ユーザサービス定義
ここで説明していないオペランドについては,「5.1.42 ユーザサービス定義の内容」に示す一覧を参照してください。
- 〈このページの構成〉
形式
set形式
set module="実行形式プログラム名" 〔set nice=プロセスの優先順位の変更〕 〔set message_store_buflen=メッセージ格納バッファプール長〕 〔set message_cell_size=スケジュールメッセージ格納セル長〕 〔set prc_abort_signal=アボート用シグナル番号〕 〔set process_privilege_restrict=Y|N〕 〔set process_privilege_name="特権名"〔,"特権名"…〕〕 〔set uap_argv_convert_slash=Y|N〕 〔set ipc_conn_interval=コネクション確立監視時間〕
putenv形式
{{〔putenv 環境変数名 環境変数値〕}}
dcputenv形式
{{〔dcputenv 環境変数名 環境変数値〕}}
説明
形式の説明を次に示します。
set形式のオペランド
●module="実行形式プログラム名"
〜〈1〜14文字の識別子〉
実行形式プログラム名には,「.exe」を指定しないでください。例えば,実行形式プログラム名がspp.exeの場合は,set module ="spp"と指定してください。これ以外に差異はありません。
●nice=プロセスの優先順位の変更
〜〈符号なし整数〉((0〜39))
指定値の意味が異なります。Windows版OpenTP1では,このオペランドの指定値は次のとおりに解釈されます。
niceオペランドの指定値 |
適用される優先順位 |
---|---|
0〜9 |
THREAD_PRIORITY_NORMAL |
10〜19 |
THREAD_PRIORITY_BELLOW_NORMAL |
20〜29 |
THREAD_PRIORITY_LOWEST |
30〜39 |
THREAD_PRIORITY_IDLE |
●message_store_buflen=メッセージ格納バッファプール長
〜〈符号なし整数〉((1024〜31457280))(単位:バイト)
OpenTP1がオンラインの状態でこのオペランドの指定値を変更した場合,KFCA00850-Eメッセージが出力されることがあります。
これは,OpenTP1起動時に,このオペランドの指定値を基にあらかじめ確保している内部リソースが,指定値の変更によって不足したためです。一度OpenTP1を停止させ,再起動することでこの現象を回避できます。
なお,このオペランドの指定値の変更によって,必要となる静的共用メモリのサイズが変化するため,注意してください。メモリサイズの算出式については,マニュアル「OpenTP1 システム定義」を参照してください。
●message_cell_size=スケジュールメッセージ格納セル長
〜〈符号なし整数〉((512〜31457280))(単位:バイト)
OpenTP1がオンラインの状態でこのオペランドの指定値を変更した場合,KFCA00850-Eメッセージが出力されることがあります。
これは,OpenTP1起動時に,このオペランドの指定値を基にあらかじめ確保している内部リソースが,指定値の変更によって不足したためです。一度OpenTP1を停止させ,再起動することでこの現象を回避できます。
なお,このオペランドの指定値の変更によって,必要となる静的共用メモリのサイズが変化するため,注意してください。メモリサイズの算出式については,マニュアル「OpenTP1 システム定義」を参照してください。
●prc_abort_signal=アボート用シグナル番号
〜〈符号なし整数〉((3,6,15))
3,6,15の中から,シグナル番号を指定してください。これ以外に差異はありません。
- 3,6
-
コアファイルを取得して異常終了します。
- 15
-
コアファイルを取得しないで異常終了します。
●process_privilege_restrict=Y|N
ユーザサーバに対してWindowsの特権を制限するかどうかを指定します。
- Y
-
ユーザサーバは,SeChangeNotifyPrivilege以外の特権が制限されます。
Yを指定した場合は,process_privilege_nameオペランドで指定した特権をユーザサーバに付与できます。
- N
-
ユーザサーバは,サービスログオンアカウントと同じ特権を持ちます。
●process_privilege_name=特権名"〔,"特権名"…〕
〜〈文字列〉
ユーザサーバに付与するWindowsの特権名(例:SeSecurityPrivilege)を指定します。
このオペランドは,process_privilege_restrictオペランドにYを指定した場合に有効です。
このオペランドに指定した特権をサービスログオンアカウントが所持していない場合は,その特権を付与できません。特権を付与する場合は,必要な特権かどうかを十分に検討してから付与してください。
●uap_argv_convert_slash=Y|N
dcsvstart -aオプション指定値を,SUP起動時の第1引数として渡すときに,'/'(スラッシュ)から'\'へと置換するかどうかを指定します。
- Y
-
置換します。
- N
-
置換しません。
●ipc_conn_interval=コネクション確立監視時間
〜〈符号なし整数〉((8〜65535))《12》(単位:秒)
デフォルト値が"12"になります。これ以外に差異はありません。
putenv形式
●環境変数名 環境変数値
〜〈文字列〉
UNIX版OpenTP1との差異は次のとおりです。これ以外に差異はありません。
-
環境変数LANGをputenv形式でユーザサービス定義またはユーザサービスデフォルト定義に指定する場合は,システム共通定義と同じ内容を指定してください。システム共通定義に定義していない場合は,C以外を指定しないでください。
-
環境変数PATHをputenv形式でユーザサービス定義またはユーザサービスデフォルト定義に指定する場合は,OpenTP1のコマンド,UAPのロードモジュール,およびUAPが使用するDLLの場所を含めて指定してください。
dcputenv形式
●環境変数名 環境変数値
〜〈文字列〉
環境変数を指定する場合は,$ではなく,%で環境変数を囲んでください。これ以外に差異はありません。
注意事項
OpenTP1がオンラインの状態でユーザサービス定義を新規に追加した場合,KFCA00850-Eメッセージが出力されることがあります。
これは,OpenTP1起動時に,この定義内容に基づきあらかじめ確保している内部リソースが,定義の新規追加によって不足したためです。一度OpenTP1を停止させ,再起動することでこの現象を回避できます。
なお,ユーザサービス定義の追加によって,必要となる静的共用メモリのサイズが変化します。メモリサイズの算出式については,マニュアル「OpenTP1 システム定義」を参照してください。