9.3.2 mcfauaps(アプリケーション単位のテストの開始)
(1) 名称
アプリケーション単位のテストの開始
(2) 形式
mcfauaps -s {MCF通信プロセス識別子|アプリケーション起動プロセス識別子} 〔-e "〔{backout|ba}〕 〔{trace|tr}〕 〔{swmsg|sw}〕 〔{errevt|er}〕 〔{execap|ex}〕 〔{holdlimit|ho}〕"〕 -a アプリケーション名 〔-k アプリケーション名種別〕
(3) 機能
指定したアプリケーションをテストモードにし,テストを開始します。
mcfauapsコマンドは,コネクションを閉塞してメッセージ送受信のない状態にしてから実行してください。
(4) オプション
-
-s MCF通信プロセス識別子|アプリケーション起動プロセス識別子
〜〈16進数字〉((01〜ef))
MCF通信プロセス識別子,またはアプリケーション起動プロセス識別子を指定します。
dc_mcf_execap関数で指定したアプリケーションをテストする場合,アプリケーション起動プロセス識別子を指定します。ERREVTをテストする場合は,次の表に従って指定します。そのほかの場合はMCF通信プロセス識別子を指定します。
複数のMCF通信プロセス識別子,または複数のアプリケーション起動プロセス識別子は指定できません。
表9‒4 ERREVTをテストする場合に指定する識別子(mcfauapsコマンド) テストするERREVT
指定する識別子
MCF通信プロセス識別子
アプリケーション起動プロセス識別子
不正アプリケーション名通知イベント(ERREVT1)
○
×
dc_mcf_receive関数を発行する前に異常終了して通知されるメッセージ廃棄イベント(ERREVT2)
×
○
閉塞に伴って発生するメッセージ廃棄イベント(ERREVT2)
○※
○※
MHP実行中に異常終了して通知されるUAP異常終了通知イベント(ERREVT3)
×
○
-
-e
テストモードのオプションを指定します。
複数のフラグ引数を指定するときは,引用符(")で囲んで,フラグ引数とフラグ引数との間を空白で区切ります。
(フラグ引数)
- backout
-
トランザクション終了時,テストモードのトランザクションで使用した資源をテスト前の状態に回復します。
このフラグ引数の指定を省略すると,テスト前の状態に回復しないで,テスト中に更新した資源の状態が有効になります。
- trace
-
テストモードのトランザクションの処理中に,MHPのUAPトレース情報を取得します。
このフラグ引数の指定を省略すると,MHPのUAPトレース情報は取得されません。
- swmsg
-
テストモードのトランザクションの処理中にMHPが送信したメッセージを無効にするかどうかを指定します。無効になるのは,テスト中のMHPが発行した次に示す関数によって送信されるメッセージです。
・dc_mcf_send関数(メッセージの送信)
・dc_mcf_sendsync関数(同期型のメッセージの送信)
・dc_mcf_resend関数(メッセージの再送)
このフラグ引数の指定を省略すると,これらの関数によって送信されるメッセージが有効になります。
- errevt
-
テスト中にエラーイベントが発生した場合,エラーイベントの起動を抑止します。抑止できるエラーイベントを次に示します。
・不正アプリケーション名検出通知イベント(ERREVT1)
ただし,抑止できるのは論理端末単位のテストの場合だけです。
・dc_mcf_receive関数を発行する前に異常終了して通知されるメッセージ廃棄通知イベント(ERREVT2)
・閉塞に伴って発生するメッセージ廃棄通知イベント(ERREVT2)
・MHP実行中に異常終了して通知されるUAP異常終了通知イベント(ERREVT3)
このフラグ引数の指定を省略すると,これらのエラーイベントの起動は抑止されません。
- execap
-
テストモードのトランザクションが発行した,分岐のアプリケーション起動メッセージを無効にします。
このフラグ引数の指定を省略すると,分岐のアプリケーション起動メッセージが有効になります。
- holdlimit
-
テストモードのMHPが異常終了した場合に,MHPの自動閉塞機能を抑止します。
このフラグ引数の指定を省略すると,MHPの自動閉塞機能は抑止されません。
-
-a アプリケーション名 〜〈1〜8文字の識別子〉
テストを開始するアプリケーションの名称を指定します。
アプリケーション名に'*'および'先行文字列*'と指定した一括指定はできません。
複数のアプリケーション名は指定できません。
-
-k アプリケーション名種別
-aオプションで指定するアプリケーションの種別を指定します。
user:ユーザアプリケーション
mcf:MCFイベント
このオプションの指定を省略すると,-aオプションで指定するアプリケーション名は,ユーザアプリケーション名であると仮定されます。