dc_mcf_send関数およびdc_mcf_receive関数を使用する場合を例に,次の図に示します。

図2‒27 コネクション切り替え機能の概要

[図データ]

次に,ホットスタンバイを行うような,同一の構成を持つシステムでコネクションの切り替えを適用した場合の例を次の図に示します。

図2‒28 コネクションの切り替えの流れ

[図データ]

メッセージ送受信中のコネクションに障害が発生すると,TP1/NET/TCP/IPはMCFイベント処理用MHPを起動します。起動されたMCFイベント処理用MHPでは,相手システムを交代させる場合,運用コマンド(mcftchcn)を入力して,通信先の相手システムを変更します。メッセージは,コネクションを切り替えたあとで,交代用コネクション確立時に再送信されます。コネクション切り替え後,元に戻す場合は運用コマンド(mcftchcn)を再び入力します。