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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 システム定義


性能検証用トレース定義

〈このページの構成〉

形式

set形式

〔set prf_buff_size=性能検証用トレースバッファサイズ〕
〔set prf_file_count=性能検証用トレース情報ファイルの世代数〕
〔set prf_file_size=性能検証用トレース情報ファイルのサイズ〕
〔set prf_information_level=1|0〕
〔set prf_trace_backup=Y|N〕

コマンド形式

なし。

機能

性能検証用トレース情報を取得する場合の実行環境を定義します。

説明

set形式のオペランド

prf_buff_size=性能検証用トレースバッファサイズ

 〜〈符号なし整数〉((96〜131072))《1024》(単位:キロバイト)

性能検証用トレース情報を格納するバッファのサイズを指定します。

OpenTP1のシステムサービスプロセスやUAPプロセスからの性能検証用トレース情報は,いったん共用メモリ上のバッファに格納された上でトレースファイルに出力されます。このとき,一時的な負荷の増大などで,一度に大量のトレース情報取得が行われたりファイルへの出力が滞ると,バッファが満杯になることがあります。バッファが満杯になるとその状態が解消するまで以降のトレース情報は捨てられることになります。

このオペランドは,バッファのサイズを大きくすることでバッファあふれによるトレース情報抜けの発生を低減できます。

prf_file_count=性能検証用トレース情報ファイルの世代数

 〜〈符号なし整数〉((3〜256))《3》

性能検証用トレース情報ファイルの世代数を指定します。

prf_file_size=性能検証用トレース情報ファイルのサイズ

 〜〈符号なし整数〉((1024〜1048576))《10240》(単位:キロバイト)

性能検証用トレース情報ファイルのサイズを指定します。

トレース情報は,通常ファイルに出力します。このファイルは性能検証用トレース定義のprf_file_countオペランドの指定値分の世代を用意し,すべての世代を使用したらオーバラップして上書きします。このため,ある程度時間が経つと古いトレース情報がなくなります。prf_file_sizeオペランドの指定値を大きくすることで,ファイルを上書きする時間を延長できます。

トレースファイルの1ファイルサイズの算出式を,次に示します(単位:バイト)。

1ファイルサイズ=128+(1トランザクションで必要なトレースデータ長×実行トランザクション数)
注※

1トランザクションで必要なトレースデータ長は,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」を参照して計算してください。

prf_information_level=1|0

 〜《1》

性能検証用トレース関連のメッセージの表示レベルを指定します。

0

表示レベル0の性能検証用トレース関連のメッセージ(警告および障害メッセージ)をsyslogに出力します。

1

表示レベル1以下の性能検証用トレース関連のメッセージをsyslogに出力します。

性能検証用トレース関連のメッセージと表示レベルの関係を次に示します。

メッセージ

表示レベル

KFCA26700-W

0

KFCA26705-W

0

KFCA26710-I

1

prf_trace_backup=Y|N

 〜《Y》

OpenTP1の終了時にprfトレースファイルのバックアップを取得するかどうかを指定します。

Y

prfトレースファイルのバックアップを取得します。

N

prfトレースファイルのバックアップを取得しません。

バックアップファイルを取得する場合,バックアップファイルは,$DCDIR/spool/save下に作成されます。

バックアップする対象ファイルを次の表に示します。

トレースファイル名称

ファイル名

バックアップファイル名※1

性能検証用トレース情報ファイル

prf_nnn※2

prf_nnn.bk1,prf_nnn.bk2

XAR性能検証用トレース情報ファイル

_xr_nnn※2

_xr_nnn.bk1,_xr_nnn.bk2

JNL性能検証用トレース情報ファイル

_jl_nnn※2

_jl_nnn.bk1,_jl_nnn.bk2

LCK性能検証用トレース情報ファイル

_lk_nnn※2

_lk_nnn.bk1,_lk_nnn.bk2

MCF性能検証用トレース情報取得ファイル

_mc_nnn※2

_mc_nnn.bk1,_mc_nnn.bk2

TRNイベントトレース情報ファイル

_tr_nnn※2

_tr_nnn.bk1,_tr_nnn.bk2

NAMイベントトレース情報ファイル

_nm_001,_nm_002,_nm_003

_nm_nnn.bk1,_nm_nnn.bk2

プロセスサービスイベントトレース情報ファイル

_pr_001,_pr_002,_pr_003

_pr_nnn.bk1,_pr_nnn.bk2

FILイベントトレース情報ファイル

_fl_001,_fl_002,_fl_003

_fl_nnn.bk1,_fl_nnn.bk2

注※1

nnn:各トレースファイルのファイル名に対応した値です。

注※2

nnn:それぞれ次に示す定義のprf_file_countオペランドで指定した値を上限とした001から始まる値です。

性能検証用トレース:性能検証用トレース定義

XAR性能検証用トレース:XAR性能検証用トレース定義

JNL性能検証用トレース:JNL性能検証用トレース定義

LCK性能検証用トレース:LCK性能検証用トレース定義

MCF性能検証用トレース:MCF性能検証用トレース定義

TRNイベントトレース:TRNイベントトレース定義

各トレースファイルの詳細については,マニュアル「OpenTP1 解説」を参照してください。

prfトレースファイルはトラブルシュートとして有効な情報です。バックアップを取得していなかったために,障害発生時の情報が残っていなかった場合,問題解決に時間が掛かるおそれがあります。バックアップを取得しない場合は,prf_file_sizeオペランドの拡張,およびprf_file_countオペランドの拡張を検討してください。

なお,JNL性能検証用トレース情報ファイルの場合,このオペランドは,JNL性能検証用トレース定義でも指定できます。指定値の優先順位は次のとおりです(1.>2.)。

  1. JNL性能検証用トレース定義

  2. 性能検証用トレース定義

コマンド形式

なし。

注意事項

この定義の使用は,TP1/Extension 1をインストールしていることが前提です。TP1/Extension 1をインストールしていない場合の動作は保証できませんので,ご了承ください。