4.3.10 構成上の注意事項
- 〈この項の構成〉
(1) 現用系および待機系の環境設定
クラスタ構成上でTP1/LiNKを動作させる場合,現用系および待機系の環境を,すべて同じ設定にする必要があります。TP1/LiNKの定義やユーザアプリケーションの配置など,TP1/LiNKの環境で異なる要素がある場合,系切り替えの発生時に正しく動作しなくなるおそれがあります。
また,TP1/LiNK以外の環境(搭載メモリ,ハードディスク容量,仮想メモリサイズなど)に関しても,現用系と待機系で同じ環境にすることをお勧めします。
(2) 相互系切り替え機能
現用系と待機系の二つのマシン上で起動できるTP1/LiNKの個数は1個だけです。このため,待機系のマシン上で別のTP1/LiNKを起動することはできません。待機系のマシン上で,別システムのTP1/LiNKを現用系として動作させて,現用系のマシンをそのシステムの待機系にするような相互系切り替えが必要になります。一つのマシンに二つのTP1/LiNKを運用するには,マルチOpenTP1形態のTP1/LiNKにしてください。詳細は,「2.1.8 マルチOpenTP1のセットアップと削除」を参照してください。
(3) マシンの時刻について
現用系および待機系のマシン時刻は,同一になるように設定してください。二つのマシンの時刻は,Windowsの次に示すコマンドを実行することで合わせることができます。
net time \\コンピュータ名 /set
(4) Hitachi HA Toolkit Extensionを使用した系切り替え機能
Hitachi HA Toolkit Extensionを使用した系切り替えを行う場合,(1)から(3)の設定に加えて次に示す設定が必要です。
TP1/LiNKの現用系および待機系それぞれのシステムサービス構成定義(TP1/LiNKインストールフォルダ\conf\SYSCONFファイル)に,次に示すha_confオペランドを追加する必要があります。
形式
set ha_conf = Y
定義例
定義の最終行には,改行を入力してください。
# ALL RIGHTS RESERVED, COPYRIGHT (C)1994, HITACHI, LTD. # LICENSED MATERIAL OF HITACHI,LTD. # * # * システムサービス構成定義 # * 環境名: sysconf # * # TP1/LiNK (sysconf) set dam_conf = N set tam_conf = N set trn_conf = Y set sts_conf = Y set jnl_conf = N set mqa_conf = N set clt_conf = N set ha_conf = Y
系切り替え時に,システムサーバの起動を待たないで,待機系のユーザサーバを起動させたい場合は,TP1/LiNKの現用系および待機系それぞれのシステム環境定義(TP1/LiNKインストールフォルダ\conf\ENVファイル)に,次に示すuser_server_haオペランドを追加する必要があります。
形式
set user_server_ha = Y
定義例
定義の最終行には,改行を入力してください。
# ALL RIGHTS RESERVED, COPYRIGHT (C)1994, HITACHI, LTD. # LICENSED MATERIAL OF HITACHI,LTD. # * # * システム環境定義 # * 環境名: env # * # TP1/LiNK (env) set static_shmpool_size = 81448 set dynamic_shmpool_size = 0 set server_count = 354 set user_server_ha = Y
Hitachi HA Toolkit Extensionを使用した系切り替えの手順については,マニュアル「HITACHI HA Toolkit」を参照してください。
(5) 強制停止オプションについて
Hitachi HA Toolkit Extension無しのMSCS環境で,ほかのサービスが要因となってフェールオーバが発生した場合,MSCSからTP1/LiNKサービスに対して停止要求(計画停止A)が実行されます。
このとき,RAPサービスのクライアント切断待ちなどでTP1/LiNKの停止処理が滞ってしまうことがあります。この場合,クラスタアドミニストレータでTP1/LiNKサービスを登録時の起動パラメタに"forcedterminate"を指定して,TP1/LiNKサービスの停止が強制停止になるように設定してください。