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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 システム定義


付録B.2 MCFサービス用の共用メモリの見積もり式

MCFサービス用の共用メモリの算出式について説明します。ここで説明するサイズの単位はバイトです。

〈この項の構成〉

(1) 静的共用メモリ

ここで説明する算出結果の合計値がMCFサービスで使用する静的共用メモリのサイズです。

ほかのOpenTP1のサービスが使用する静的共用メモリにMCFサービスで使用する静的共用メモリを加え,システム環境定義のstatic_shmpool_sizeオペランドに指定してください。また,「付録B.2(1)(a) MCFマネジャプロセス」の算出式2,および「付録B.2(1)(b) MCF通信プロセスおよびアプリケーション起動プロセス」の算出式2を除いた算出結果の合計値をMCFマネジャ定義のmcfmcomn定義コマンドの-pオプションに指定してください。

MCFサービス用の静的共用メモリの算出式と定義指定値の関係を,次に示します。

図B‒1 MCFサービス用の静的共用メモリの算出式と定義指定値の関係

[図データ]

以降,図中の(a)から(d)について説明します。

(a) MCFマネジャプロセス

MCFマネジャプロセスで使用する共用メモリのサイズは,それぞれ次に示す二つの算出式の結果の合計値です。MCFマネジャプロセスは,OpenTP1システム内で一つのプロセスを使用します。

算出式1:

  • 32ビットの場合

    21000+2000×A+600×B+400×C+1000×D+400×E+400×F+500×G+400×H+400×I
  • 64ビットの場合

    29000+2800×A+800×B+400×C+1300×D+500×E+500×F+700×G+400×H+500×I
(凡例)

A:MCF通信プロセスおよびアプリケーション起動プロセス数(mcfmcname定義コマンドの指定数)

B:論理端末総数(すべてのmcftalcle定義コマンドの指定数)

C:アプリケーション総数(すべてのmcfaalcap定義コマンドの指定数)

D:MHPサービスグループ数

E:MHPサービス総数(各MHPサービスグループ内のサービス数の合計)

F:キューグループ数(mcfmqgid定義コマンドの指定数)

G:メッセージ送信を行うUAPプロセス数

H:MCF構成変更再開始機能を使用しない場合は,0になります。MCF構成変更再開始機能を使用する場合は,1になります。

I:同時に実行するタイマ起動によるアプリケーション起動要求数

算出式2:

106000+200×A+B
(凡例)

A:メッセージ出力通番使用論理端末数(mcfmcomn定義コマンドの-nオプションの指定値)

B:MCFメッセージ回復用作業領域長(mcfmcomn定義コマンドの-lオプションの指定値)

(b) MCF通信プロセスおよびアプリケーション起動プロセス

MCF通信プロセスおよびアプリケーション起動プロセスで使用する共用メモリのサイズは,次に示す二つの算出式の結果の合計値です。MCF通信プロセスおよびアプリケーション起動プロセスは,OpenTP1システム内でmcfmcname定義コマンドの定義数分のプロセスを使用します。

算出式1:

  • 32ビットの場合

    4000+A×B+C×D+800×E+800×F+(100+G)×H+600×I
  • 64ビットの場合

    5500+A×B+C×D+900×E+900×F+(100+G)×H+800×I
(凡例)

A,C:プロセスおよび使用する通信プロトコル対応製品によって次のように値が異なります。

プロセス

通信プロトコル対応製品

A

C

アプリケーション起動プロセス

  • 32ビットの場合

    1200

  • 64ビットの場合

    1500

  • 32ビットの場合

    3300

  • 64ビットの場合

    4000

MCF通信プロセス

TP1/NET/OSAS-NIF

1000

4500

TP1/NET/UDP

  • 32ビットの場合

    3500

  • 64ビットの場合

    4200

上記以外

  • 32ビットの場合

    500

  • 64ビットの場合

    600

  • 32ビットの場合

    3000

  • 64ビットの場合

    3600

(凡例)

−:該当しない

B:コネクション数(mcftalccn定義コマンドの指定数)

アプリケーション起動プロセスの場合は1です。TP1/NET/UDPのMCF通信プロセスの場合は0です。

D:論理端末数(mcftalcle定義コマンドの指定数)

E:出力キューにたまる送信メッセージの最大数(ディスクキューおよびメモリキューの両方を含みます)

F:アプリケーション数(mcfaalcap定義コマンドの指定数)

G:ユーザタイマ監視機能の最大メッセージ長(mcfttim定義コマンドのmsgsizeオペランドの指定値)

