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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 システム定義


mcfttrc

〈このページの構成〉

名称

トレース環境定義

形式

mcfttrc  〔-t  "〔size=トレースバッファの大きさ〕
                〔disk=yes|no〕
                〔bufcnt=トレースバッファの数〕
                〔trccnt=トレースファイルの数〕
                〔msgsize=トレースとして取得する送受信メッセージ
                          の最大サイズ〕"〕
         〔-m  del|off〕

機能

MCFのトレースに関する環境を定義します。

MCFトレースは,MCFに関する情報を取得し,トラブル解析用に使用します。

オプション

●-t

(オペランド)

size=トレースバッファの大きさ 〜〈符号なし整数〉((4096〜15728640の4の倍数))《204800》(単位:バイト)

MCFトレースを格納するためのバッファの大きさを指定します。

通常は省略値を使ってください。

ユーザが指定した値によって,MCFは次の処理をします。

  1. 指定した値がMCFで定めた下限値より小さい場合,その値をMCFで定めた下限値に補正します。

  2. 指定した値がMCFで定めた上限値より大きい場合,その値をMCFで定めた上限値に補正します。

  3. 指定した値が4の倍数でない場合,その値を4の倍数になるように切り上げます。

指定値に応じて静的共用メモリの容量を見積もる必要があります。静的共用メモリの見積もりは,「付録B.2 MCFサービス用の共用メモリの見積もり式」を参照してください。

disk=yes|no 〜《yes》

MCFトレースのディスク出力機能を使用するかどうかを指定します。

yes

ディスク出力機能を使用します。MCFトレース情報でトレースバッファが満杯になった時に,バッファの内容をディスクに出力(スワップ)します。

MCFトレースファイルは,$DCDIR/spool/ディレクトリの下に,mcftXXXnn(XXXはMCF識別子,nnは通し番号)というファイル名で出力されます。

MCFトレースファイルの詳細については,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」の「MCFトレースに関する運用」および「OpenTP1が出力するファイル一覧」の説明を参照してください。

なお,MCF通信プロセスおよびアプリケーション起動プロセスが異常終了したとき,最新トレース情報をmcftXXX0というファイルに出力する場合があります。このファイルは,trccntオペランドで指定するトレースファイルの数に含まれません。

no

ディスク出力機能を使用しません。メモリにだけ出力します。

diskオペランドを省略した場合は,MCFトレースファイルを生成しません。メモリ上の2面バッファを交互に使用します。

また,diskオペランドを省略した場合は,次のbufcntオペランド,trccntオペランド,および-mオプションの指定は無効になります。

bufcnt=トレースバッファの数 〜〈符号なし整数〉((10〜2147483647))《100》

トレースバッファの数を指定します。

MCFトレースファイルにトレースバッファを何面分格納するかを指定します。

なお,MCFトレースファイルの大きさが次の条件を満たすようにトレースバッファの大きさ(mcfttrc -t sizeの指定値)とトレースバッファの数(mcfttrc -t bufcntの指定値)を指定してください。

MCFトレースファイルの大きさ=トレースバッファの数(mcfttrc -t bufcntの指定値)×トレースバッファの大きさ(mcfttrc -t sizeの指定値)<2147483648バイト

trccnt=トレースファイルの数 〜〈符号なし整数〉((3〜99))《3》

MCFトレースファイルの数を指定します。

スワップ済みトレースファイル(bufcntオペランドで指定した数のスワップを終了したトレースファイル)とスワップ用トレースファイルの合計を指定します。

msgsize=トレースとして取得する送受信メッセージの最大サイズ 〜〈符号なし整数〉((0〜1073741824))《128》(単位:バイト)

MCFはメッセージ受信時およびメッセージ送信時に,そのメッセージの一部またはすべてをトレースとして取得します。メッセージの先頭からどれだけの内容をトレースに取得するか,その最大サイズを指定します。

0を指定した場合,メッセージの内容をトレースに取得しません。メッセージのサイズがこの指定値より小さい場合は,メッセージのすべての内容をトレースとして取得します。

このオペランドは,TP1/NET/TCP/IPを使用したMCF通信サービスに対して有効です。

●-m del|off

 〜《del》

スワップ済みトレースファイルの数と,trccntオペランドの指定値との関係を指定します。

del

スワップ済みトレースファイルの数と,trccntオペランドの指定値が一致した場合,いちばん古いスワップ済みトレースファイルを削除し,そのファイル名でスワップ用トレースファイルを作成します。

off

trccntオペランドの指定値を無視します。スワップ済みトレースファイルの数が99になった場合,いちばん古いスワップ済みトレースファイルを削除し,そのファイル名でスワップ用トレースファイルを作成します。

ディスクの空き容量を圧迫しますので,スワップ済みトレースファイルは,運用者の責任で処理したあと,削除してください。