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OpenTP1 Version 7 分散アプリケーションサーバ TP1/LiNK 使用の手引


2.1.8 マルチOpenTP1のセットアップと削除

一つのマシンに複数のOpenTP1システムを置く形態をマルチOpenTP1といいます。詳細は,マニュアル「OpenTP1 解説」のマルチOpenTP1の説明を参照してください。

TP1/LiNKでも,マルチOpenTP1の環境を構築できます。TP1/LiNKでは,一つのマシンに最大四つのTP1/LiNKをセットアップできます。なお,四つを超えるTP1/LiNKを一つのマシンにセットアップした場合の動作は保証できません。また,異なるバージョンを含むTP1/LiNKでのマルチOpenTP1の運用はできません。

ここでは,マルチOpenTP1形態のTP1/LiNKについて,次の内容を説明します。

〈この項の構成〉

(1) マルチOpenTP1のセットアップ

マルチOpenTP1形態のTP1/LiNKをセットアップする方法を次に示します。

  1. TP1/LiNKのコマンド(GUIを含む)の実行中およびコマンドプロンプトでマルチOpenTP1セットアップフォルダ下を開いている場合,これらの作業を終了してください(GUIは閉じる)。

    そのままTP1/LiNKのセットアップを続けると,フォルダやファイルが残ったり,コピーに失敗したりしてしまうおそれがあります。

  2. TP1/LiNKが稼働中の場合,すべてのTP1/LiNKを停止させたあと,停止を確認します。

  3. コマンドプロンプトからdcsetupmlコマンド(dcsetupml.exe)を実行します。

    dcsetupmlコマンドを実行する際には,半角英数字2文字以内の識別子を付けて使用してください。使用例を次に示します。

    dcsetupml マルチOpenTP1セットアップフォルダ 識別子
    注※

    dcsetupmlコマンドで決めた識別子は,オリジナルのTP1/LiNK(セットアッププログラム(setup.exe)で最初にインストールしたTP1/LiNK)のサービス名「TPLiNK」の末尾に付けられます。詳細は,「7. 運用コマンド」の「dcsetupml(マルチOpenTP1のセットアップと削除)」を参照してください。

    例えば,識別子を「N1」とした場合,サービス名は「TPLiNKN1」として登録されます。これはWindowsのイベントビューアにメッセージを出力する際のソース名についても同様です。また,ショートカット名も「TPLiNKN1」となります。TP1/LiNKのショートカットのメニューは,[スタート]−[プログラム]−[TPLiNKN1]として登録されます。この場合の各GUIのタイトルには「TP1LiNKN1 - 」を付けて表示します。

注意事項

マルチOpenTP1形態のTP1/LiNKを使用する場合,次の点に注意してください。

  • dcsetupmlコマンドを実行中に,CtrlとBreakキーを同時に押したり,TP1/LiNKのコンソールを閉じたりして,コマンドを停止しないでください。

  • dcsetupmlコマンドを実行すると,インストールされたソフトウェアが,すべてマルチOpenTP1形態のTP1/LiNKにコピーされます。TP1/LiNK以外のソフトウェアもdcmakeconコマンドで作成したコマンドプロンプト上で操作してください。

  • マルチOpenTP1の環境で,ソフトウェアをインストールしてもマルチOpenTP1セットアップフォルダには反映されません。オリジナルの環境をマルチOpenTP1セットアップフォルダに反映したい場合は,対象のマルチOpenTP1セットアップフォルダに対してdcsetupmlコマンドを-uオプションで実行して,更新してください。

  • TP1/LiNKのバージョンが07-00以降の場合,TP1/MessagingはマルチOpenTP1の運用に対応していません。

  • TP1/LiNKのバージョンが06-50以前の場合にマルチOpenTP1のセットアップで使用した,マルチOpenTP1環境変更セットアップコマンド(Msetup.exe)の起動は不要です。また,セットアッププログラム(setup.exe)を2度起動する必要はありません。

  • 06-50以前のTP1/LiNKのサービス名と同じにしたい場合は,識別子に「A1」および「B1」と指定してください。

(2) マルチOpenTP1を削除する方法

マルチOpenTP1形態のTP1/LiNKを削除する方法を説明します。次の手順に従って,削除してください。

  1. TP1/LiNKのコマンド(GUIを含む)の実行中およびコマンドプロンプトでマルチOpenTP1セットアップフォルダ下を開いている場合,これらの作業を終了してください(GUIは閉じる)。

    そのままTP1/LiNKの削除を続けると,フォルダやファイルが残ったり,削除に失敗したりしてしまうおそれがあります。

  2. TP1/LiNKが稼働中の場合,TP1/LiNKを停止させたあと,停止を確認します。

  3. コマンドプロンプトからdcsetupmlコマンド(dcsetupml.exe)を実行します。

    dcsetupmlコマンドを実行する際には,半角英数字2文字以内の識別子を付けて使用してください。使用例を次に示します。

    dcsetupml -d マルチOpenTP1セットアップフォルダ 識別子
    注※

    dcsetupmlコマンドで決めた識別子は,オリジナルのTP1/LiNK(セットアッププログラム(setup.exe)で最初にインストールしたTP1/LiNK)のサービス名「TPLiNK」の末尾に付けられます。詳細は,「7. 運用コマンド」の「dcsetupml(マルチOpenTP1のセットアップと削除)」を参照してください。

注意事項

マルチOpenTP1環境の状態でオリジナルのTP1/LiNKを削除した場合,マルチOpenTP1形態のTP1/LiNKがすべて削除されます。マルチOpenTP1セットアップフォルダ下にあるフォルダ(bin,etc,sample,include,lib,spool,tmp)も削除されるので,これらのフォルダ下にユーザが独自にファイルなどを作っていた場合は,削除する前にバックアップしてください。dcsetupmlコマンドを-uまたは-dオプションで実行する場合も同様に,実行前にバックアップしてください。

(3) マルチOpenTP1の実行環境の設定

マルチOpenTP1形態のTP1/LiNKの実行環境の設定について説明します。

セットアップしたTP1/LiNKごとに,マルチOpenTP1環境のGUIを使用して実行環境を設定してください。TP1/LiNKの実行環境の設定については,「3.1 TP1/LiNKの実行環境の設定」を参照してください。

次の項目については,TP1/LiNKごとに異なる値を指定してください。

また,他ノードのTP1/LiNKで,[システムを構成するノード]欄の指定でマルチOpenTP1形態のTP1/LiNKごとに区別したい場合は,ポート番号もあわせて指定してください。

なお,オリジナルのTP1/LiNKにリソースマネジャを接続していた場合,マルチOpenTP1形態のTP1/LiNKにはリソースマネジャの接続は引き継がれません。dcsetupmlコマンド実行後,TP1/LiNKごとに[リソースマネジャ]ウィンドウで接続をしてください。リソースマネジャの接続については,「2.1.3 リソースマネジャの接続」を参照してください。また,セットアップしたTP1/LiNKを自動起動したい場合は,[管理ツール]−[サービス]を使用して設定してください。