H:最大タイマ監視要求数(mcfttim定義コマンドのtimereqnoオペランドの指定値)

I:コネクショングループ数(mcftgrpcn定義コマンドの指定数)

注※

システムとして想定する論理端末ごとの滞留数の総和を指定してください。なお,少なくとも同時に送信する論理端末の最大数を指定してください。

指定した数が正しいかどうかは,mcftlsle -mコマンドを実行し,最大未送信メッセージ数を確認してください。

算出式2:

21000+2×A
(凡例)

A:MCFのトレースバッファサイズ(mcfttrc定義コマンドのsizeオペランドの指定値)

(c) MCFオンラインコマンドプロセス

MCFオンラインコマンドプロセスで使用する共用メモリのサイズは,512バイトです。MCFオンラインコマンドプロセスは,TP1/NET/XMAP3を使用する場合に,一つのプロセスを使用します。TP1/NET/XMAP3を使用しない場合,プロセスは発生しません。

(d) MCFマッピングプロセス

MCFマッピングプロセスで使用する共用メモリのサイズは,次に示す算出式の算出結果です。MCFマッピングプロセスは,TP1/NET/XMAP3を使用する場合に,一つのプロセスを使用します。TP1/NET/XMAP3を使用しない場合,プロセスは発生しません。

1300+10000×A+Σ(32×B+300×C)+D+E+F×G
(凡例)

Σ():各マッピングサービス属性定義について括弧内を計算した結果のすべての定義総計

A:マッピングサービス識別子(マッピングサービス定義に記述したマッピングサービス識別子の数)

B:常駐管理をする物理マップ数(マッピングサービス属性定義のMAPNAMEの指定数)

C:LRU管理をする物理マップ数(マッピングサービス属性定義のMAPCNTの指定数)

D:全常駐させる物理マップサイズの合計

E:LRU管理をする64キロバイト以下の全非常駐物理マップのサイズの合計

F:LRU管理をする64キロバイトを超える全非常駐物理マップ中,サイズの最大値

G:LRU管理をする64キロバイトを超える全非常駐物理マップ数

(2) 動的共用メモリ

ここで説明する算出結果の合計値がMCFサービスで使用する動的共用メモリのサイズです。ほかのOpenTP1のサービスが使用する動的共用メモリにMCFサービスで使用する動的共用メモリを加え,システム環境定義のdynamic_shmpool_sizeオペランドに指定してください。

(a) MCFマネジャプロセス

MCFマネジャプロセスで使用する共用メモリは,次に示す算出式の算出結果です。MCFマネジャプロセスは,OpenTP1システム内で一つのプロセスを使用します。

((600+A)×B+1600)×C+2000×D+1600×E+(600+F)×G×H+2×(1600×H)+1600×I+2×(600+J)×K
(凡例)

A:最大受信メッセージ長

B:最大受信セグメント数

C:すべての入力キュー(メモリキュー)にたまる受信メッセージの最大数※1(ディスクキューの場合は0です)

D:メッセージの受信,または送信を行うUAPプロセス数

E:すべての入力キューにたまる受信メッセージの最大数※1(ディスクキューおよびメモリキューの両方を含みます)

F:最大送信メッセージ長

G:最大送信セグメント数

H:すべての出力キュー(メモリキュー)にたまる送信メッセージの最大数※2(ディスクキューの場合は0です)

I:すべての出力キューにたまる送信メッセージの最大数※2(ディスクキューおよびメモリキューの両方を含みます)

J:継続問い合わせ応答用一時記憶データ格納用領域サイズの最大値(すべてのcont型のアプリケーションのmcfaalcap定義コマンドのtempsizeオペランドの指定値の最大値)

K:継続問い合わせ応答形態の通信を行う論理端末数

注※1

システムとして想定するサービスグループごとの滞留数の総和を指定してください。

指定した数が正しいかどうかは,mcftlssg -mコマンドを実行し,最大未処理受信メッセージ数を確認してください。

注※2

システムとして想定する論理端末ごとの滞留数の総和を指定してください。なお,少なくとも同時に送信する論理端末の最大数を指定してください。

指定した数が正しいかどうかは,mcftlsle -mコマンドを実行し,最大未送信メッセージ数を確認してください。

(b) MCFオンラインコマンドプロセス

MCFオンラインコマンドプロセスで使用する共用メモリは,14000バイトです。MCFオンラインコマンドプロセスは,OpenTP1システム内にプロセスは発生しません。TP1/NET/XMAP3を使用する場合に,一つのプロセスを使用します。